九谷焼の聖地、加賀を巡る旅
九谷焼のふるさとを訪ね、本物にふれる
石川が世界に誇る伝統工芸のひとつ「九谷焼」。江戸期に山中温泉九谷の地で始まり発展していきました。発祥の地ならではの九谷の歴史を辿りながら、本物に出会う楽しみを見つけます。
- 所要時間
- 1日コース
- 主な交通手段
- 車、徒歩
このコースでめぐるエリア
九谷焼窯跡展示館
歴史を感じる窯跡でとっておきな時間を
江戸時代に造られた九谷窯跡や、現存最古の九谷窯を見ることができます。九谷焼の蔵元が実際に代々住居兼工房として使っていた古民家で、九谷絵付け体験やロクロ体験をしてみてはいかがでしょうか。
「古九谷」が廃絶後、大聖寺の豪商「吉田屋伝右衛門」によって、文政6年(1823年)山中町九谷で再興された九谷焼。その後2年で山代に移されました。再興された窯は「吉田屋窯」と呼ばれ古九谷と並ぶ名品として高い評価を受け、以後「宮本屋窯」「藩営九谷本窯」「民営九谷本窯」「九谷陶器会社」「九谷陶器本社」「大蔵寿楽窯」「嶋田寿楽窯」と受け継がれ現在に及んでいます。九谷焼はこの地を中心として連綿と受け継がれ数々の名品が生み出されたのです。
【見学のみどころ】
(1)展示棟(母屋)
旧窯元だった木造建築を修復しており、建物自体が加賀市指定文化財です。年4回の再興九谷に関する企画展と常設展、跡ロクロ成形体験・九谷焼絵付け体験のコーナーがあります。
(2)九谷磁器窯跡
国指定史跡です。江戸時代後期、すでに絶えて久しかった九谷焼を再興すべく、江沼郡(現・加賀市)の豪商四代目吉田屋伝右衛門が築窯し、受け継がれた登り窯の底面遺跡です。遺跡を保護しているシェルターは建築家内藤廣氏の作品です。
(3)登り窯
昭和15年~40年まで実際に使われていたものです。加賀市指定文化財。再興九谷江沼諸窯の平均的なモデルと考えられています。
※ろくろ体験教室(完全予約制)詳細は九谷焼窯跡展示館公式サイトをご覧ください。
- 住所
- 加賀市山代温泉19の101番地9
- 電話番号
- 0761-77-0020
- 営業時間
- 9時00分~17時00分(入館は16時30分まで)
- 休業日
- 火曜日(祝日は営業)・年末年始はお問い合わせください
※施設情報が変更される場合があります。最新情報は各公式サイト等をご確認ください。
山代温泉 古総湯
明治時代の総湯を復元 山代温泉湯の曲輪のシンボル
明治時代の総湯(温泉の共同浴場)を復元した「古総湯」が山代温泉の湯の曲輪に誕生しました。
こけら葺きの屋根と二階の窓が印象的な外観、内装には当時、最先端だったステンドグラスが湯船に鮮やかな光をおとし、壁は拭き漆、タイルにはこれまた当時のままの絵柄を忠実に再現した九谷焼がほどこされています。
入浴方法も当時のままを体験していただくため、浴室にはカラン・シャワーなどの設備はなく、かけ湯をして湯船につかります。
お湯は源泉かけ流し。 山代温泉総湯との共通入浴券もあります。
★あわせて読みたい
- 住所
- 加賀市山代温泉18-128
- 電話番号
- 0761-76-0144(山代温泉 総湯・古総湯)
- 営業時間
- 6:00~22:00(毎月第4水曜日は12:00~22:00)
冬季営業時間:12月~2月 7:00~21:00(閉館)
※1月1日~3日 総湯・古総湯 7:00~21:00(閉館)(総湯売店:9:00~17:00) - 休業日
- 第4水曜日午前中
※施設情報が変更される場合があります。最新情報は各公式サイト等をご確認ください。
魯山人寓居跡いろは草庵
若き魯山人の息づかいを感じる… 魯山人寓居跡 いろは草庵 金沢の文人・細野燕台の食客となった魯山人は、大正4年秋から翌年春までの約半年間、山代温泉に滞在し、菁華窯などの刻字看板を彫った。 その寓居を当時そのままに公開しているのが、「いろは草庵」である。
仕事場や書斎、囲炉裏の間が見学できるほか、土蔵を改装した展示室では作品も展示している。
山代温泉の旦那衆は、当時まだ無名であった魯山人の才能を認め見出した。 この山代温泉で魯山人は燕台の煎茶仲間でもある初代・須田菁華から陶芸の手ほどきを受ける。 以来、刻字看板制作の傍ら菁華窯に通い作陶に力を注いだ。 山代は、魯山人の才能を開花させた地ともいえるだろう。
後年この別荘をたびたび訪れた魯山人は、旦那衆と書画、骨董について語り合い、旬の食材を用いた料理を味わい、美食談義に花を咲かせたという。 晩年には、「私ハ先代菁華に教へられた」(昭和30年・金澤美術倶楽部の講演の演題)と述べている。亡くなる4年前のことである。 故郷をもたない魯山人にとって山代の地は、心許せる居心地のよい場所であったにちがいない。
- 住所
- 加賀市山代温泉18-5
- 電話番号
- 0761-77-7111
- 営業時間
- 9:00~17:00(16:30までに入館)
- 休業日
- 水曜日(祝日は開館)
年末年始 要問合せ
※施設情報が変更される場合があります。最新情報は各公式サイト等をご確認ください。
石川県九谷焼美術館
石川県九谷焼美術館は、白山を望む加賀平野の南端にあります。青手の間、色絵五彩の間、赤絵金襴の間等、雰囲気の異なった展示空間を持ち、江戸時代初期の彩色磁器「古九谷」をはじめとして、およそ360年にわたる九谷焼の名品を展示しております。
古九谷の杜親水公園から、館内のミニ庭園まで、一貫性を持たせて庭園美術館として楽しむことができます。
※展示入替のため臨時休館日があります。ご注意ください
- 住所
- 加賀市大聖寺地方町1-10-13
- 電話番号
- 0761-72-7466
- 営業時間
- 9時00分~17時00分(入館は16時30分まで)
- 休業日
- 毎週月曜日(祝日は開館) ※展示入替のための臨時休館日あり
※施設情報が変更される場合があります。最新情報は各公式サイト等をご確認ください。
九谷磁器窯跡
九谷焼が初めて作られた場所
石川県を代表する焼き物「九谷焼」が初めて作られた場所です。日本最初期における磁器生産の様相を知りうる遺跡として、1979(昭和54)年に国史跡の指定を受けました。
江戸時代前期に九谷第1・2号窯が、江戸時代後期にはこれを再興して吉田屋窯が築かれ、数多くの陶磁器が生産されたと言われています。
1965(昭和40)年には3基の窯跡の発掘調査が実施され、その規模や構造が明らかとなりました。
このほか、江戸時代前期の遺構として、上絵付けを施すための窯である「絵付窯跡」や、絵付けのための顔料精製の痕跡を示す「朱田(しゅだ)」が、江戸時代後期の遺構として、粘土生地精製のための施設である「水簸(すいひ)遺構」や工房建物跡が確認されています。
さらに戦国時代の遺構群も確認されており、山中漆器のルーツといわれる「木地工房跡」や、小川を利用した水洗トイレの遺構も存在します。
- 住所
- 加賀市山中温泉九谷町
- 電話番号
- 0761-72-7888
- 営業時間
- 冬季は見学困難(積雪のため)
- 休業日
- なし
※施設情報が変更される場合があります。最新情報は各公式サイト等をご確認ください。