【石川県&香川県★連携 Vol.1】2つの国際芸術祭をめぐる旅 〜前編:瀬戸内国際芸術祭2022〜

3606ビュー

「奥能登国際芸術祭」の運営に携わる「サポートスズ」の新人スタッフ・小菅杏樹さんが香川県を訪れ、瀬戸内海の島々を舞台に開催されている「瀬戸内国際芸術祭2022」に「こえび隊」のサポートスタッフとして参加しました。その活動体験や「瀬戸内国際芸術祭」の魅力、見どころなどをご紹介します。


※石川県と香川県は観光パートナーシップ協定を締結しています。【石川県&香川県★連携】特集ではさまざまな観光コンテンツをテーマに、全10回にわたり両県の魅力を発信していきます。第1回目は「芸術祭」をテーマに<前編>で香川県の「瀬戸内国際芸術祭」、<後編>で石川県の「奥能登国際芸術祭」をご紹介!

【石川県&香川県★連携 Vol.1】2つの国際芸術祭をめぐる旅 〜前編:瀬戸内国際芸術祭2022〜

基本情報

「瀬戸内国際芸術祭2022」を訪れた旅人をご紹介

【小菅杏樹(こすが・あんじゅ)さん】

奈良県出身、2022年5月に珠洲市へ移住。「サポートスズ」のスタッフとして、「奥能登国際芸術祭」の作品メンテナンス、作品案内、パンフレット等のデザインの仕事に携わる。「瀬戸内国際芸術祭2022」夏会期に「こえび隊」のサポートスタッフとして参加し女木島を訪れました。

「瀬戸内国際芸術祭2022」を訪れた旅人をご紹介

「瀬戸内国際芸術祭2022」秋会期が開幕!

瀬戸内海の12の島と2つの港を舞台に、3年に1度開催される現代アートの祭典「瀬戸内国際芸術祭」。今年は5回目の開催年で、すでに春・夏会期を無事に終え、秋会期《9月29日(木)〜11月6日(日)》がスタート! 2010年の第1回から「海の復権」をテーマに掲げ、アート作品と瀬戸内の島々の自然や文化、歴史を同時に体感できるイベントとして話題を集め、開催時には国内外から多くの人が足を運びます。

香川県高松港にある大巻伸嗣「Liminal Air-core-」。港にそびえ立つ2本のカラフルな柱は一部が鏡面になっていて、周囲の情景を映し出します。港の移りゆく景色が、作品の様々な表情をつくります。 

高松港からフェリーで約20分の「女木島」へ

高松港から、女木島と男木島という小さな2つの島を結ぶフェリー「めおん」に乗り込み、小菅さんは女木島へと向かいました。
瀬戸内海の小さな島々(シマジマ)の間を、小さな縞々(シマシマ)の船が進んでいく。そんな風景をイメージしてデザインされた赤と白のシマシマ模様が特徴の「めおん」。
女木島は面積2.62㎢、人口125人の小さな島で、1年を通して風が吹き、特に冬は「オトシ」と呼ばれる海水交じりの強風が集落に吹き付けるため、その風から家を守る石垣「オオテ」が海岸に並びます。

2016年からは「女木島名画座」、2019年からは「ピンポン・シー」など、島民や来島者が利用・購入できる作品が増え、特に女木島名店街は作品とお店がパワーアップしています。作品は港周辺の集落に点在しているので、歩いて巡るのがおすすめです。

基本情報

女木島名画座

住所:香川県高松市女木町228-1

基本情報

ピンポン・シー

住所:香川県高松市女木町235-1

注目作品その1:ニコラ・ダロ「ナビゲーションルーム」

小菅さんもおすすめの女木島で訪れたい注目作品は、夏会期から新たに公開されたニコラ・ダロ「ナビゲーションルーム」。女木島東海岸にある旧海の家で、架空の海を渡る航路を見つけるための航海装置をテーマにした、機械仕掛けの作品が展示されています。オルゴールからは12のオリジナル曲が繰り返し流れ、それら全ての曲は天井に向かって走る長さ12mの厚紙シートに刻み込まれています。中央の遊び場のような装置がオルゴールの曲と連動して動き、航海図と3つの動くディスクが交差し、天体の動きや太陽光の減衰を表現しています。

「ナビゲーションルーム」の開場前に、ボランティアサポーター「こえび隊」へ作品に関する情報や来場者対応について説明する小菅さん。小菅さんは運営側の遊撃隊として「こえび隊」のサポートを3日間行いました。

基本情報

ナビゲーションルーム

住所:香川県高松市女木町289

注目作品その2:五所純子「リサイクルショップ複製遺跡」

海辺に佇む「寿荘」の2階で2022年の春会期から公開された新作。島の内外から集まった物品を壁に埋め込み、文筆家でもある作家のテキストとともに展示販売しています。海に面した展示空間で、目の前には穏やかな瀬戸内海の風景が広がります。

スプーンやフォークなどの食器類をはじめ、動物をかたどった置物、サングラスなどがランダムに配され、まるで白い砂浜に漂流したもののようです。

基本情報

リサイクルショップ複製遺跡

住所:香川県高松市女木町235-1

注目作品その3:レアンドロ・エルリッヒ「不在の存在」

第1回目・2010年の公開からの人気作品です。女木小学校の周辺にある空き家を改装し、「不在の可視化」をテーマにした作品2点が設置されています。建物の中央にある石庭では、誰もいないのに、誰かの息遣いや足音を感じることができます。また、空き家の一室は茶室になっていて、不思議な目の錯覚を体感することができます。

レアンドロ・エルリッヒの「不在の存在」。中庭には不思議な体験ができる芸術作品、建物内部には鏡を使った芸術作品、レストランと図書スペースも併設しています。小菅さんは、来場者に作品の紹介をしながら、作家の魅力を伝えていました。レアンドロといえば、石川県の「金沢21世紀美術館」の人気作品「スイミング・プール」でもお馴染みのアーティスト。作品を通じて香川と石川のつながりを感じることもできます。

基本情報

不在の存在

住所:香川県高松市女木町189

サポーターの一員として、「瀬戸内国際芸術祭」を訪れて…

1日の終わりには「瀬戸内こえびネットワーク」の事務所で反省会にも参加。来場者に「瀬戸内国際芸術祭」を楽しんでもらえるよう、その日起きたことの共有や翌日の取り組みなどを共有します。「島を巡ってアートを楽しむというだけあり、観光客が島巡りをするのに快適な設備が整っていますね。島を訪れた際には、島民の方々との触れ合いも楽しむことができました」という小菅さん。初めての「瀬戸内国際芸術祭」で島巡りやアートを通じて地元の人々とつながることに魅力を感じたそうです。
2022年5月に「奥能登国際芸術祭」の運営を担う「サポートスズ」に加わったばかりの小菅さんは、まだ芸術祭の本祭運営は未経験。サポートスタッフとして瀬戸内で経験した5日間は、すべてが新鮮な学びとなったようで「2023年に開催される奥能登国際芸術祭2023では今回の学びを活かし、訪れた人に珠洲の魅力を知ってもらいたいです」と、力強く話していました。

瀬戸内から奥能登へ「2つの芸術祭をめぐる旅」は後編へ!

取材日に初対面となった小菅さんと香川県庁職員で「瀬戸内国際芸術祭」を立ち上げから担当している今瀧哲之(いまたき・てつゆき)さんアートや芸術好きな2人は会話も弾んで意気投合。次は今瀧さんが石川県珠洲市を訪れ、小菅さんが「奥能登国際芸術祭」の常設作品を特別公開する「ART Oku-Noto 2022秋」を案内する約束をしました。今瀧さんの珠洲訪問は「2つの国際芸術祭をめぐる旅 後編」でご紹介します!


開催中の「瀬戸内国際芸術祭2022」、来年開催の「奥能登国際芸術祭2023も、ぜひお楽しみください!

基本情報

◆瀬戸内国際芸術祭2022 秋会期 

期間:2022年9月29日(木)〜11月6日(日) 

会場エリア:香川県・岡山県にまたがる瀬戸内海の12の島と2つの港 直島、豊島、女木島、男木島、小豆島、大島、犬島、高松港、宇野港、本島、高見島、粟島、伊吹島 

問合せ:瀬戸内国際芸術祭総合案内所 

電話:087-813-2244  

>>公式サイト


◆奥能登国際芸術祭2023 

期間:2023年9月2日(土)〜10月22日(日) 

会場エリア:石川県珠洲市全域 

問合せ:奥能登国際芸術祭実行委員会 

電話:0768-82-7720  

>> 公式サイト 


サポート・スズ 

電話:080-9992-9620  

>> 公式サイト

ページトップへ
「令和6年能登半島地震」の影響による掲載内容の注意点
当サイトに掲載の情報については、震災の影響により更新が追い付いていないものがありますのでご注意ください。