加賀で行くならここ!美味しくて居心地がいいカフェ5選
美味しいコーヒーやスイーツに、いつまでもいたくなる居心地のいい空間…。そんな素敵なカフェが、加賀市内にはたくさんあります。海を眺めたり、森の中でゆったりと過ごせたり、昭和レトロや伝統工芸に触れることができたり。特別な時間を過ごせるとっておきのカフェを、厳選してご紹介します♪
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森の中の隠れ家「東山ボヌール」
まずは、山中温泉にある「東山ボヌール」から。
鬱蒼とした森の中にひっそりと佇む姿は、まさに隠れ家。絶景スポット「鶴仙渓」の入口にあるので、渓谷を散策して一息つくのにもぴったりです。しかも漆器の神様を祀る東山神社の参道沿いとあって、すぐ横には鳥居が。なんだか異世界に迷い込んでしまったかのよう。
かつて旅館として使われていた古い木造の建物をリノベーションして、2010年にオープンしたカフェ。店内にはオリジナルのグラスや手拭いをはじめ、プレゼントにも喜ばれそうなおしゃれな雑貨がたくさん並んでいます。
「東山ボヌール」といえば、ランチで提供しているビーフシチューライス。熱々のスキレットに入ったごはんの上に、シチューをかけると…じゅわじゅわじゅわ〜!! 香ばしい香りと白い湯気に、食べたい熱は急上昇!
ワインに一晩漬け込んだA5ランクの和牛は、口の中でほろっとほどける柔らかさ。さらっとしたシチューですが、コクがたまりません。お肉の食感と旨味を残すため、崩れすぎないよう注意しながら半日かけて煮込むんだとか。野菜は低温でゆっくりボイルして甘みを引き出し、提供前にさっと焼いているそうです。数量限定ということなので、ぜひご予約を。
そして、11月から新たにメニューに加わった「ラム・キャンディス」も注文してみました。〈キャンディス〉とはドイツ語で氷砂糖のこと。表面のコーヒーシュガーがキラキラして、まるで宝石のよう。
ドライフルーツとナッツのパウンドケーキなんですが、ラム酒好きのために作ったというだけあって、これでもかというくらいラム酒が効いているんです。お酒が弱い人は要注意! 自家製ラムレーズンはもちろん、焼き上がりにたっぷりのダークラムをかけて一晩熟成させた〈大人のケーキ〉。パリパリのキャラメリゼはほろ苦く、ラムとも相性抜群。
こちらも数量限定、提供していない日もあるそうなので、確実に食べたいという方は電話で問い合わせてくださいね。
基本情報
東山ボヌール(ひがしやまボヌール)
【住所】石川県加賀市山中温泉東町1丁目ホ19-1(芭蕉堂前)
【電話番号】0761-78-3765
【営業時間】カフェ:10時~16時、ランチ:11時〜14時L.O ※利用時間90分
【定休日】木曜
【駐車場】山中温泉バスターミナル前の観光駐車場を利用(5台)
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昭和レトロが新鮮!「芭蕉珈琲」
続いての「芭蕉珈琲」も山中温泉。こちらは総湯「菊の湯」から徒歩3分、メインストリート沿いにあります。
創業は1966年で、山中で初めてできた「純喫茶」として地元の人たちに長く愛されてきました。芭蕉の木をデザインしたステンドグラスや、テーブル型のゲーム機など、店内はレトロな雰囲気が漂います。
入口には焙煎機があり、コーヒーの香りが漂う店内。自慢のスペシャルティコーヒーもあり、豆も販売。小瓶に入った豆の香りを確かめてオーダーすることができますよ。
最大の特徴は、サイフォン式で淹れていること。フラスコの中の水を沸騰させ、気圧の変化を利用してコーヒーを抽出していきます。実験みたいでワクワク! 時間は数十秒、あっという間に出来上がります。高温なので香りが強く立ち、柔らかくすっきりとした風味に。温度が下がると味わいも変化するそうで、一杯をじっくり楽しむことができるんです。
お代わりは200円引きとあって何杯も頼む人も。ついつい長居しちゃいますね。
さて、「芭蕉珈琲」は昭和なメニューも豊富なんです。人気の一つが「クリームソーダ」。いろんな色を選べますが、やっぱり王道のメロンで! しゅわしゅわと泡立つ様子に心が躍ります。
そのほか、ソーセージ、玉ねぎ、ピーマンなどの具材にケチャップソースが絡んだ昔ながらの「ナポリタン」、熱々の鉄板で卵と一緒に食べる「鉄板ナポリタン」などのメニューや、レトロな器に豪華に盛り付けた「プリンアラモード」も人気だそうですよ。
基本情報
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絶景の眺めを楽しめる「Sea Side Cafe うみぼうず」
次は、海好きにはたまらない「Sea Side Cafe うみぼうず」です。
片野海水浴場の前にあり、建物の2階部分がカフェになっているので、店内からは海が一望。大の海好きが高じてこの場所に店を構えたとのことで、こんなに間近で海を楽しめるのも納得ですね。窓際の席には望遠鏡も置いてあり、遠くを行き交う船の姿や海鳥たちを観察しながらゆったりと過ごすことができます。
なんとこの建物はオーナー自ら手作りした建物なんだそう。店内には舵輪やブイなど船や漁に使う道具のほか、怪獣などお茶目な雑貨たちやレコードなどもずらり。オーナーの秘密基地にお邪魔したような居心地のよい空間です。
こちらでは6種類の豆を扱い、それぞれの個性を引き立たせるよう自家焙煎。ネット販売もしています。椅子はなんと生豆の入っていた樽を加工したもの。あちこちにコーヒー愛が感じられます。
全国のコーヒーマニアも通ってくるというだけあって、独学で焙煎を極めたオーナーとのコーヒー談義も名物の一つ。ブレンドコーヒーは、浅煎りでも深煎りでもない〈旨煎り〉だそうで、その豆の状態を見極めながら焙煎するという「うみぼうず」オリジナルなんだとか。深みのあるコク、なんて旨いコーヒー!
漁師や和食料理人の経験を持つオーナーのこだわりは「おいしいと思えるコーヒー」を提供するために研究を欠かさないこと。同じ産地でも毎年品質が異なるため、毎回が初顔合わせ。豆と真正面から向き合う姿勢は、コーヒーの奥義ともいえるかもしれません。
フードメニューは、コーヒーのお供にぴったりな「究極にコーヒーと合うもの」を提供しているそうです。
注文したのは、ボリューミーな「キャラメルワッフル」。キャラメルソースがかかった熱々のワッフルに、生クリームとアイスクリームを絡めていただきます! メープルシロップが添えてあるのも嬉しいですね。生地はこだわりのオリジナルブレンドを使用しており、表面はカリッ、中はもちっとしています。
福井産のそば粉を使った「ガレット」は、そばの香りが強く、しっとりとしたボリューム感があります。ハム、トマト、チーズ、真ん中にはとろーり半熟の卵が。美味しくて幸せ♡
基本情報
Sea Side Cafe うみぼうず(シーサイドカフェうみぼうず)
【住所】石川県加賀市片野町3-6(片野海水浴場前)
【電話番号】0761-72-5169
【営業時間】12時〜19時(16時L.O.)
【定休日】水曜
【駐車場】8台
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すべて手作り!「自家焙煎珈琲屋 可非工房」
続いてご紹介するのは、コーヒーに強いこだわりのあるカフェ「自家焙煎珈琲屋 可非工房(かひこうぼう)」です。
こちらは加賀市に最初にできた自家焙煎のコーヒー店で、その歴史は38年にわたります。インターネットやSNSでの発信はしていないそうですが、それでも次々と豆を買いに来るお客さんが絶えません。地元の人たちに長年愛されているお店なんですね。
深煎りの苦めなものから、優しい味わいのものまで、誰もが自分好みのコーヒーに出会えるよう、バリエーション豊かに揃えています。産地もさまざまで、選ぶ楽しみも広がります。
私が選んだのは、少し苦めの「ケニア」。酸味が強いタイプの豆で、フルーティーな香りが特徴です。香りもとても強く、飲みごたえがあるのに、飲み口はさっぱりとしています。「ペルー」は苦味の中にも柔らかな風味があり、「メキシコ」はスパイシーな香りがするんだそう。あれもこれも飲んでみたくなりますね。
パンメニューも充実。「ハニートースト」と「たまごトースト」もオーダーしてみました。厚めに切ったパンに、はちみつがじゅわっと染み込みます。マヨネーズで和えたゆで卵はこんもりと盛られ、ふわふわの生地と一体化して絶品。パンの耳の香ばしさもたまりません。
こちらのお店では〈出すものすべて手作り〉ということで、食パンもケーキも自家製なんだそう。さらに驚くのはチョコレート! カカオ豆を自家焙煎したオリジナルチョコなんです。香りがついてしまうので、コーヒーとは別の焙煎機で作っているんだとか。さらにホットチョコレートやカカオニブも販売しており、ケーキにももちろんこのチョコを使っています。ひとつひとつの食材に徹底的にこだわる職人のお店なのです。
基本情報
自家焙煎珈琲屋 可非工房(じかばいせんこーひーや かひこうぼう)
【住所】石川県加賀市作見町ソ21-1
【電話番号】0761-74-7010
【営業時間】9時30分〜18時(17時L.O.)
【定休日】月曜、火曜
【駐車場】12台
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伝統工芸に触れられる「FUZON KAGA Cafe and Studio」
ラストは、大聖寺の街なかにある「FUZON KAGA Cafe and Studio(フゾンカガ カフェアンドスタジオ)」です。
魚市場として使われていた築90年の町家をリノベーション。ガラス張りで明るく広々とした空間で、ペットと一緒に過ごせる席もありますよ。誰もがふらっと訪れることができるパブリックな場所にしたいと、2017年にオープンしたそうです。
古材で作られたという奥の小上がり席がおすすめ!壁にもたれかかって足を投げ出せる絶妙な幅で、靴を脱がなくても大丈夫。モビールやドライフラワーがたくさん飾られていて、温かい雰囲気が漂います。
コーヒーは自家焙煎で、2〜3種類の厳選した豆を、それぞれ浅煎りから深煎りまで様々なローストで提供しています。私がオーダーしたのは、ビーカー入りでかわいい「コーヒーゼリーカフェラテ」。クラッシュした自慢のコーヒーゼリーを、たっぷりのミルクと生クリームで混ぜていただきます。ミルクに負けない豊かなコーヒーの香りが広がり、口の中で味わいが完成する新感覚のカフェラテです♡
看板メニューだという「ブリュレチーズケーキ」は、プレーンをチョイス。キューブ状のケーキがなんとシャーレの上に。表面はカリッとほろ苦いブリュレになっていて、なめらかで濃厚なチーズケーキの味わいが引き立ちます。チーズケーキ好きのオーナーが試行錯誤して、レアでもなくベイクドでもない絶妙な食感に仕上げた一品です。プレーンのほかにも、ミルクティー、抹茶、ローストナッツ、黒胡麻、マロンと、いろいろなお味が楽しめます。しかも「とろ生チーズケーキ」なるものも3種類あるので、ぜひ制覇したいところです。
小上がり席の正面には、漆芸作家・田中瑛子さんのスタジオがあります。タイミングが合えば、ガラス越しに山中塗の製作風景を見ることができます。
漆器づくりは基本的に分業で行われていますが、田中さんは木材を挽いて形を作る「木地師(きじし)」から、漆を塗り重ねて仕上げる「塗師(ぬし)」まで、すべて一人で手がけているそうです。つまり、ここで山中漆器のすべての工程を見ることができるんですね。
美味しいスイーツをいただきながら、国内外で活躍する作家の仕事を間近で見られるなんて、感激です。
基本情報
FUZON KAGA Cafe and Studio(フゾンカガ カフェアンドスタジオ)
【住所】石川県加賀市大聖寺魚町21
【電話番号】0761-75-7340
【営業時間】12時〜18時
【定休日】金曜、不定休
【駐車場】10台
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最後に
加賀には、コーヒーの焙煎にこだわり、スイーツやフードにも店主の思いが詰まったメニューが揃うカフェがたくさんあります。山、海、街それぞれに異なる雰囲気を味わいながら、散策がてらのんびりとカフェ巡りを楽しんでみてはいかがでしょうか。