【石川県&香川県★連携Vol.8】伝統工芸を楽しむ最旬スポット 前編 〜泊まる・食べる・巡る KOGEI〜
石川県&香川県のコラボ特集も第8弾、今回のテーマは「工芸」です! 石川県は金沢を中心に、能登や加賀など各地域に伝統工芸の技が数多く受け継がれ、東京や京都と並ぶ日本を代表する工芸が盛んな地で「工芸王国」とも呼ばれています。
九谷焼、加賀友禅、山中漆器、輪島塗などが有名ですが、今回は加賀地域が産地の「九谷焼」「山中漆器」を新感覚で楽しめる最旬KOGEIスポットや体験アクティビティを前編・後編で特集してご紹介! 香川県からは多彩な形や雅な図柄が魅力の伝統工芸品「丸亀うちわ」の手作り体験をご紹介します。
【石川県&香川県★連携】特集は、観光パートナーシップ協定を締結している石川県と香川県が、さまざまな観光コンテンツをテーマに全10回にわたり両県の魅力を発信しています。
【石川】お部屋もお風呂も九谷焼!九谷焼作家がプロデュースしたホテル
前身である市が運営する研修施設をリノベーションし、2022年7月に九谷焼の作家が空間をプロデュースするホテル、地元の食材を使ったカフェ&レストラン、最新の美容を取り入れたスパ(入浴施設)やスタジオが利用できる、身体も心も満たされる施設に大リニューアルしました。
能美市は九谷焼の産地の一つで、ホテルの客室は市内在住やゆかりのある九谷焼の若手作家が1人1部屋ずつ担当し、それぞれのアイデアと作品でプロデュースしています。2022年に5室が完成していましたが、ラウンジの壁画と残りの部屋も完成し、2023年3月中旬から全室で宿泊が可能に! 今回の取材では6部屋を見せていただきましたが、その中から3部屋をご紹介します。
「眠りの島」牟田陽日(むた ようか)
夜光貝のランプの下のゴツゴツした岩は九谷焼の磁土で作られ、部屋でコーヒーやお茶を飲むマグカップにも鯨と島が描かれています。このマグカップはフロントで購入も可能で、細部までプロデュースされていることに感動してしまいます。
「五彩アニマル’Z」山近泰(やまちか やすし)
動物たちは九谷五彩の紺青・赤・紫・緑・黄をベースに、家族愛の象徴である象、ブッダの「犀の角のようにただ独り歩め」という言葉に象徴される、黙々と目的に向かって邁進する犀(サイ)などが、独自の表現とデザインで描かれています。絵の一部には九谷焼の陶板が重ねられ、壁紙とつややかな焼き物との質感の違いも見どころです。
「里やまの狐」架谷庸子(はさたに ようこ)
「SARAI」は、能美市の原風景ともいえる古墳群が広がる里山エリアにあり、夏になると窓の外に蛍が舞う姿も見られるそう。そんな情景からインスピレーションを得て、さまざまな小紋を赤絵細描で彩る「やま小紋」として随所に展開。山の稜線には後光のような金の縁取りが施され、精密な赤絵細描のレリーフは山々の間から昇った太陽のようで、抽象パターンにも里山の風景にも見ることができます。
《九谷ステイの部屋と作家>
01:「龍」井上雅子(いのうえ まさこ)
02:「現在作成中」上出惠悟(かみで けいご)※3月12日完成
03:「里やまの狐」架谷庸子(はさたに ようこ)
04:「五彩アニマル’z」山近泰(やまちか やすし)
05:「静爽の奏」山岸青矢(やまぎし せいや)
06:「光と線と影」中田雅巳(なかだ まさる)
07:「現在作成中」早助千春(はやすけ ちはる)※3月12日完成
08:「眠りの島」牟田陽日(むた ようか)
洋室は1室1名から3名まで、和室は1名から最大6名まで利用でき、しかも素泊まりで1人4,950円〜8,800円とリーズナブル! 食事は別途料金でレストランでの朝食、夕食付きも選べます。お風呂は施設内のスパ(入浴施設)を利用しますが、このお風呂の九谷焼も必見です。
宿泊者以外も利用できるお風呂とレストラン
スパとレストランは宿泊客以外も利用でき、ディナーは予約制ですが、ランチは予約なしで気軽に楽しむことができメニューも豊富! 料理の器に九谷焼が使われているので、テーブルへ運ばれてくるととても華やかで、メニューごとにどんな器が使われているのかも楽しみの一つ。
3面がガラスで開放感があるレストランは里山の風景、白山の峰々などが見渡せます。穏やかな時間が流れ、食後にコーヒーやデザートなどを追加しゆっくり過ごす人も多いよう。もちろんそれらの器も九谷焼です。
基本情報
ウェルネスハウス SARAI
石川県能美市石子町ハ147-1
TEL 0761-57-1212
[営]10:00〜22:00 [休]水曜
宿泊/チェックイン16:00〜20:00、チェックアウト10:00
入浴/17:00〜22:00(受付21:00)
食事/カフェ11:00〜18:00、ランチ 11:30〜14:00、ディナー(予約制) 17:00〜20:00
【石川】コンシェルジュと巡る山中漆器の工房見学プライベートツアー
漆器は基本的に分業で作られ、山中では木地づくりから、美しい手仕事の真骨頂ともいわれる蒔絵技師まで、多様な職人・作家が活躍しています。しかし、職人の伝統技術の多くは公開されず、関係者以外は立ち入り禁止の工房も珍しくありません。
ツアーの出発点となる店舗は山中温泉バスターミナルのすぐそば、まさに温泉街の入口にあります。店内では提携する工房で製作された作品など、現代の暮らしに合う漆の器や蒔絵が施されたアクセサリーなどが展示・販売されているので、ツアー以外でも山中漆器のセレクトショップとして利用するのもおすすめ。
木地挽きの工房を見学すると、製材して輪切りになった木材から、木目の出方や製品サイズに合わせてカットし、お椀の形になっていく様子がよくわかります。
塗師(ぬし)の工房では、漆塗り専用のハケや筆、漆を乾かす特別な設備など、珍しい道具もいっぱい。繊細な手仕事を間近で見て、職人さんから話を聞くことで、漆の性質や技法についての知識が深まります。
蒔絵師の工房では、漆で絵や文様を描いて金・銀などの金属粉を蒔いて付着させる蒔絵や、夜光貝・アワビ貝・蝶貝などの貝殻を切って文様にする螺鈿など、漆工芸の加飾技法が見学できます。
工房によってはギャラリーや直営SHOPを併設しているので、ツアー予約の際に「工房でお椀を買いたい」「アクセサリーが見たい」などの希望があれば、リクエストしてみるのもおすすめです。
基本情報
今回は前編・後編に分けて両県の伝統工芸を特集しています。
後編では伝統工芸の手作り体験スポットを紹介しているので、ぜひ続けてご覧ください。
【石川県&香川県★連携】特集シリーズを読む
この特集は観光パートナーシップ協定を締結している石川県と香川県が、両県の魅力を発信している全10回のシリーズ企画です。ほかにも共通テーマを相互に取材した特集を掲載しています。
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