九谷焼の魅力に迫る!絵付け体験&窯跡見学

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ほっと石川旅ねっと体験ライターのあやです。

今回は石川県南部に位置する加賀地区で、九谷焼の絵付け体験や、九谷焼の歴史と特徴を娘と一緒に学んできました。

九谷焼の魅力に迫る!絵付け体験&窯跡見学

本格的な九谷焼絵付け体験ができるギャラリー

加賀温泉郷の1つである山代温泉の中心に位置する九谷焼体験ギャラリー「CoCo」です。
こちらではプロが使う道具や絵の具を使用し、本格的な上絵付けが体験できます。
はじめにどの器に絵付けをするかを選びます。
カップや丸皿、楕円形や長方形のお皿などたくさんあって迷いますね。

大きさや形によって値段が変わります。1,800円〜3,000円程の物が多かったです。
丸みがあったり小さいと絵を描くのが難しそうだと思ったので、フリルが可愛い直径12㎝ほどのお皿を選びました。
「にかわ」を浸し軽く絞った布で素地(皿)をよく拭き乾燥させた後に、鉛筆で下描きをします。
にかわを引く事で細かい線を描いてもにじまず、骨描きした呉須(ごす※磁器に使われる顔料)が取れず、彩色しやすくなります。

デザインを事前に考えて体験に臨むとスムーズに作業を進められます。
うさぎ年なのでうさぎと九谷焼らしい絵柄を組み合わせてデザインを考えました〜
娘はデザイン科に通っているので、こういった作業は得意なのです♪

デザインを考えるのが苦手な方には、下絵のテンプレートや下描きしてある器もあるので安心してくださいね!
呉須で絵模様の輪郭を描いていきます。
輪郭は色付けした後も残るので、慎重に描いていきます。

 
色付けのコツを職人さんから丁寧に教えていただきました。
赤色以外の絵の具はガラス質のため、焼き上がった後は透きとおった色の仕上がりになります。
こんもりと膨らみを持たせて色付けをすることで、発色良く仕上がります。 
均一な色合いになるよう厚みを揃えて塗っていきます。
仕上がりの色は下のお皿の色になるので、デザインに合わせて色付けしていきます。
 
まずは赤色から塗っていきます。
赤色は他の色とは違って先に描いた呉須の線が見えなくなります。
筆先に絵の具をつけて離さずに続けて塗っていくとムラになりにくく、綺麗に塗れます。
一つ一つを慎重に塗っているので、とても真剣な姿の写真になってしまいました(笑)
すべての色付けを終えたら、先に塗った赤色のお花の模様を呉須で描いていきます。
はじめに描いた時と違って、赤色の絵の具の上だと呉須が塗りにくくなっているので、筆の太さなど工夫して描いていきます。

見ているだけで緊張感が増して、思わず息を止めてしまいました…。
描き終えたあとの安堵感はたまらなかったです。
完成です! 
ようやくカメラ目線の写真が撮れました(笑)
こんなに真剣な様子を見たのは初めてかもしれませんね〜。

可愛く仕上がって満足そうです♪
 

完成品はこちらです。

温かみのある可愛い作品になりました。


出来上がった作品はお店に取りに行くか、宅急便で送ってもらうかから選べます。

約2週間ほどで届きました。

 

基本情報

九谷焼体験ギャラリーCoCo

【住所】石川県加賀市山代温泉18-115甲1

【電話番号】0761-75-7116

【営業時間】9:30〜17:30(絵付け体験受付は16:30まで)

【休業日】木曜

【駐車場】なし


《上絵付け体験》

[体験料金]1,800円〜


››じゃらん遊び・体験予約はこちら

現存最古の登り窯と築200年の古民家を見学

次に向かったのは、九谷焼体験ギャラリーCoCoから車で3分のところにある『九谷焼窯跡展示館』です。
駐車場は道路を挟んで向い側にあります。
駐車場から向かうと、いかにもここが入口かと思ってしまう古民家があるのですが、こちらは出入りができませんので道路沿いに歩いて反対側に回ります。
現代九谷焼のルーツである吉田屋窯以来の窯跡、国指定史跡・九谷磁器窯跡を発掘整備し、公開しています。残存していた旧母屋(展示棟)と窯小屋内の登り窯は、石川県加賀市指定文化財です。
まずは、再興九谷吉田屋窯の登り窯の遺跡がある建物に行きました。

こちらは窯跡を保護しつつ公開するため、建築家の内藤廣氏によって建設された建物です。 
 
中に入ると登り窯の基礎だけの遺跡が目の前に広がりました。当時はこの上に登り窯の本体があったとされています。

窯跡をみると、この窯が3つの構造で出来ているのがわかります。
1つ目は「胴木間(どうぎま)」と呼ばれる最初の燃焼室。2つ目は作品を焼く焼成室、3つ目は炎を誘導するための煙道です。火が上へのぼる性質を利用するため山の斜面に作ったようです。

かなり大きな窯だったようで、入る作品の数は約1万点程にも及ぶそうです。

建物には階段が設置されており、いろんな方向から遺跡を見学できました。
昭和15年〜40年まで実際に使用されており、平成14年に加賀市指定文化財となった『山代九谷焼磁器焼成窯』です。

先に見た登り窯の遺跡が大きいという事はなんとなくわかりましたが、実際にこちらの登り窯を見てみると、窯一つ分大きい規模であることが実感できました。
窯の見学の後は、かつて窯元の住居兼工房で、現在は展示棟となっている築200年の古民家を見学しました。
 
現在は電動ろくろが主流ですが、モーターが登場する前は、自分の足で回転させながら使うろくろが主流でした。
今でも蹴ろくろの方が味わいが出ていいと使う職人さんもいるそうです。

足で回転させるなんて大変そうだな〜!
絶対筋肉痛になるに違いない〜!
九谷焼の原料となる石です。
九谷焼はこの石を粉砕し粘土にして、素地を作り絵付けをして窯焼きをするという工程になります。

工程を考えれば納得なのですが、石だけ見ると「こんな石があんな素敵な作品に仕上がるの?」とびっくりしてしまいました〜!
絵付け場には、絵付けに必要な道具がたくさん並んでいました。

実際に絵付け体験をしてみて、筆の細さや硬さの重要性を感じました。
丸みのある器への絵付けの方法などが気になっていましたが、こちらの工房を見て工夫された道具がたくさんあることに気づきました。
にじみにくい赤色の絵の具の特性を活かして、器全体に細かい描き込みをし、金の飾り付けで華やかに彩られた作品が赤絵の特徴です。
背景を赤で塗り埋めた器に金で絵付けしたスタイルは、赤絵の中でも特に「金欄手(きんらんで)」と呼ばれています。
細かく描かれた絵が見やすいようにルーペが設置されていました。
なんと100人の老人が描かれているそうです!職人技の凄さに驚きです!
この繊細な絵を実際に訪れて見ていただきたいです。
 

旧お座敷部分は企画展示室となっており、年4回の企画展が開催されています。


なお、こちらの工房でも絵付け体験ができるほか、職人の方々の作品が販売されています。

 

基本情報

九谷焼窯跡展示館

【住所】石川県加賀市山代温泉19-101番地9

【電話番号】0761-77-0020

【営業時間】9:00~17:00(入館受付は16:30まで)

【入場料】一般350円 高校生以下 無料 75歳以上 170円

【休業日】火曜(祝日の場合は開館)

【駐車場】30台 道路を挟んだ向かい側にある木村駐車場を利用(無料)

日本で唯一の九谷焼専門美術館で歴史と魅力に浸る

『石川県九谷焼美術館』はJR大聖寺駅からほど近く、『古九谷の杜親水公園』の一角に建つ、九谷焼をテーマにした美術館です。
360年以上の歴史を持つ古九谷から現代九谷焼に至るまでの魅力が紹介されています。
右手には四季折々の表情を見せる中庭、左手には九谷焼と大聖寺の歴史を紹介するパネルが展示された回廊があります。

天井や壁、床などの建材には天然のものを使用し、コンクリートなどは一切使用されていないそうです。
こだわり抜いた建物を見学に来る方も多いそうです。
九谷焼を代表する青手の作品で、この美術館の代表的な作品です。
器全体を彩る塗り埋めならではの鮮やかな発色と、濃厚な色づかいから生み出される大胆なデザインです。
ほとんどの作品はガラスのケースに展示されていますが、こちらは作品を生の状態で見られるようにケースに入れず展示されていました。
裏側も見られるように鏡も設置されていました。

こういった展示の仕方を見たのは初めてだったので、じっくりと眺めました。

五彩手とよばれる、色鮮やかな絵付けの作品です。

絵画のようなデザインはもちろん素晴らしいのですが、お皿の大きさに注目して欲しいです。とても大きく見事な作品でした!

基本情報

石川県九谷焼美術館

【住所】石川県加賀市大聖寺地方町1-10-13

【電話番号】0761-72-7466

【営業時間】9:00~17:00(入館は16:30まで)

【入場料】一般560円 高校生以下無料 75歳以上(要証明)280円

【定休日】月曜(祝日は開館)、展示替えによる臨時休館日

【駐車場】20台

九谷焼をイメージした喫茶店

美術館の2階にある喫茶店、『茶房古九谷』です。
外からも直接お店に入ることができ、美術館の開館時間以外の利用も可能です。

天気のいい日にはベランダから外を眺めながらお茶もできます。

見学に行った日は、たくさんのマダムたちが楽しそうにお茶会をしていました。
店内はギャラリーになっていて、現代九谷焼作家の作品がたくさん展示されており、作品を購入することもできます。

九谷焼の原料となる石が発掘される地層をイメージした壁や、五彩手をイメージしたガラスが美しくアートな空間でした。


 

基本情報

茶房古九谷

【住所】石川県加賀市大聖寺地方町1-10-13 石川県立九谷焼美術館二階

【電話番号】0761-72-6366

【営業時間】9:30~17:30

【休業日】月曜(祝日は営業)、年末年始


››茶房古九谷の公式サイトはこちら

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