長町武家屋敷の歩き方|野村家とその周辺を巡る街歩き《マップ付》
城下町と言われる金沢で武家屋敷跡が今でも残る「長町」。この長町界隈には建物は勿論、石畳の道や昔の生活の雰囲気まで保存され続けています。町を歩けばいつの間にか昔にタイムスリップ!
今回は意外と知られていないフォトスポットをご紹介!歴史的な施設を子供と一緒にカメラをぶら下げてお写んぽしてきました!距離的にも短時間で回れるスポットをご紹介します。
武士の町、金沢の象徴「長町」
現代でも武家屋敷が立ち並ぶ長町武家屋敷跡。驚くのは金沢の繁華街から程近くにあること!大きな現代の建物と屋敷の塀が一緒に撮れちゃったりするところもまた面白い!
昔ながらの土塀や石畳の小道が残っており、長町沿いを流れる鞍月用水、大野庄用水などは今でもホタルが生息するほどの清流。川のせせらぎを聞きながら散歩が出来るのも長町の特徴です。
武家屋敷跡 野村家
長町散策で外せないのがここ、武家屋敷跡 野村家。
米国の庭園専門雑誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデン」誌では、日本全国で3位に選出。フランスの日本国内ガイドブック「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」では星2つを獲得。世界が認める庭園を有する武家屋敷跡なのです!
武家屋敷の雰囲気が色濃く漂う!
屋敷の中は随所に昔のカタチが残されています。襖(ふすま)や障子に畳、パッと見はよくある日本家屋の造りですが、襖には豪華な絵、畳の縁には無地の物と派手な模様の物、障子の格子はよく見ると色々な形が!気づいてしまうとどんどん探してしまうのが面白い!そして野村家は部屋から見える庭の風景が圧巻です。
「濡れ縁と庭園」
あっ!見て見て!と、縁側の下には小さな池が囲い、そこには立派な鯉が泳いでいます!すかさず縁側を覗き込みます。自分の家ならきっと裸足で石の上を走り回っている事でしょう…。
ここは「濡れ縁と庭園」。
「北陸の地には生育は稀である樹齢四百年の山桃、椎の古木、名石、奇石を擁し 濡れ縁にせまる曲水、落水の妙」(※武家屋敷跡 野村家パンフレットより抜粋)
この縁側に座ると植物が揺れる風の音、水が流れる音、家の中に居ながら大自然を感じる事ができます!
縁側で座っていると意外にも涼しい事に気づきます。この日は夏のとても蒸し暑く、熱中症アラートまで出ているコンディション…しかし、横を通り抜ける風、縁側を囲う池のせせらぎ、緑に囲まれたこの空間は外の世界とは少し温度が違う!心も落ち着いてくるのでそう思うのでしょうか?都会の忙しい日々をここで一旦リフレッシュしに来ましょう!
二階からも見下ろせる庭園!
屋敷内を歩くと上階へ続く通路を発見!家の中の石畳の階段(!?)を上がると二階のお部屋に辿り着きます。
ここは茶室「不莫庵」、上から庭を見下ろす眺めはとても素晴らしい光景です!思わず隣の外国人観光客も「Ohhooo……」と感嘆の声を漏らしていました。
この茶室に入る際に小さく角が丸い入り口が目を引きます、大きさが異様に小さいです!
「鬼川文庫」
野村家内には展示資料館もあります。野村家伝来の刀剣、明智光秀、朝倉義景などからの書状、昔の通貨、小判などの貴重な資料がズラリ!昔の通貨の展示は子供も面白そうに覗き込んで見ていました。
四方をガラスで囲われているので回りながら順番に、じっくりと眺めながら観覧することが出来ます。出口にはスタンプも置かれているので事前にノートなどを持ってきてた方が良いですね!
料金・アクセス
武家屋敷跡 野村家
【所在地】〒920-0865 石川県金沢市長町1-3-32
【電話番号】076-221-3553
【期間/営業時間】4~9月/8:30~17:30 10~3月/8:30~16:30
※入館は閉館の30分前まで
【休業日】12月26日・27日、1月1日・2日
【料金】大人550円、高校生400円、小中学生250円あり
【駐車場】有り、6台 周辺に有料大型バス駐車場があります。
【所要時間】約30分
金沢市足軽資料館
野村家を出て、大野庄用水沿いを少し歩くと「金沢市足軽資料館」の看板が見えてきます。
どこが入り口かは現地で探してみてください!探検しているみたいで楽しいですよ♩
藩政時代の貴重な足軽屋敷2棟を移築再現した資料館。建物の中は、足軽の職務や日常生活の解説・展示がなされています。
建物の屋根の上には大きな石が並べられており、風で屋根が飛ばないようにしてあったのが印象的でした。
でも見えにくい角度にあるのでジャンプして見てください!
足軽だった人達の生活感が保存されている
まず入って最初に目に入るのが「座敷」、そして「庭」。…こう書かれていると海外の人からすれば珍しいものに映るのでしょう。暗い部屋から見る庭はとても明るく電気のない時代には開けっぱなしで重宝されてきたものと想像できます。
この縁側から見える風景は江戸時代の風情を感じられ、また当時の生活を想像させます。庭は主に自給自足の場だと説明書があり、今も昔も家庭菜園で家族団欒の時間があったのだと勝手に解釈しておきます…!
ちなみに足軽とは、普段は雑役として暮らしながらも戦争になると駆り出されて戦に参加する人なんですって!江戸時代では武士の最下層に位置付けられていたみたいです。
でも生活感は江戸時代?と思うほど立派な感じがします。この時代の全て自然のもので作られた建物や道具が今となってはとても良いものに見えます!
料金・アクセス
金沢市足軽資料館
【所在地】〒920-0865 石川県金沢市長町1-9-3
【電話番号】076-263-3640
【営業時間】9:30~17:00
【休業日】無し
【料金】入館無料
【駐車場】無し、近隣に市営観光駐車場あり
【所要時間】約20分
金沢市老舗記念館
長町観光駐車場よりほど近いところにある「金沢市老舗記念館」。藩政時代から薬種商であった「中屋薬舗」の建物の外観を保存し、商家の面影を残す店の間などを復元するとともに、伝統的町民文化の展示をしている施設です。
館内には立派な庭もあります。多種の植物などがあり、一見外観からは見えませんがとても広く、縁側から庭に出て歩くこともできます!
そんな魅力満載な老舗記念館をチェックしていきます!
見どころいっぱいな金沢市老舗記念館!
早速、中に入ってみるとまず目を引く「硝子窓」。
館長様より聞きましたが、「大正硝子」という古い硝子で、よく見ると波打っているのがわかりました!この度の地震で割れなかったことはとても幸運なことです!
硝子越しに見えるのは「みせの間」。
当時の中屋薬舗を復元し雰囲気を再現しています。店内はお人形がお店番!少し通路を進むと当時の薬の原料の展示があります。
「キキョウ!」と子どもが指をさしました。…呼吸器系に効くみたいですね!
加賀手鞠の展示が圧巻!
道なりに奥まで進むと「おえの間」。
こちらは土間から一段上がり、天井は昔の頑丈な梁が連なり吹き抜けになっています。
それより目を引く空中に浮く加賀手鞠の数々、これには圧巻の一言!カメラが好きなら単焦点レンズ推奨のフォトスポットです。
隣の部屋にも「加賀花てまり展」の展示もあり手鞠の種類、手法など興味深々エリア。
ちなみにこちらでは手鞠は購入できません!ずっと見ていたら欲しくなります…
庭も外に出て廻遊できる!
手鞠と花嫁のれんを横目に庭に降りる場所は2箇所あり、草履が用意されています。
石の道を飛びながら歩いて回り、気づくと子どもがジャンケンしながら通せんぼをしていました。
この空間はとても居心地が良く、また郷愁を感じます。
綺麗な庭を縁側のベンチから座って眺めるこの感じはなんなのでしょう?
ここはただの展示の施設ではないのです、日本人のセンスや感じ方までも保存されている素晴らしい施設なのです!
二階には展示場、お菓子で造られた芸術品?
二階には板の間50帖和室12帖2間の展示スペース。
こちらには金沢の老舗60店が加入する金澤老舗百年會の協力で、各老舗に伝わる生活諸道具の展示が並びます。
そしてここで気づきます、一際大きなお花の展示…ではなく「花御輿」とタイトルの付いたお菓子!
「お菓子?」と、子ども。大人がマジマジ見てもお菓子だとは思わないスペシャルクオリティーです!
今更ですがこの施設はカメラ、写真撮影OKです。撮り甲斐がありすぎて終始立ち止まります。
帰り際にお土産を頂きました、手作りの爪楊枝が入った袋にパタパタ羽ばたく折鶴です♫これには子どもも大喜び!
このお土産はシルバーの方々が作られたとても温かいものです。館内に来られた観光客の方に差し上げているみたいです!
展示の事や建物のことなどは気さくな館長様より伺いました。
金沢市老舗記念館は雨の日でも十分見て、撮って楽しめる素敵な施設でした!
料金・アクセス
金沢市老舗記念館
【所在地】〒920-0865 石川県金沢市長町2-2-45
【電話番号】076-220-2524
【営業時間】9:30~17:00
※入館は16:30まで
【休業日】毎週月曜日(祝日の場合、翌平日)、年末年始
【料金】一般100円、高校生以下無料
【駐車場】無し、近隣に市営観光駐車場あり
【所要時間】約30分
ランチは町家のカフェへ!《町家カフェくりの樹》
長町の風情のある街歩きとセットで楽しみたいのが、金沢らしいご飯!今回は古民家の雰囲気満点なお店、町家カフェくりの樹さんで絶品おひつご飯を頂きました!
店内はフラットで広く、小さなお子様連れでも色々配慮もあるので安心して入れます!
築90年の町屋をリノベーション
外観からも金沢の「町家」を感じる趣が素敵な建物。
玄関の暖簾をくぐるとまず目に入る硝子格子の引き戸、昔の住居感が濃厚でどこか懐かしくなります。
店内は素敵にリノベーションされており、オーナーさんのこだわりが感じられます。
カウンターテーブルの一枚物の大きな木の板、こちらが店名の由来にもなった栗の木の切り出した無垢材!町家内装にピッタリの作りのテーブルは一見の価値あり。
店内にはオーナーさんが厳選した物販もありますので必見です!
ランチは絶品、おひつご飯!
ランチのメニューは「くりの樹のおひつごはん」2,200円(税込)
(今回はデザートセット+500円もいただきました♫)
能登島産ミルキークイーンを使用した炊き立てご飯、能登いしるを使用したけんちん汁、アスパラの肉巻きは能登豚を使用しており、お話を伺うとオーナー様は石川県の能登出身で、地元の物を使用して料理されているそうです。
小鉢物も旬の食材をとり入れて四季折々のおいしさを味わえる心意気!
海の幸から山の幸までお腹いっぱいで満足なランチでした♩
アレルギーも考慮してくださるので事前にご相談してみてください。
基本情報
町家カフェ くりの樹
【所在地】〒920-0865 石川県金沢市長町1丁目3-35
【電話番号】076-223-1226
【営業時間】ランチタイムは二部制
①11:30〜 ②13:00〜 〜15:00まで
※その他の時間は要相談
【休業日】水・日曜日、祝日
【駐車場】無し、近隣にパーキング有り
※事前予約2日前にてお子様ランチ(税込750円)もご用意できます
(アレルギー対応も可能、詳しい内容はお問い合わせ下さい)
食後はこけし絵付け体験にチャレンジ《金澤こまち》
町家カフェくりの樹さんに併設する「金澤こまち」さんでは、石川・金沢の伝統工芸体験が出来るんです!
今回は「こけし絵付体験」を子どもと一緒にチャレンジしてきました!
早速絵付け体験!
まずはこけしのベース選び、好きな加賀友禅の着物の柄を選びます。
悩んで悩んで…これ!とカワイイ友禅の柄をチョイス!
そして下書きの紙にこけしの顔を考えます…子どもは真剣にカキカキ…。
こけしに上手に描くコツは、まず前髪部分からセンターを決めて描きます。その後に顔を描いていくとバランス良く描けるそうです!
筆ペンにて描いていくので集中しないと筆先がコントロールできない…!
加賀友禅の生地がかわいい
そして完成!子どもは出来上がりに満足!「カワイイ!」と喜びました♫
描いている時は分からなかったけど、出来上がると加賀友禅の着物がなんともカワイイ。
過去に作った作品を見せてもらいました。家族や恋人で並べて撮ったこけしの数々、これは金沢旅行の思い出になりそうです!
町家カフェくりの樹さんでランチを食べた後、同じスペースでこけしの絵付け体験も出来るので是非セットで楽しんでいただきたいです!
基本情報
金澤こまち
【所在地】〒920-0865 石川県金沢市長町1丁目3-35(町家カフェ くりの樹さんと同じ)
【電話番号】076-223-1226(町家カフェ くりの樹さんと同じ)
【営業時間】14:30〜16:00
【休業日】水・日曜日、祝日
【料金】友禅こけし絵付け体験:1体につき1,500円(要予約)
【駐車場】無し、近隣にパーキング有り
長町散策マップ
散策前に見ておくと便利!紹介したスポットをマップにまとめてみました。
- 武家屋敷跡 野村家
- 金沢市足軽資料館
- 金沢市老舗記念館
- 町家カフェくりの樹
- 金澤こまち
Google Mapの読み込みが1日の上限回数を超えた場合、正しく表示されない場合がございますので、ご了承ください
古き良き「長町」を散策して
私は金沢に在住していますが、今回「長町」を歩いてみてるとまだまだ知らない場所、新しい発見などがあり新鮮な気分を味わえました!
ぶらりと散歩がてら歩くのも良いですが、やはりカメラを持ってじっくりに考えながら歩くのをオススメします!
今回の季節は夏でしたが、四季折々の「長町」を撮リたくなります。特に雪の降る冬は金沢の必見スポットだと思います!
みなさんも長町散策、金沢観光楽しんできまっしね〜♫
基本情報
長町武家屋敷跡界隈
【所在地】〒920-0865 石川県金沢市長町
【お問い合わせ先】金沢市観光協会
【電話番号】076-232-5555
【FAX番号】076-232-1170
【アクセス(公共)】香林坊バス停から徒歩5分
【駐車場】長町観光駐車場