能登半島・輪島塩体験|揚げ浜式塩田でのMY塩作りと美術館見学、絶景スポットへ

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ほっと石川旅ねっと体験ライターの又木です。

能登在住で、趣味の写真を通して能登の風景などを発信しています。

今回は奥能登・輪島市で伝統の塩づくり体験や天領庄屋として栄えた南家の南惣美術館で歴史に触れ、最近写真スポットとしても有名な福が穴へ行ってきました。

豊かな里海が育んだ伝統と歴史の旅をお楽しみください!

能登半島・輪島塩体験|揚げ浜式塩田でのMY塩作りと美術館見学、絶景スポットへ

400年もの伝統に触れる!〜オリジナルのMy塩づくりと塩田体験〜

能登半島の北部に位置する輪島市。
日本海に大きく突き出す地理的条件によって、古くから日本海の交通の要所として経済や文化交流の拠点でもありました。
そうした中で輪島塗や製塩などの産業・商業活動が活発だったようです。
今回は、『塩の駅 輪島塩』で塩づくり体験をしてきました。

道の駅ならぬ塩の駅?!輪島塩をご紹介

能登空港より車で40分ほど北上した海沿いの場所に、『塩の駅 輪島塩』はあります。
400年続く伝統の揚浜式という方法で塩づくりを行なっていて塩田体験や塩のブレンド体験といったことができます。
他にも売店では様々な塩や商品を購入することもできますよ。
「能登観光しながら塩造り体験ができる!」となったら行かずにはいられないのではないでしょうか。

自分だけのオリジナル!My塩ブレンド体験

My塩ブレンド体験とは、自分で好みの素材を混ぜ合わせてオリジナルの塩を作るといったものですが、正直これがとても楽しいし、結論から言って出来た塩が美味し過ぎました!!
10種類ある調味料の中からブレンドしたいものを選ぶのですが、花山椒・とうがらし・にんにく・あられ・珠洲産わかめ・いりごま・珠洲産赤じそ・甘エビ煮干・粒こしょう・あご煮干など豊富に揃っています。

スタッフの方が優しく丁寧に教えてくださるので初めてでも安心
「どの調味料を混ぜるかでふりかけにしたり、スパイスにしたりできますよ」とアドバイスをいただきます。
例えば、ふりかけにしたいなら”あられ・珠洲産わかめ・いりごま・珠洲産赤じそ”など、スパイスにしたいなら花山椒・とうがらし・にんにくを使います。
今回は「お肉にかけて食べたい」のでスパイスとして作りました。
青い海に青い空!ロケーションが最高です。
お肉に合う塩を作るために、今回はとうがらし・花山椒・にんにく・甘エビ煮干・あご煮干・粒こしょうを選びました(ちなみに全部混ぜるとうまい棒みたいな味になるらしい)。

調味料が選べたら乳鉢に少しずつ入れ、すりあわせていきます。
こういう作業も楽しいですね!
味見をしながら好みの味に仕上げていきます(量は乳鉢の半分くらい)。
この時点でにんにくと唐辛子のピリ辛な感じが合わさって食欲をそそられます。
何度か味見をしながら素材を足していき、好みの味に仕上がったら塩を入れ全体をよく混ぜてオリジナル塩の完成です!
最後にラベルに自分の好きなイラストや文字を書いて完成です。
体験中は目の前に広がる景色が綺麗でとても心地よく、気さくなスタッフさんに説明をいただけるので体験しやすいです。
混ぜる調味料や、すりあわせる度合い(粗め・細かめ)で味や食感が変わるのも面白くておすすめ!


世界に一つだけの自分の塩を作れるのは楽しく、ぜひ皆様にも体験していただきたいです。

塩田体験〜揚浜式製塩の技術に触れる〜

続いて、もう一つの「揚浜式塩田体験」の紹介です。
そもそも「揚浜式の塩づくり」とはどのようなものなのでしょうか。
簡単に説明すると、砂が敷き詰められた塩田と呼ばれる場所に海水を人力で組み上げて撒き、太陽の熱で水分を蒸発させて塩をつくるといったものです。

自然の恵みを活かしとても手間暇をかけた伝統的な製法でつくられた塩で、添加物など一切無く、一口食べれば豊かな海の旨味と甘味が口の中に広がります。
ここではミニ塩田体験として、実際に海水撒き体験ができます。
通常の塩田体験とは違って予約なしで無料なので気軽に体験することができるのも嬉しいポイント
職人さんに実際に塩撒きのやり方を見せていただきました。かっこいい!

この後、釜屋なども見せていただき塩づくりの説明をいただきます。
ここでにがりをいただくのですが、これがとっても苦辛かった…。
塩田体験は時期や天気によって内容が変わります。この日は塩を撒いて乾かした鹹砂(かんさ)と呼ばれる砂を、濾過の工程に移すために砂地の中央にある四角い沼井(ヌイ)と呼ばれる場所に集める作業を体験することができました!

集める際にエブリと呼ばれるトンボを使うのですが、体に負担が無いよう腕を後ろに回して体の力で集めます。土が痛まないように優しく集めなければいけません。
集め終わったら、木製のスコップを使い濾過するための木枠に砂を入れていきます。
こちらは鹹水(かんすい)を作る作業です。
とても気さくな外国の方に日本語で丁寧に説明をいただきました。
タレフネと呼ばれる四角い木枠の上から海水をかけることで、鹹砂(かんさ)についた塩が海水に溶け出し塩分濃度の高い海水が濾されます。
濾過された鹹水(かんすい)は釜屋に運ばれると釜で炊かれるまで貯蔵されるようです。

今は輪島市の里山で暮らしながら石川県の魅力を海外に発信したいと塩づくりの仕事もされています。
海外の方がこうして地元の文化を生業とし、魅力の1つだとおっしゃっていただけることは嬉しいです。
塩田体験のご対応をいただいた職人さん。
とても気さくで優しく笑顔が素敵で、楽しく体験することができました!

最後に、輪島塩のソフトクリームをいただきました。

バニラやごま、チョコレートなど好きな味のソフトクリームを選んでから焼き塩やきなこ塩、なんば塩などの塩をかけて食べるのですが、これがめちゃくちゃ美味しい!!!

本当に美味しすぎて思わず大興奮間違いなしです!


塩づくり体験をはじめ、美味しい塩などを楽しめる『塩の駅 輪島塩』とてもおすすめのスポットです。

基本情報

塩の駅 輪島塩

住所:石川県輪島市町野町大川ハ17-2 

電話番号:0768-32-1177 

定休日:3月〜11月は無休、12月〜2月は土日祝日のみ営業 

駐車場:20台 

体験料金:じゃらん予約の場合:2,300円(My塩ブレンド体験+輪島塩+お菓子) 

     じゃらん予約の場合:1,600円(塩田体験+輪島塩+お菓子) 

     My塩ブレンド体験:1,100円 

     塩田体験:600円 


体験可能時間:10:00〜16:00(冬季は10:00〜15:30)※塩田体験は13:00~15:00

体験可能年齢:保育園児くらいから可能(塩田体験は小・中学年以上が望ましい) 

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鎌倉時代前から続く天領庄屋の館と南惣美術館

今回訪れた輪島市には伝統的な製塩産業の他にも深い歴史があり、能登に配流された平時忠の子孫と伝えられる時国家や鎌倉期以前から続く南惣家の建造物が残っています
輪島の歴史に触れるべく、続いては『南惣(なんそう)美術館』へと行ってきました。

塩の駅 輪島塩から車で6分ほどのところに南惣美術館はあります。
「南惣」とは江戸時代の幕府直轄地だった天領庄屋南家の屋号のこと
代々の当主が惣右衛門、または宗右衛門を世襲名としてきたことから南惣と呼ばれてきた歴史があります。

その歴史はとても古く、1185年には既に奥能登の豪族として繁栄していたことが確認されており、今日まで実に25代続いています。
説明書から南惣は付近一体の大地主で田畑や山林が様々な産業に寄与し、地理的に天然漁港とされるこの地域の港から北前船に積んで海運業へと事業を拡大させて行ったことが分かります(北前船とは、江戸から明治期にかけて北海道から大阪まで日本海を通り商いをしていた海運船のこと)。

そうした中で南惣の歴代当主は文化の移入を尊重し、主に日本、中国、朝鮮などの美術工芸品を長年に渡り集められ大切に保存されてきたものを、1971年に美術館として一般に公開しています。

貴重な美術工芸品の数々〜教科書で見たあの人まで?!〜

美術館の玄関に入るといきなり目の前に現れたのは江戸時代の毛利家伝来緋縅二枚胴具足と、加賀百万石の前田家に用いられ家老の横山家により伝えられた能衣装。
こちらの美術館は米蔵や納屋を改造したものなので、天井が低く薄暗さがあるなど一般的な美術館での展示とはまた違った雰囲気を感じることができます。
展示されている美術工芸品は250点ほど。
有名な方の名前を挙げると、藤原隆家、松尾芭蕉、千利休、後鳥羽天皇、俵屋宗達、長谷川等伯、雪舟、与謝蕪村、柿右衛門、木阿弥光悦、西郷隆盛など、教科書で見るような方から人間国宝まで多様な作品が展示されています。
 
これらのものは加賀藩由来のものばかりではなく、北前船によってもたらされたものや東本願寺にも木材を献納した際に見返りとして受け取ったものなど南惣の地主としての影響力の大きさを実感するばかりです。
また、なぜこうした美術品が多く残ったかと言うと、長年個人での収集や個人鑑賞で留められていたこともあり流出を免れていたそうです。
美術館の外には庭園が2箇所あり、館長の南さんに案内していただきました。
主屋前の樹齢400年を超える松の木、海から持ってきた亀の形をした奇岩などがあります。
5月にはのとキリシマツツジの赤い花を見ることができ、名所にもなっています。
主屋は物品スペースになっており、お座敷には立派な囲炉裏もあってお願いすれば薪を燃やしてくださるそうですよ。

美術館の横の中庭には開館したときに作られた枯山水庭園があり、季節ごとの植物や景色を楽しむことができます。

中庭には県木のアテの木で作られた机や椅子などが置かれた休憩スペースが用意されていて休憩することもできます。

奥能登の歴史に触れ様々な美術工芸品を見て思いを馳せ、ゆっくりと庭を眺める時間も時には良いのでは無いでしょうか。

歴史や文化に触れられるとてもおすすめのスポットです。

基本情報

南惣美術館

住所:石川県輪島市町野町東大野ク100 

電話番号:0768-32-0166 

定休日:年中無休(予約が確実) 

営業時間:9:00〜17:00 

駐車場:30台 

料金:大人700円、小中学生400円(20人以上団体は50円引)

撮影スポットとしても大人気!パワースポット福が穴

最近Instagramなどでよく見かける洞窟と青空や海を背景にした写真を見たことがある人はいらっしゃるでしょうか。
実は南惣美術館から車で5分ほどの場所にある福が穴がこの撮影スポットとなっています。

この一帯は曽々木海岸として有名で、海と岩の断崖風景に自然の壮大さを感じる国の名勝・天然記念物に指定されています。
波による侵食が特有の模様や奇岩を生み出し、そのうちの1つが福が穴と呼ばれています。
福が穴は、2007年に発生した能登半島地震で被災し通行止めとなった八世乃洞門トンネルの奥にあるのですが、閉鎖された薄暗いトンネルのため、1人ではなく、友人や家族らと一緒に行くことがおすすめです。
夕方前、空は雲に覆われてしまいましたが海の風景が綺麗。
立て看板にある説明を読むと、福が穴は奈良時代の修験道の祖と言われる役小角が修行した伝承があるようで、霊験あらたかな幸福が集まる場所としてパワースポットになっているのだとか。
そうした場所の歴史背景に触れるとまた一味違って感じられますね。
この日本海に向かって大きく広がる洞窟が『福が穴』で、幅約20m、奥行き約70mもある大きな洞窟です!
最近はインスタ映えのスポットとしても人気で、いろんなポーズでわいわい撮影するのがおすすめです。
撮影には三脚を持っていくと、カメラや携帯電話のタイマー機能を使って撮ることができるので便利です。
洞窟から見る空や海が綺麗で、夕焼け空をバックに撮影しても素敵だと思います。
福が穴の奥には、「せっぷんとんねる」と呼ばれる場所もあります。
ここは昔映画のロケが行われた場所で、主人公とヒロインがこの洞窟でキスをしたことから有名になりました。
通り抜けて振り返るとハートのイルミネーションが見え、ここも撮影スポットとなっています。
ただトンネルの中は真っ暗でゴツゴツした岩に水場もあって滑りやすく足場が悪いため、転ばないよう注意が必要です。
せっぷんトンネルを抜けると遊歩道があります。
遊歩道からの眺め、夕暮れ時の太陽の光が反射した海が黄金色に輝いていて綺麗です。
ちなみに、この辺りは寒い季節になると冬の能登の風物詩でもある「波の花」と呼ばれる海水の泡を見ることができます。
風景1つにしても、様々な季節や時間帯でその表情は変わります。
そうした景色もまた能登に来たからには見逃せない貴重な景色の1つではないでしょうか。

天気が良い日には、海の向こうに七ツ島を望めます。

昔はこの海を多くの北前船が進んでいたのだなぁと感慨深く思うとともに、その背景には長い歴史の中で受け継がれてきた製塩をはじめとした伝統産業や人の暮らしがあったのだと、そうした暮らしの上に自分たちの暮らしがあるのだということを忘れずにいたいと感じます。

ぜひ、豊かな里海と歴史に触れる旅をお楽しみください!

基本情報

福が穴

住所:石川県輪島市町野町曽々木 

電話番号:0768-23-1146(輪島市観光課) 

駐車場:3台(曽々木ポケットパーク駐車場) 

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