金沢城の周辺散策|お城の見どころ・入場料・駐車場など徹底解説~400年分の歴史を体感~

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天正8(1580)年、織田信長の命を受けた佐久間盛政が築城をはじめ、天正11年に前田利家が入城したことで「加賀百万石」の歴史がスタートしました。以来現代に至るまで金沢城は時代に合わせ「要」としての役割を担ってきました。明治には陸軍の拠点として、戦後は金沢大学の学び舎として、現在は世界中の人が訪れる観光地、そして地元の人の憩いの場として。今回の記事では、常に魅力的な場所で在り続けた金沢城の魅力を案内します。

金沢城の周辺散策|お城の見どころ・入場料・駐車場など徹底解説~400年分の歴史を体感~

金沢城とは?

  • 佐久間盛政
  • 前田利家

金沢城公園には、天正11(1583)年 に前田利家が入城し現在に至るまでの440年の歴史が息づいています。


◆江戸時代に主流だったなまこ壁。当時も珍しかった鉛の屋根

◆明治時代に作られたカットガラスのギヤマン

◆陸軍時代に作られたトンネル

◆昭和から平成にあった金沢大学


常に金沢の歴史の「中心」にいた金沢城は、散策をするだけでこれらの歴史に触れることができます。今回のおすすめルートではその一部を紹介します!

金沢城の入場料

金沢城公園は基本的に入園無料です。有料エリアは菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門のみ。


●おとな(18歳以上)     320円

●こども(6歳~18歳未満) 100円

●6歳未満のこどもと65歳以上は無料(要証明書)

●兼六園プラスワン利用券


となっています。一部のクレジットカードや電子マネーも利用可能です。

金沢城の見どころ

  • 湿生園
  • 玉泉院丸庭園

30ヘクタールもの広さを持つ金沢城。地図を広げても、どうやって歩けば楽しめるのか迷う人も多いのではないでしょうか。今回の記事では、おすすめのルートを紹介します。スタートは兼六園と金沢城を繋ぐ橋、石川門から!

①石川門

  • 元の屋根の色は鉛色
  • 石川門
  • 石川門の中の様子
  • 外壁

兼六園に続く石川橋のそばにある、石川門。

金沢城の搦手(からめて)門になり、かつては脱出するための出口としての役割も担っていました。

宝暦9(1759)年の大火により全焼しましたが、天明8年(1788)年に再建。

国の重要文化財として愛されています。


石川門の中へは特別公開中の時期に限り、無料で入ることができます。

規則的に並ぶ窓からのぞくと、白い屋根が近くに見えます。

白い屋根は、鉛瓦を使用しており、元は白ではなく鉛色でした。


石川門の中では、白くなる前の鉛を見せてもらうことができます。

この鉛瓦、石川門の屋根だけではなく城内のあちらこちらで見られます。


江戸時代は鉛瓦が主流だったのかといえばそうでもなく

むしろ珍しいものでした。


ではなぜ、金沢城では鉛瓦が使用されたのでしょうか。

その答えは、五十間長屋にありました。

  • 河北門から臨める湿生園
  • 華やかなひゃくまんさんが迎える河北門

石川門から三の丸広場へ歩くと右手に河北門がみえます。

橋爪門を通って菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓へ。

②菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓・橋爪門

  • 橋爪門
  • 三の丸広場から見える五十間長屋

三の丸広場の目の前にそびえる五十間長屋の石垣。

石川門、河北門から五十間長屋に行くには、橋爪門を通っていきます。


武器庫として使用されていた五十間長屋。中はとても広く、金沢城の歴史を紹介する展示もあり、歴史を学べる場となっています。とくに目を引いたのが、襖絵の「松虎図」。当時の絵師、岸駒が描いたものです。二の丸が全焼した際、金沢出身の岸駒を京都から呼び戻し、障壁画を描かせたと言われています。

五十間長屋に展示されているものは金沢城で描かれたものではありませんが、二の丸にも5頭の虎が描かれたことがわかっています。二の丸が復元した暁には、岸駒の虎も復元するかもしれません。館内の入口にはスロープ、中はエレベーターもあるので車椅子やベビーカーでの入館も可能です。

五十間長屋の展示は障壁画だけではありません。石川門で見た鉛瓦の解説もありました。展示によると明確な答えはなく、4つの仮説が紹介されています。


・荷重の軽減

・美しく見せる

・加賀藩で鉛が余った

・戦の時に鉛を溶かして銃弾に加工した


果たして、本当はどれなのでしょう? どれも真実味があるので、議論するのも楽しそうですね。ほかにも、なまこ壁の作り方の紹介もありお城ができあがる仕組みがわかりやすく解説されていました。

金沢城に天守閣はあるの?

前田利家の入城により本格的にはじまった城づくり。天正14(1586年)から1年ほどかけて天守を創建しましたが、慶長7(1602)年に焼失しました。現在は菱櫓を天守閣に代わる存在として親しまれています。

五十間長屋を出て左に沿って坂を上ると、戌亥櫓跡(いぬいやぐらあと)があります。ここから見えるのは五十間長屋だけではありません。

金沢市の町が見下ろすことができ、「城下町としての金沢」を感じることができます。五十間長屋のそばにあるのは二の丸の復元の様子。数年後、ここを訪れるとまた違う景色が待っているかもしれません。

③玉泉院丸庭園

極楽橋を渡り、いもり坂を下ると見えてくる玉泉院丸庭園。廃藩により一度その姿を失いましたが、当時の古絵や文献などを頼りに平成27(2015)年に復元。藩主に愛された庭がよみがえりました。今では道端で見なくなった柳の木など、日本で親しまれてきた木が多く残されているのも、この庭園の魅力の一つです。庭園内にある「玉泉庵」にも入ることができ、庭園の景色を見ながら抹茶などの甘味を楽しむことができます。


④鼠多門・鼠多門橋

明治期に橋も門も失われた鼠多門、鼠多門橋は、令和2(2020)年に復元。城内の壁と同じなまこ壁ですが、城壁の目地が黒漆喰で仕上げられている特徴があります。今は尾山神社と結ぶ橋となっている鼠多門橋ですが、江戸時代、まだ尾山神社はありませんでした。では、鼠多門橋はなにをつなぐ橋だったのでしょうか。

尾山神社が建立される前、この場所は「金谷出丸」と呼ばれ、金沢城の一部でした。かつては城内を結ぶ橋としての役割を担っていたのです。その後、前田家別邸の「金谷御殿」になり、現在の尾山神社になりました。当時と役割を変え、尾山神社と金沢城を結ぶ場所となった鼠多門橋は今ではライトアップ時の入口のひとつとして夜も賑わう場所のひとつとなっています。

⑤尾山神社

明治6(1873)年、前田利家公とその妻、お松の方(芳春院)を主祭神として祀るため建立されました。当時は珍しい和漢洋の建築様式が取り入れられた尾山神社の神門は、国の重要文化財に指定されています。特に、ギヤマンと呼ばれるカットガラスがはめこまれた窓は夜になると一層魅力が増します。日没から22時ころまでライトアップが行われるのですが、ギヤマンの光りがとても美しく、まるで灯台のように町を照らす姿は一見の価値あり。

尾山神社の魅力は、神門だけではありません。中に広がる庭園は、尾山神社の前身、前田家別邸であった金谷御殿の頃に作庭されたといわれています。前田家の最後の庭園とも呼ばれ、その造形も独特です。回遊式庭園と呼ばれるこの庭園は、何度散策しても楽しい気持ちになれる庭園です。




金沢・石川で神社仏閣巡り!御朱印・ご利益・お守りを徹底解説!

尾山神社はこちらでも詳しく案内しています。ご利益についての紹介や、御朱印やお守り、おすすめスポットなど見どころがたくさんありますよ!

⑥前田利家公像

  • 前田利家公像

「加賀百万石の祖」とも呼ばれる前田利家公。

加賀友禅や金箔など、現在もつづく金沢の伝統工芸は前田利家公が発展させました。


金沢城城主として、主君に仕えつつ町の発展に尽力した利家公は

今もなお、地元の人に慕われています。


尾山神社に立つ前田利家公像は、戦場で闘う姿です。

手に持っているのは槍、背に負っているのは「母衣(ほろ)」と呼び、後ろからの攻撃を防ぐものです。

加賀百万石を守り抜いた力強さを感じる像です。

尾山神社基本情報

【住所】〒920-0918 石川県金沢市尾山町11-1 

【電話番号】076-231-7210 

【営業時間】

9時00分~17時00分(授与所・御朱印受付時間)
9時30分~15時30分(お祓い時間) 

年中無休

【料金】

拝観自由

金沢城周辺散策の所要時間は?

今回紹介した①~⑥のルートで散策すると、かかった時間はなんと…2時間!ただ歩くだけだと1時間ほどでおわる距離ですが、石川門や河北門の内観や展示を見る、菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓で建築の歴史を知る…とめぐっているとあっという間に時間が過ぎてしまいます。兼六園と一緒に楽しむときは、1時間ほど余裕を見てスケジュールを立ててみるといいかもしれません。 

金沢城周辺散策マップ

紹介したスポットをマップにまとめてみました。石川門から入り、尾山神社までの道です。金沢城内は坂道があるため、疲れることもあるかもしれません。城内にはベンチが置かれているので、適度に休みつつ散策を楽しみましょう。

  • 金沢城石川門
  • 河北門
  • 菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓
  • 戌亥櫓跡
  • 玉泉院丸庭園 
  • 鼠多門・鼠多門橋
  • 尾山神社
  • 前田利家公像

Google Mapの読み込みが1日の上限回数を超えた場合、正しく表示されない場合がございますので、ご了承ください

夜はライトアップもおすすめ

金沢城の魅力は、昼だけではありません。毎週土曜は21時まで夜間開園を実施しています。入口は石川門口、鼠多門口、玉泉院丸口のみ。ライトアップで照らされた城壁や庭園は、昼とは違う彩りで幻想的な世界が広がります。ライトアップは早めの時間だとお子さんも参加しやすいですよ。ライトアップ時間帯は、音楽やプロジェクションマッピングを使用したイベントなど夜しか出会えないイベントも多いので、訪れた際はチェックしてみてくださいね!

夜の金沢観光|金沢城からライトアップスポット巡り&おすすめ夜ご飯

金沢市内のライトアップスポットを紹介した記事はこちらです。尾山神社や金沢城、兼六園、香林坊などのイルミネーションスポットを紹介しています。


※写真はほっとブログから引用※

金沢城公園周辺の駐車場

金沢城公園周辺には、2つの駐車場があります。


兼六駐車場  24時間

石川門から徒歩5分ほど


・普通車 1時間以内 350円

      超過30分 毎150円

(22時~翌8時は最大1,060円)


※クレジットカード、電子マネー等利用可能。

※電気自動車用EV充電設備あり


石引駐車場  24時間

石川門から徒歩17分ほど


・普通車 最初の1時間まで30分毎  100円

     以降超過1時間毎 100円 

午前7時から午前10時までに入庫し、
午後6時までに出庫した場合 最大900円

まだまだあるぞ! 金沢城の魅力は終わらない

  • 石垣の刻印
  • 刻印の紹介板

これだけの広さを持つ金沢城なので、当然おすすめルート以外にもおすすめ「スポット」がいくつかあります。そのひとつが、石垣。石を積み上げて作られる石垣ですが、積み方にも種類があります。


・自然石積み

・粗加工石積み

・切石積み


と呼ばれる積み方は、金沢城のあちこちで見つけることができます。

特に珍しいのが数寄屋敷石垣。なんと、石に刻印があるんです!刻印は間近で見ることができるので、じっくり見るのもおすすめです。ほかにも、さきほど紹介した戌亥櫓跡から見える帝国陸軍建造トンネル跡など歴史を垣間見れるところがまだまだあります。何度訪れても飽きないのも、金沢城の魅力です!

金沢城公園基本情報

【住所】〒920-0937 石川県金沢市丸の内1-1 

【電話番号】076-234-3800 

【営業時間】

3月1日~10月15日(7:00~18:00)
10月16日~2月末日(8:00~17:00)


ほか、詳細はこちら

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