【石川県&香川県★連携Vol.10】白山比咩神社と禅定道、空海ゆかりの地と遍路道をめぐる聖地巡礼
石川県&香川県のコラボ特集もいよいよ最終回。今回は「聖地巡礼」をテーマに、石川県は霊峰白山を神体山とする白山信仰の聖地「白山比咩神社」と白山麓の禅定道、香川県は2023年に生誕1250年を迎えた“讃岐に舞い降りた不滅の巨人”空海(弘法大師)ゆかりの地と遍路道をめぐります。今も歴史と信仰が息づく巡礼地・パワースポットをご紹介します。
【石川県&香川県★連携】特集は、観光パートナーシップ協定を締結している石川県と香川県が、さまざまな観光コンテンツをテーマに全10回にわたり両県の魅力を発信しています。
【石川】「白山比咩神社」から始まる白山麓の聖地巡礼
地元では「白山さん(しらやまさん)」と呼び親しまれ、お正月の初詣、夏越の祓えなどの年中行事・祭事をはじめ、結婚式、七五三、厄祓い、交通安全のお祓いなど、人生の節目、日々の暮らしの中での祈りに欠かせない存在です。
「白山比咩神社」のご祭神は、白山比咩大神(しらやまひめのおおかみ)=菊理媛尊(くくりひめのみこと)と伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)の三柱。白山比咩大神(菊理媛尊)は『日本書紀』にも登場する女神で、日本の国土を誕生させた伊弉諾尊・伊弉冉尊の仲を取り持った神話から、縁結びの神、ご縁をくくる神とされています。
拝殿に向かって左手には、おみくじ、お守りやお札などを揃えた「授与所」があり、御朱印の受付もこちら。神社や白山信仰について書かれたガイドブックなどもあります。
また、霊峰白山の地下水を湛える「禊場」では、男性はふんどし、女性は白衣の姿で水に入って心と身体を清める「禊(みそぎ)」体験もできます。昇殿参拝も行う貴重な体験で、4〜11月までの期間限定・月2回の開催で予約制です。
一番大きな北参道駐車場からのルートは階段や坂がなく、最短で参拝できます。鳥居を入って右手に「宝物館」があり、古代から中世にかけての白山信仰に関する史料、加賀藩主・前田家ゆかりの宝物などが所蔵・展示されています。
「手水舎」では、こんこんと清らかな水が流れ、柱には神社がある旧鶴来地区ゆかりの木彫りの獅子の彫刻が施されています。その左手には、白山水系の伏流水の湧水「白山霊水」の水汲み場があり、遠方からも多くの人が訪れます。
白山霊水の湧き水の奥には「白光苑」があります。池の周囲を樹々が囲む静寂な雰囲気の庭園で、本殿をそばから拝むことができるスポット。
基本情報
白山比咩神社
石川県白山市三宮町 二105-1
TEL 076-272-0680
[開] 9:00-16:00(社務所)
[休]無休
《宝物館》
[開]4〜10月 9:00〜16:00、11月 9:30〜15:30
[休]冬季休館(12月1日〜3月31日)
[料]300円、高校生以下無料
基本情報
【石川】霊峰白山の頂を目指す禅定道
白山比咩神社の創建は、2000年以上前の崇神天皇の頃と伝えられていますが、白山への登頂が始まったのは、越前国(福井県)の僧・泰澄(たいちょう)が女神のお告げを受けて、養老元年(717年)に白山を開山してからのこと。今でも泰澄大師の伝承は、北陸のあちこちに残っています(香川の記事で紹介する空海=弘法大師の伝承もあちこちに残ります)。
白山登拝の禅定道は、加賀(石川)・越前(福井)・美濃(岐阜)の三方向から整備され、起点に位置する加賀の白山比咩神社、越前の平泉寺白山神社(へいせんじはくさんじんじゃ)、美濃の長滝白山神社(ながたきはくさんじんじゃ)は、三馬場(さんばば/さんばんば)と呼ばれています。
白山への登山口はいくつもありますが、もっともポピュラーなのが石川県白山市白峰の「別当出合(べっとうであい)」からのコースです。別当出合から室堂までは約6km、約4~5時間(休憩含まず)が目安。室堂から白山比咩神社の「白山奥宮」がある御前峰の山頂までは約1時間です。
健脚なら日帰り登山も可能ですが、山小屋で泊まる1泊2日のプランで、禅定道の歴史ロマンに想いを馳せながら白山登山にチャレンジしてみてはいかが!? 高山でしか見られない貴重な動物や高山植物などとの出会い、降り注ぐような満天の星空、山頂で見るご来光なども体験できます。
基本情報
【石川】白山麓の信仰と暮らしに触れるスローツーリズム
それらの仏像は「下山仏(げざんぶつ)」と名付けられ、白峰の「林西寺(りんさいじ)」と、尾添(おぞう/おぞ)の集落に預けられ、今も大切に守られています。白山麓の地域には、白山信仰にまつわる歴史や文化を感じられるスポットが多数あり、白山の自然や山間の人々の素朴な暮らしに触れる体験ツアーなども開催されています。
【石川】白峰の聖地巡礼・パワースポットめぐり
石川と福井の県境にある白峰は、白山登拝の拠点として栄え、江戸時代には幕府の天領でもあった歴史があります。土蔵や黄土色の土壁などの独特の建築様式が見られ、一帯が重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。ノスタルジックな風景のなかに、古民家カフェ、堅豆腐や薬草のお店、宿、日帰り温泉などが立ち並びます。
パワースポット、伝統工芸、山奥グルメなど観光で楽しめる体験や見どころも多数。越前禅定道へつながる白山の登山口「別当出合」は集落の奥にあるので、白峰を拠点にして登山前夜に宿泊したり、登山後の入浴で立ち寄るのもおすすめです。
基本情報
白峰集落の中心部にある「林西寺(りんさいじ)」には下山仏が安置されています。本堂に併設された「下山仏堂」で国指定重要文化財に指定されている観音菩薩像など、7体の仏像と白山を開山した泰澄大師の坐像などを拝観することができます。さらにご住職のお話を聞けば、廃仏毀釈と下山仏にまつわる歴史、山麓の信仰について詳しく知ることができます。
基本情報
【石川】一里野・尾添の聖地巡礼・パワースポットめぐり
また、スキー場は夏になると人気のイルミネーションスポットに変身します。ゲレンデを彩る1万3,000個のLEDライトの七色の光は、霊峰白山へとつながる加賀禅定道をイメージし、ブルーの光は白山の水の恵みを表現しているそう。一帯には宿泊施設がたくさんあり、山麓グルメも楽しめるので、登山や観光の拠点にもおすすめです。
尾添の白山下山仏と牛王印
白山に登る修験者が、安全祈願のために立ち寄っていた尾添の集落には、白山信仰ゆかりの品が伝わります。一里野へ向かう街道沿いにある「白山下山仏社」には、白山山頂から下山した貴重な仏像が安置されています。通常は非公開ですが、事前に連絡すると下山仏の見学が可能です。
白山下山仏社そばのお寺「林道場」には、白山に登る修験者が入山前に安全祈願のために押していた「牛王印(ごおいん/ごおういん)」の板木が受け継がれています。この牛王印をモチーフにしたスタンプで、牛王印Tシャツを作るワークショップも体験できます。修験者にあやかって、牛王印を押した安全祈願のTシャツで白山登山もいいですね!
「白山ろくスローツーリズム研究会」では、白山比咩神社から一里野温泉までのパワースポットをガイド付きでめぐるツアーや、報恩講料理、白山白川郷ホワイトロードのツアーなども提供しているので、旅の計画に盛り込めばよりディープで思い出深い旅が楽しめますよ。
基本情報
白山ろくスローツーリズム研究会
【香川】生誕1250年!空海(弘法大師)ゆかりの地と遍路道をめぐる
【石川県&香川県★連携】特集シリーズを読む
いかがでしたか? この特集は全10回にわたり、観光パートナーシップ協定を締結している石川県と香川県が、両県の魅力を発信してきたシリーズ企画です。共通テーマを相互に取材した特集をぜひ参考に、両県の魅力を訪ねる旅をお楽しみください。
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