新家邸長屋門
長町の武家屋敷に残る金沢を代表する長屋門です。屋敷は離れを残して今はありませんが、藩政期には桑島氏が居住していました。
長屋門は、赤戸室でやや反りをもった亀甲積みの基礎の上に、壁は太い押縁の付いた下見板部と軒下の白漆喰の小壁とが好対照をなしています。屋根は、現在瓦葺きですが、昭和3年までは板葺き石置きでした。入り口は厚い板石が敷かれた引込み空間であり、脇にはこの長屋門を特徴づける大きな武者窓が張り出しています。扉は両開きであり、中に入ると石は敷かれず、土が表れた状態となっています。
長屋の中は、一方が仲間部屋であり、その玄関には細かい透し格子の引遣戸が入っています。玄関にはいると武者窓からの物見(モノミ)が隣接しています。仲間部屋は竿縁天井の6畳2間であり、全面道路に向けて窓が開けられています。この窓には鉄格子のように見える丸棒が入っていますが、実は木製です。背面は流しを含む土間で、屋根裏まで吹き抜けた空間です。
他方、長屋門を入った左手は馬屋でした。現在は物置として使用されていますが、馬の手綱を結わえた鉄輪が屋根裏の梁に今も残っています。
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基本情報
- 所在地
- 石川県金沢市長町1丁目1番41号
※施設情報が変更される場合があります。最新情報は各公式サイト等をご確認ください。