能登町にある老舗酒造会社「数馬酒造」にインタビュー
能登町の宇出津にある明治2年創業の老舗酒造会社「数馬酒造」。令和6年能登半島地震の被害を受けました。現在も被害のあった建物を修繕しながら地酒の製造を精力的に行い全国のお客様に商品を届けています。
今回は数馬酒造で若くして醸造責任者を担う栗間 康弘さんにお話を伺いました。
数馬酒造とは?
奥能登を代表する銘柄「竹葉」(ちくは)の醸造元。能登産の原料に拘り、お米や仕込み水など全て地元のものを使用しています。
SDGsへの取り組みもあり、地産地消や環境負荷の考慮、労働環境の整備など現代の時流をいち早く捉えた企業のあり方を追求している活気のある会社です。
また、宇出津(うしつ)は「あばれ祭」が行われる有名な場所であり、その際の「御神酒」としても使用されています。
数馬酒造の歴史
明治2年(1869年)創業の老舗酒造会社。江戸時代より続く醤油製造業を生業としながら清酒業へと進出。
能登の契約農家が栽培する能登の米、能登町の山間から湧き出る超軟水の仕込み水など、能登産の原材料にこだわり代々受け継がれてきた能登への想いが溢れる酒蔵です。
令和6年度能登半島地震により、数馬酒造のみならず能登の全ての酒蔵が被災しました。酒造りができることに感謝し、能登の日本酒を守っていきたいとその想いを一層強くしています。
製造されているお酒の特徴
数馬酒造周辺は海山の自然に恵まれており、酒造の基礎となるお米は100%能登産。仕込み水は山間より出る超軟水の湧き水を使用。このことから香りの良いフルーティーな味わいや、口当たりの優しいお酒を造ることを可能にしています。伝統も引き継ぎながら、日々新しいことに挑戦している成果が、各コンテストの受賞など味に繋がっているのでしょう。
きっと日本酒が苦手な方も、その味わいに驚くはずです。
数馬酒造で醸造責任者をされている栗間 康弘さんにインタビュー
東京都から新卒で数馬酒造に就職された栗間さん。前任杜氏から教わった経験と自身の感覚で、数馬の酒造りを担う若き長として活躍されています。
そんな栗間さんは令和6年の震災の被災者でもあり、地元の人達と共に復興を歩んできています。
今回はその事も含め、能登の未来と酒造りをインタビューしてきました。
イキイキとした職場環境
栗間さんに案内してもらい、社内を見学させていただきました。
取材当時は繁忙期で、出荷作業など社員総出で作業をしておられました。
酒蔵も地震の被害があり、取り壊しが必要な場所や改修工事が必要な場所があります。万全では無いですが歩いていると従業員の声が聞こえてくるとてもアットホームな職場です。
数馬酒造直営店と商品を紹介
酒蔵と併設された直営店もあり、現地で商品を購入する事も可能です。
直営店では、数馬酒造の優しい店員さん達がお酒の事など丁寧に教えてくれるので、まずはオススメを聞いてみましょう!!
基本情報
数馬酒造・酒蔵直営店
数馬酒造株式会社
〒927-0433 石川県鳳珠郡能登町宇出津へ-36
tel:0768-62-1200 fax:0768-62-1201
直営店営業時間:平日 9:30 - 16:30 / 土日祝定休
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「数馬酒造」に行ってみて感じた事
酒造会社とは無口な職人気質の重い雰囲気…と勝手に想像していましたが、数馬酒造さんの社内では会話が飛び交い、女性が機械を使い重量物の移し替えなどを行うなど、想像とは全く違うものでした。また、主要な酒造を担うメンバーの若さにも驚きました。
数馬酒造では、労働時間の短縮や重労働の軽減のための設備導入など、社員の事を想った会社創りにも力を入れられております。
採用情報もあるので気になった方は是非HPもチェックしてみてください!!
SNSも積極的に更新されていますので、こちらもどうぞ。
建物は改修工事や解体が必要な場所が現在もあります。
また新しい挑戦や工夫があれば教えてください。
酒蔵では昨年から仕込んであった「もろみ」があったのですが、断水の影響が続くと全部ダメになってしまいます。ですが県内や県外からボランティアで水の支給やもろみの搬出など、普段はライバルの酒造会社が皆手助けをして頂いたことを今でも本当に感謝しています!!
また震災後たくさんの温かいメッセージも頂き、とても仕事の励みになっています。
復興は通過点と考え、より美味しいお酒を提供できるように頑張っていきますので宜しくお願いいたします!!