能登のワインの魅力をしり、奥能登テロワールを感じよう

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※このブログは2022年3月時点の情報です。

 

能登ならではのおいしいものといえば、魚にお肉に野菜に発酵食品……と次々に思い浮かびます。

忘れてならないのがワイン! 

 

酒処として知られる能登だけに、ワインの産地というイメージはないかもしれません。

でも、能登半島には2軒のワイナリーがあり(石川県にある3軒のうち、2軒が能登にあります!)、それぞれの風土に適した栽培法でワインを生産しているのです。

 

能登の小さなワイナリーで生まれる極上ワインを求めて、奥能登をめざしました!

能登のワインの魅力をしり、奥能登テロワールを感じよう

ここは南仏?絶景のなかにたたずむワイナリーへ

丘の上に広がる、一面のブドウ畑。海風を受けてそよそよと揺れるブドウの葉の向こうに、オレンジ色とスモーキーピンクの建物が見えてきました。
 
南仏や地中海を思わせる光景に、気分は一気にリゾートモードへとスイッチ!
同時に、異国情緒あふれる景色のすぐ近くには田園が広がっていて、一瞬、「どこにいるのかな?」という不思議な気分にもなります。
 
ここ「ハイディワイナリー」は、2011年に開設したワイナリー。ブドウ畑の隣には、醸造所と見晴らし抜群のカフェレストランがあります。

能登だからこそ生まれる、海を感じるワイン

到着したのは、ちょうど予約しておいたワイナリー見学ツアーの時間。さっそく醸造所へと向かいました。
 
中に入ると、ふんわりとワインの香り。
 
スタッフは10人に満たない少数精鋭の小さなワイナリーと聞いていましたが、ピカピカの立派なステンレス製の発酵槽は、なかなか存在感があります。
 
見学ツアーでは、土壌のこと、ブドウのこと、設備のことなど、醸造家が詳しく説明してくれます。この日は、創設者であり醸造家の髙作正樹さんが案内してくださいました。
見学ツアーは一方的な解説を聞くだけではなく、コミュニケーションをとりながら。こちらの質問にもていねいに答えてくれます。
 
それにしても、ワイナリーの歴史がない輪島で、なぜワインづくりを……?
 
その答えは、目の前に広がる風景にありました。
 
昔、海底だったところが隆起してできたこの土地は、ミネラル分が豊富。そして、ブドウ栽培のピークにあたる5~8月は日照時間がとても長いのです。
 
土壌を分析したところ、ここがワイン栽培地としてピタリと当てはまり、2012年の春、妹さんと二人で畑の開墾がスタート。
 
現在は、地域にある田んぼのもみ殻などで土壌をふかふかにして、化学肥料や除草剤を使わず、ブドウを育てています。
 
「畑にはイノシシやタヌキがやってきます。毎日、彼らとの闘いですよ(笑)」と高作さん。そんなお話が聞けるのも、この見学ツアーの面白さです。
醸造所の奥で眠るのは、フランス産のオーク樽で熟成する赤ワイン。ステンレスタンクで3週間~4週間発酵させたものを樽に入れて熟成させています。
逆さにした瓶は、発酵中のワイン。シャンパーニュと同じ製法の瓶内2次発酵でつくっています。1本1本の瓶の中で発酵させるためとても手間がかかりますが、泡がきめ細やかなスパークリングワインが完成するのだそう。
 
シュワシュワ~が長く続くスパークリング。能登の新鮮なシーフードにも合いそうだな~と、思わず料理に想いを巡らせてしまいました。

絶景のカフェレストランでティスティング

見学ツアー(1人550円)の所要時間は約30分。天候が悪くなければ、畑にも案内してもらえます。
 
テイスティング(グラス2脚分・1人550円、追加1脚275円)もおすすめ。併設するカフェレストランで、絶景とワインを一度に楽しめます!
 
ドライバーさんも、テイスティングができない……とがっかりすることはありません! 貴重なワイン用ブドウの果汁100%のジュースが、ワイン気分にさせてくれるはず。
 
 
海と田園風景を一望するこのカフェレストランでは、もちろん、食事も楽しめます。ランチはカジュアルなランチプレートに加えワインに合うアラカルトもあって、昼間からワインが進んでしまいそう……。
ワインは、赤、白、ロゼ、スパークリングと全部18銘柄。辛口が主流で、能登のシーフードとの相性も抜群です。
ユニークなところでは、曹洞宗大本山總持寺祖院の御用達の「相承 キュヴェ メモリアル」。ワインと曹洞宗の組み合わせは意外ですが、その背景には、能登人らしいやさしい秘話が――。
 
北陸の長い冬に悪戦苦闘していた開墾2年目、苗木の植樹を手伝ってくれたのが、同じく輪島市門前町にある總持寺祖院の僧侶の方々だったのだそう。
 
そのご縁をきっかけに、總持寺御用達の称号を受けたワインが生まれました。
 
相承(そうじょう)とは、教えを伝え継ぐという意味。700年という歴史を持つ總持寺祖院と、新進気鋭のワイナリーが寄り添うストーリーも素敵です。
ショップには、ワインのほかに、ワイン風味の塩や、ワインをじっくり煮詰めて作るジャムもあります。センスあるパッケージはお土産にも喜ばれそう!

ジャムはワイン1本から5個しか作ることができない貴重なもの。ワインをまるごと楽しめるような風味で、バゲットやチーズに合わせると絶品でした。

基本情報

ハイディワイナリー

住所:石川県輪島市門前町千代31-21-1

電話番号:0768-42-2622

営業時間:ワインショップ10:00~17:00

レストラン11:30~14:00 L.O

見学:11:00、14:00 1人550円 前日17時までに公式サイトで要予約

定休日:火曜

駐車場:あり

※詳細は公式HPをご覧ください

東京ドーム6個分!広大なヴィンヤードを持つワイナリー

穴水町で2006年からワインを作り続けているのが「能登ワイン」。広大なぶどう畑が広がる丘をどんどん登っていくと、やがて樽のオブジェに迎えられました。
 
こちらも、醸造所見学やテイスティングが可能。醸造設備や樽熟成庫で、工程を説明してもらえます。
ワイナリーの大きな窓から見えたのは、一面のブドウ畑。圧倒的な光景に目が奪われますが、これは「能登ワイン」が持つ畑全体のわずか8分の1にすぎません。周辺には契約栽培の畑が点在し、総面積は東京ドーム6個分にもなるのだそう。
 
「能登ワイン」はほとんどが石川県内で消費されているので、なかなか他の地域では見かけることがないかもしれません。
 
県外不出というわけではないけれど、他の地域ではなかなかお目にかかれない能登のワインは貴重です! 
 
期待に胸をふくらませて、醸造所へ。

能登の風土を感じる生ワイン

「能登ワイン」で作られているワインはすべて、生ワイン。加熱殺菌を行わず、「生」の状態でボトル詰めを行っています。
 
生ワインの特徴を簡単に言えば、ブドウ本来の香りが楽しめること。能登産ワイン専用葡萄を何も足さずに醸し出している本格的な生ワインは、能登のテロワールを存分に感じさせてくれます。
ワインといえば、じっくりと熟成させるイメージがあります。生ワインは非加熱であるからこそ長期的な熟成を楽しめるのだそう。「能登ワイン」をお土産に購入して熟成を待てば、旅の余韻に浸れそうです。

能登の魚やお肉が食べたくなる!絶品ワインをテイスティング

見学を終えた後は、ワイン♪ ワイン♪
 
新型コロナ対策感染症拡大防止の対策もしっかりされていて、安心して試飲することができます。
 
まずは、造り手の個性が 反映されやすいと言われるシャルドネをテイスティング。
 
スッキリとした後味で、白身魚や海老などの魚介類、和食にも相性がよさそう。うーん、これは穴水湾の牡蠣に合わせたくなります。
赤ワインは、温度管理されたサーバーから。
 
「能登ワイン」といえば、日本固有のブドウ、ヤマソーヴィニヨン100%の赤。こちらでは、日本のヤマソーヴィヨンの半数近くを栽培しています。
 
素朴ながらもとても深みがあって、飲みごたえアリ。これは能登牛に合わせてもおいしそう!
 
このヤマソーヴィニヨンをオーク樽で約6ヶ月間貯蔵・熟成させたのが、「心の雫(2019)」。
 
女性の審査員だけで行われるワインのコンテスト、「サクラアワード」でシルバー賞を受賞した逸品でもあり、ワイン漫画の決定版「神の雫」の続編「マリアージュ」に登場したことでも知られるワインです。
今でこそ、さまざまな銘柄が揃い、コンテストで受賞する逸品も多い「能登ワイン」ですが、ゼロからのワインづくりは、試行錯誤の連続だったといいます。

たとえば、土壌改良。このあたりの土地は他のブドウ産地と違い赤土で水はけがあまりよくありません。
そこで注目したのが、同じく穴水町の特産品である牡蠣貝の殻。殻を干して土に混ぜると水はけがよくなるうえ、牡蠣殻のミネラルを含んだ土で育ったブドウは健康そのもの。まさに、ここのワインは穴水の自然が醸し出しているというわけです。
ショップには、能登の企業とコラボした商品も。珠洲市の揚げ浜塩とコラボしたワイン塩、能登町の「松波米飴」とコラボしたキャンディなど、能登カラー満載の食材が揃います。
 
豊かな海と大地と、造り手の情熱こそ、能登テロワール。
ワイナリーめぐりは、深くて優しい能登を感じる旅でもありました。

基本情報

能登ワイン

住所:石川県鳳珠郡穴水町字旭ケ丘り5番1

電話番号:0768-58-1577

営業時間:9:00~17:00

見学:11:00、14:00 無料、見学希望日が土日祝日の場合は、前日までに要予約

定休日::年末年始(12/31~1/2の3日間)

駐車場:あり

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