加賀・山中温泉「鶴仙渓」の川床スイーツと遊歩道の見どころ8選【駐車場ガイド付き】
石川県加賀市山中にある「鶴仙渓」(かくせんけい)は、北陸随一の渓谷美を誇る絶景スポット。
大聖寺川にかかる、3つの象徴的な橋を巡りながら、自然豊かな遊歩道散策を楽しめます。
とくに、春の新緑や秋の紅葉の時期の風情は格別で、かつて芭蕉も詠んだほど。
今回は、季節限定で登場する鶴仙渓の川床と、そこで楽しめるスイーツ&お弁当をご紹介します。
山中温泉に隣する美しい渓谷「鶴仙渓」
鶴仙渓(かくせんけい)は、山あいの豊かな自然が作る、加賀の名所のひとつです。
加賀市南部を流れる大聖寺川が長い年月をかけて削り出した渓谷で、約1.3kmにわたって遊歩道が整備されています。
遊歩道を散策しながら、奇岩怪石や清流、四季折々の美しい景色のほか、春から秋には川床でのスイーツを楽しむことができます。
春夏秋冬、それぞれの表情が見られる自然豊かな渓谷ですが、秋の紅葉も絶景。
四季を通して、見どころがたくさんあります。
季節ごとの風情を楽しめる川床
この絶景の渓流に、季節になると川床がお目見え。
美しい新緑を愛でに、今年も行ってきました!
川床の営業期間は、4月1日~11月30日。
日差しが柔らかい春の新緑から、夏の涼、秋の紅葉まで、どの季節も渓谷の美しさを堪能できます。
遊歩道の途中にあり、散策の合間にも、多くの人が清流を眺めながらゆったりとした時間を過ごしています。
景色だけじゃない!川床の絶品スイーツとお弁当
今回の目的はこれ!
川床で味わう名物スイーツとお弁当。
スイーツは、その場で注文できますが、川床弁当は、山中温泉にある6店舗で、それぞれにこだわりの詰まった川床弁当をテイクアウトして持参します。
スイーツ「川床セット」は”料理の鉄人”道場六三郎氏の監修
川床に立ち寄ったら、ぜひ席と一緒にスイーツを注文しましょう!
席料にプラス300円で、名物のスイーツと加賀棒茶が楽しめます。
スイーツは2種類から選べます。
◆冷製抹茶しるこ
◆川床ロール
どちらも、山中出身の著名な料理人、道場 六三郎(みちば ろくさぶろう)氏の監修とのことで、期待大です!
川床セット「冷製抹茶しるこ」
◆冷製抹茶しるこ
冷製抹茶しるこは、抹茶の香りが立つ上品な甘さで、2つ入った白玉はつるんとしながらも、もっちもち。
よく冷えたしるこが体に染みわたり、暑い日には最高のおやつです。
川床セット「川床ロール」
◆川床ロール
川床ロールは、見た目のとおりふわっふわでした。
弾力があるしっかりとした生地に、棒茶クリームがたっぷり詰まっています。
口に入れると、しっかりとした食感と広がる地元のみその風味。
加賀棒茶の香りもよく、大満足のロールケーキでした。
川床の一角にある「不動滝」からの流れの中に、やかんがひとつ。
この清流でよく冷えた加賀棒茶を、いただくことができます。
テイクアウトで楽しむ「川床弁当」
鶴仙渓のすばらしい風情は、休憩だけではもったいない!
山中のいくつかのお店では、川床弁当としてテイクアウトできるお弁当も用意されています。
お弁当を提供しているのは6店舗で、お弁当は全部で7種類ありました。
すべて、前日~当日10時までに事前予約が必要なので、事前にチェックしておきましょう。
当日は、予約時間にお店に取りにいきますが、どこも徒歩圏内なので、散策がてらルートを組んで歩くのもおすすめです。
(1店舗だけ少し遠いのですが、下記で説明します)
お弁当は、2種類をチョイスしました。
◆和牛(トモ三角肉)あみ焼き弁当
◆能登豚ヒレ肉のカツサンド
川床弁当「和牛あみ焼き弁当」
◆和牛(トモ三角肉)あみ焼き弁当 2200円(税込)
こちらは「味処すずめ」さんの川床弁当。
「和牛」と「あみ焼き」と聞いたら、おいしいに決まってます。
竹皮を開くと、大きな和牛ステーキが登場。
ごはんを覆い隠すほど、お肉が敷き詰められています。
金箔や青楓の葉も、風情と品格を添えていました。
お肉は、希少部位のトモ三角肉で、特製ダレであみ焼きにしたステーキ。
ミディアムレアの焼き加減が絶妙で、とても柔らかく仕上がっているだけでなく、細くカットされていて、お子様でもご年配の方でも、食べやすい配慮がステキでした。
味も抜群!
お肉の旨さを邪魔しない自然な甘みのタレは、「加賀幸水梨」をベースに1年ねかせたものだそう。
山中のある加賀市は、梨の産地でもあります。
地元食材を使っているところも、鶴仙渓ならではですね。
お店は、あやとりはし渡口のすぐ近くです。
お店でも、同じメニューが食べられるそうですよ(店内飲食はお弁当ではありません)。
基本情報
味処すずめ
和牛(トモ三角)あみ焼き弁当 2200円(税込)
【予約締切】前日20時まで
石川県加賀市山中温泉河鹿町ホ32
TEL:0761-78-0221
営業時間
昼 11:30〜14:00(LO 13:30)
夜 17:00〜22:00 (LO 21:30)
定休日:不定休
川床弁当「能登豚ヒレ肉のカツサンド」
◆能登豚ヒレ肉のカツサンド 1300円(税込)
こちらは「喫茶 舞楽夢(ぷらむ)」さんの川床弁当。
「能登豚」とヒレ肉好きにはこのチョイス!
能登豚ヒレ肉のカツが、分厚くて大きい!
カツはもちろん、パン、ソースもオリジナルだそうです。
お肉はこれだけボリュームがあるのにとても柔らかく、薄めのパンのサックリした焼き目と、カツとキャベツに絡む少し甘めのやさしいソースが、よく合った逸品でした。
添えてあるブロッコリーとトマトがうれしいですね。
揚げ物ですが全く重くなく、でもおなかは大満足のカツサンド。
おすすめです!
こちらのお店は、ほかのお店より鶴仙渓から少し離れた場所にあり、あやとりはしから歩くと20分ほどかかるため、いったん駐車場に戻り車で取りに行きました(車だと数分です)。
基本情報
舞楽夢 Cafe&レストラン
能登豚ひれ肉のカツサンド 1300円(税込)
【予約締切】前日19時まで
石川県加賀市山中温泉塚谷町イ268-2 山中うるし座1F
TEL:0761-78-3338
営業時間:9:00~21:00(20:30L.O.)※お食事は11:00~
定休日:水曜
川床弁当は全部で7種類
その他の川床弁当は、公式サイトをチェックしてみてください。
日本料理の名店や老舗パン屋さん、野菜たっぷりのスープセットなど、バリエーションも豊かです。
川床は席の予約ができないので、その点注意が必要ですが、お昼の時間帯は、わりと席に空きがあるそうです。
お弁当をテイクアウトしてゆったり過ごし、川床スイーツでデザートまで堪能してはいかがでしょう?
お好みのお弁当をテイクアウトして、川床へGO!
気軽な散策に!豊かな自然の「鶴仙渓 遊歩道」
鶴仙渓の遊歩道は、全長が約1.3km。
特徴的な3つの橋の間を巡るコースですが、端から端までのんびり歩いても、所要時間は40分ほどです。
自然のフォトスポットもたくさんあり、清流の音を聞きながら、気軽にリフレッシュしてみてはいかがでしょう?
遊歩道沿いには、休憩所やトイレも設置されているので、安心して散策を楽しめますよ。
鶴仙渓 遊歩道の見どころ8選
こんな案内マップが各所に立てられています。
スポットの解説もあるので、立ち止まって読みながら歩くと、その歴史や背景への空想も楽しい時間になるかも!
【それぞれの所要時間目安】
こおろぎ橋 ⇔ あやとりはし 約15分
あやとりはし ⇔ 黒谷橋 約15分
※川床は「あやとりはし」のたもとにあります。
今回は駐車場「こおろぎ橋広場」に車をとめて、歩いてきました。
見上げる風情「こおろぎ橋」
鶴仙渓に架かる総ひのきの造りの橋で、山中温泉を代表するスポットのひとつです。
その名の由来は、秋の夜に鳴く「こおろぎ」の声とする説や、かつては危険が伴う行路であったことを文字って「行路危(こうろぎ)」とされた説など、いくつかのいわれがあるようです。
こおろぎ橋から見下ろす渓谷の美しさはもちろんですが、遊歩道から橋を見上げ、精緻な木組みを鑑賞するのもおすすめです。
「こおろぎ橋」は、漢字でこう書きます。
なかなか見ない漢字ですが、みなさんは読めますか!?
奇岩怪石「采石巌」(さいせきがん)
鶴仙渓にある、奇岩怪石の一つです。
設置されている解説によると、文政年間の詩人、大窪詩仏によって名付けられたといいます。
中国・金陵近くの、船が停泊する小さな岬の景色に似ていることが由来だそう。
ぜひ、太古の壮大な景色に、思いを馳せてみてください。
采石巌がある場所には、東屋があり、休憩することもできます。
清流に注ぐ白糸「不動滝」
川床の場所にある滝です。
小さいですが水量はあり、滝つぼのすぐそばに川床も設置されています。
この滝を楽しみながら、川床でのんびりするのも最高の時間です。
癒しの「道明地蔵」
慈母観音と共に祀られている石造の地蔵菩薩像です。
美しい自然に囲まれた中で、苔むし静かに佇む道明地蔵は、心を癒し安らぎを与えてくれる存在。
場所は、あやとりはしから遊歩道に降りたところで、黒谷橋への分岐点にあたる一角。
見つけたら、立ち止まってみてください。
縁結びの神様「東山神社」
黒谷橋のたもとから参道を少し上ったところにある東山神社。
ここには、山中漆器の産地ならではの、木地屋祖神の惟喬親王、漆芸の仏 虚空蔵菩薩、商売繁盛の恵比寿が祀られています。
東山神社へは、黒谷橋のたもと、芭蕉堂がある場所から参道を少し上ります。
ゆるやかな石の階段は、全部で130段あまり。5分かからないほどの距離です。
こぢんまりとしながらも、手入れされた神社の前からは、山中温泉の町が遠くに見えました。
松尾芭蕉を祀る「芭蕉堂」
俳聖松尾芭蕉を祀る御堂です。
芭蕉は、北國行脚の折に、ここ山中にも立ち寄っています。
そしてこの芭蕉堂がある周辺の景色を気に入り、句も残しています。
芭蕉が見たのと同じ景色を、時を超えて見ているって、ワクワクしませんか?
鶴仙渓のシンボル「あやとりはし」
S字型の斬新なデザインの橋で、鶴仙渓のシンボル的な存在のあやとりはし。
曲がりくねったほかにはない橋で、ぜひ渡ってみてほしいフォトスポットでもあります。
橋の上では、鶴仙渓から吹き上げる爽やかな風を感じられます。
鶴仙渓から見上げるはしも絶景!
青空に映えるピンクの橋も、なかなかの風情です。
足元だけでなく、上も見上げてみてくださいね。
橋を渡ったところ、たもとにある桜公園には、かわいいフォトスポットが。
ドット絵のハートと「YAMANAKA」がかわいい!
写真に思い出を残すのも、お忘れなく。
昭和レトロな石橋「黒谷橋」
鶴仙渓の最も下流に架かるのが黒谷橋です。
重厚な石造りでありながら、アーチの柔和さが周囲の緑に溶け込んだ様は、他の2つの橋とは違ったレトロな魅力があります。
橋の欄干には、独特な幾何学模様のモチーフが並び、橋の個性を印象付けています。
この模様、日が差し込んだときに橋の上に落ちる影もステキなんですよ。
また、ここは松尾芭蕉も好んだ場所といわれ、芭蕉の句を彫った陶板があります。
「此川のくろ谷橋は絶景の地なり。行脚(あんぎゃ)のたのしみここにあり」
芭蕉も魅了されたこの場所も、一見の価値ありです。
【保存版】鶴仙渓マップ ─ 駐車場&トイレガイド付き
実際に歩いてみた鶴仙渓マップを大公開。
距離があるように見えますが、実際に歩いてみると、たくさんの見どころが点在しているため、意外とあっという間です。
【駐車場】
3つの橋のうち、最上流の「こおろぎ橋」と、真ん中に位置する「あやとりはし」のたもとにあります。
広さとわかりやすさでは、前者の「こおろぎ橋広場」がおすすめ。
山中温泉メインストリートのゆげ街道沿いにあり、乗用車22台、大型車2台分の駐車スペースがあります。
あやとりはしの駐車場には、12台ほど止められます。
【トイレ】
3つの橋「こおろぎ橋」「あやとりはし」「黒谷橋」付近にそれぞれ1か所ずつあります。
それぞれの距離は15分程度なので、こちらも不安なく歩けますね。
マップ内で、それぞれの写真も見られるので、参考にしてみてください。
こおろぎ橋付近の駐車場。
「こおろぎ橋広場」と書いた大きなマップ付き看板が目印です。
あやとりはし付近の駐車場。
橋のたもとすぐのところに、3か所に分かれて5台程度ずつ駐車できます。
トイレも駐車場に隣接しています。
まとめ
見どころ、食べどころが盛りだくさんの鶴仙渓、いかがでしたか?
渓谷を歩くこのコース、勾配はほとんど感じられません。
上流・下流どちら側からスタートするかは、交通手段や宿泊している場所などで決めるといいですね。
いずれにしても、渓谷から橋へは階段を上る箇所もあるので、歩きやすい靴がおすすめです。
季節を問わず、春夏秋冬それぞれに違った表情が見られる鶴仙渓。
山中温泉や近隣のスポットと合わせて、何度も足を運んでみてくださいね!