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ひがし茶屋街といえば、端正な格子戸の家々が連なる街並みの風景。かつては芸妓あそびなどの大人の社交場として栄えた歓楽街でした。金沢の茶屋街が誕生したのは文政3年(1820)のこと。それまで城下に点在していた茶屋を加賀藩公認のもと浅野川の東と犀川の西に集めたのが始まりです。
今ではたくさんの観光客が訪れるスポットとして、cafeや食事処、お土産に丁度良い素敵な雑貨を販売するお店など、たくさんのお店が営業しています。 今回は体験ライター佐藤が東山界隈の魅力をお伝えします。

そんな素敵な街並みや風情を楽しみながら、美味しいものを食べ歩きたい・・・と思うところですが、ひがし茶屋街は食べ歩き禁止となっています。お店の敷地内や休憩所で食べるのが基本です。
しかし、食べ歩き禁止区域は保存地区に指定されているところのみ。ひがし茶屋街周辺の東山界隈では、そのまま食べることができる場所もあるので、購入されたお店で確認することをおすすめします。

ちなみにライター佐藤のおすすめは浅野川沿いの河原に座ってゆったりと川の流れを眺めながらのランチ。ひがし茶屋街のすぐ横を流れる「浅野川」。
こちらは流れの穏やかな川なので、川のせせらぎをすぐそこに感じながらゆったり過ごすことができます。

ではそんな魅力満載。ひがし茶屋街の美味しいスイーツをご紹介していきたいと思います。まずは今やすっかり金沢といえばこれでしょう!というくらい有名スイーツとなった「金箔ソフト」。2015年の北陸新幹線開業とともに誕生したスイーツ。箔一さんは金箔ソフトの元祖です。

大胆に金箔を１枚丸ごと使ったソフトクリームはお店の方が目の前で、キラキラの金箔をあしらってくれるのも見どころです。美しい金箔ソフト。お店の中にはいつもたくさんの人が並んでいます。皆さん写真を撮ってから食べるのがお約束です。

金箔ソフトで有名な箔一ですが、実はひがし茶屋街最大の金箔工芸品専門店。多彩な金箔の商品が揃うお店で、食器やインテリアのほか、アクセサリー、お菓子、化粧品、アート作品なども豊富です。

今、箔一がある場所は100年続いたひがし茶屋街の銭湯「東湯」を改装しています。外観は当時のままで、当時の風情を残した店舗の吹き抜けになった高い天井は銭湯時代の名残です。

次は箔一のお向かいの甘味カフェ茶ゆ。こちらのお店の歴史は先ほどの箔一さんが昔、銭湯だったころに始まります。
地元の皆さんに長く親しまれていた「東湯」。多くの人が通うこの場所で、お風呂あがりにお茶を飲んで休憩したりできるような場所があったらいいなと思い開店。店名の「茶ゆ（ちゃゆ）」はそこからきています。
地元に長く愛されているお店らしいエピソードですが、東湯は残念ながら閉店。茶ゆは地元の人の憩いの場から観光客でにぎわう人気店へと変化し営業しています。

1階はテイクアウトできるジェラートアイスの販売がメイン。2階は甘味カフェでお席に座ってスイーツを味わえます。
こちらのジェラートアイスは素材を地元金沢や、ひがし茶屋街界隈の老舗銘店素材を使ったものや、奥能登や加賀の自然豊かで希少な味も用意されています。

種類も豊富、どれも美味しそうで迷いますが、本日は特選金澤玉露抹茶の雪見アイスモナカ（520円税込）と金沢米糀甘酒＆能登大納言小豆の東山アイスもなか（430円税込）を注文しました。

手前は「特選金澤玉露抹茶」の雪見アイスもなか。創業明治８年東山老舗「米沢茶店」の専用茶園で作られる高級緑茶葉玉露と特選抹茶でできているアイスです。抹茶の香りが鼻の中にふわっと広がり緑茶のさわやかな苦みもほんのりと感じられて、とても濃厚なお味。

奥は「金沢米糀甘酒＆能登大納言小豆」の東山アイスもなか。こちらは創業天保元年、東山の「高木糀商店」の糀が香る甘酒アイスに大粒で風味の良い高級能登大納言あずきを使っています。すっきりとした優しい甘さが、黒い竹炭の入ったもなかのパリパリ感と絶妙に合わさって上品な美味しさです。

アイスはほかにも能登大浜きなこ＆バナナ、能登柳田ブルーベリー、金沢味噌＆パルミジャーノレッジャーノチーズ、金沢大野醤油＆焦がしキャラメルなど石川県内の美味しいものが使われた「ここにしかないフレーバー」ばかりで、どれも食べたくなりますね。

注文すると右奥にあるトレードマークの「ゆ」と書かれたかわいいピンクの紙に入れて手渡ししてくれます。

茶ゆの２階は、ひがしの茶屋街のメイン通りを眺めながらゆっくりとスイーツを堪能できます。
そしてここで味わえるのが究極のモンブランジェラート。能登焼き栗＆京丹波栗０．８ミリ絹糸モンブラン in ジェラート（1,890円税込）です。

なんて美しいモンブランなんでしょう。と感嘆したくなるようなフォルム。0.8ミリという細ーい細ーいモンブランが流れるように盛り付けられています。

割って中をみるとアイスとケーキマフィンが閉じ込められています。アイスは選べるので、私は丸八製茶の加賀棒茶フレーバーをチョイス。

この糸のようなモンブランは甘さが控えめ。控えめだからこそ、栗そのものの美味しさが凝縮されています。そんなに甘くないのでこのボリューム感でもスルッといただけました。

次にご紹介するのは2023年9月1日に開店したおむすび屋「禄むすび」。こちらのお店はミシュランで星を獲得した鮨「みつ川」が経営するお店です。
ひがし茶屋街のメイン通りの中ほどに位置しています。店内はカウンター17席と個室（8席）があります。どのお席からも見える坪庭の風情が素敵です。

店内に入ってしばらくすると海苔の香ばしい香りがほわっと流れてきてお腹が空いてきました。

おむすびのメニューがこちら。定番のうめ、こぶ、かつおに始まり、へしこや甘エビ塩辛などの金沢らしいものまで、たくさんの具の中から好きなものを選べます。
セットメニューもあり、お得な学割セットもあります。今回は禄セット（660円税込）を注文しました。

禄セットは鶏唐揚げ2個とだし巻き玉子、漬物、味噌汁がついてます。これにおにぎりの値段がプラスされます。私が注文したおむすびは人気だという「明太子」と「肉そぼろ卵黄づけ」の2種。

明太子はほろほろ、卵黄づけもしっかりしたお味がご飯にとてもあってました。おむすび自体は空気を含んでいて、お米がほどけるような感覚の柔らかいほわっとしたおむすびです。お米は柳田村のお米を使用。良い香りがした海苔は千葉産の「こんとびのり」だそうです。

おむすびはもちろんですが、店内で一つ一つ巻き上げるだし巻き玉子も絶品。唐揚げも店主がこだわったというサクサクの衣にジューシーなお肉でした。そしてライター佐藤的には、漬物が多めについてるのもかなりうれしいポイントです。

おむすびはテイクアウトも可能なので、お天気が良ければ浅野川沿いに腰かけて食べるのも遠足気分で楽しいと思います。

4軒目はひがし茶屋街の一番奥、2月の節分には茶屋街の芸妓さんが豆まきをするなど地元では大変有名な宇多須神社の前にあるお店「cafeたもん」。
風情ある古い町屋をリノベーションしていて女優のMEGUMIさんがオーナーを務めるお店です。この界隈では珍しく朝8時から営業されています。

店内は1階が24席、2階は30席。2階からは目の前の宇多須神社の景色がみられ、春には満開の桜が楽しめます。

たもんのパンケーキは石川県産コシヒカリ米粉を自社で製粉。グルテンフリーのパンケーキは加賀野菜　五郎島金時のモンブランパンケーキや能登大納言あずきのパンケーキなど様々なトッピングのメニューがあります。

今回は基本の「石川県産コシヒカリ米粉を使ったたもんのパンケーキ」（1,300円）とあわせて「数量限定　自家製のたもんのレモネード」（1,300円税込）も注文しました。

パンケーキはナイフを入れるとさくっとしっかりした感じ。でも食感はふわふわで、添えられているクリームとの相性もばっちりです。ボリューム感のある見た目ですが、甘さも控えめで軽い食感なのでぺろりと食べちゃいました。

自家製レモネードは自家製レモンシロップを炭酸で割ったすっきりしたドリンク。さわやかなレモンの酸味がパンケーキにとても合います。

ひがし茶屋街でもグルテンフリーやハラルに対応したメニューがあるお店は少ないので要チェックです。

ひがし茶屋街の保存地区を抜けた東山界隈は、一本通りを変えたところにも素敵なお店がたくさんあります。少し奥に行くとあるのが、寿司一船(いっせん)。奥まっているので人通りも少なく、ゆったりと街歩きを楽しみながらお店に向かいます。

町屋を改装した店内は上品なたたずまい。土日は朝8時からオープン。夜も予約制で営業。北陸のお酒を中心に揃え、お酒がより美味しく感じられる季節の魚料理を出すお店です。

入口を入ってすぐのところに茶の湯のお釜がかけてあり、自分で柄杓を持ち、セットしたお茶に鉄釜で沸かしたお湯を汲みいれて楽しみます。ちょっとした和の体験をできるのが楽しいですね。お茶は加賀棒茶、緑茶、玄米茶など種類も豊富。おかわりは自由です。

お昼の一船さんはお得な握り寿司のセットなどがありますが、やはりおすすめはここでしかいただけないお寿司です。

こちらではとてもかわいいお寿司がいただけます。それが上の写真の「金澤手まり寿司」（2,500円税込）です。

ライター佐藤一押しの愛らしい一口サイズの手まり寿司。どれも女子ならときめくビジュアルです。写真に収めたくなるし、SNSで投稿してお友達にも教えてあげたくなるかわいさです。

かわいい見た目で、心もお腹も満足させてくれる一箱。こちらはランチメニューが豊富ですので是非一度お立ち寄りください。

最後にご紹介するのが、ガレットのお店「YAE」。

みなさん、ガレットとクレープの違いは判りますか？小麦粉ベースで作るのがクレープ。そば粉が入っているのがガレット。

なんといってもライター佐藤はガレットが大好物なんです。金沢ではガレットのお店は少ないんですが、私の個人的なガレット愛を満たしてくれるのが「YAE」さんです。

こちらも町屋をリノベーションしたお店で、お店の奥には蔵だった場所もあります。

本日ご紹介するのは「能登豚のベーコンガレット・コンプレット」（1,870円）です。

ガレット生地は、新幹線延伸で益々魅力度アップのお隣の県、福井県産の在来種そば粉を使用。香ばしい風味とパリッとした食感とともに、そば来粉本来の風味が楽しめます。

能登豚のベーコンは、塩やハーブで味付けし燻製したものでほどよい脂と香ばしさが口の中に広がります。

他にも鴨のロースト　木苺のソース　山のガレット　（2,420円税込)などいくつか選べますのでガレットがお好きな方は是非訪れてみてください。

金沢観光の要所ひがし茶屋街と東山界隈へは、金沢駅からバスがたくさん出ています。
歩くと30分から40分かかりますが、金沢の裏通りをあえて歩きたいとのんびり歩かれる外国の方もたくさんおられます。

車で来た場合は、周辺にはたくさんのコインパーキングがあります。金額も様々ですので、滞在時間に合わせて駐車場アプリなどで検索されるのをおすすめします。

その中から今日は一つだけご紹介するのが、写真の「東山河畔観光駐車場」。
こちらは冒頭にお知らせした浅野川沿いにあり、隣接して「まちのり」（公共シェアサイクルサービス）の乗り場があります。

お天気が良ければここで車をとめて、シェア自転車の「まちのり」で兼六園や金沢21世紀美術館にいくなんていくのも楽しいと思います。

金沢はいたるところに昔の建物が残されていて、街歩きするだけでもアートな気持ちになれる街です。

ひがし茶屋街と東山界隈をご紹介してきましたが、今回紹介した以外にも素敵なお店ばかりです。毎月訪れても違う景色とお店に出逢えます。ぜひ「ひがし茶屋街」を楽しんでくださいね。