石川県観光公式サイト

石川県ではメスのズワイガニを「香箱ガニ（こうばこがに）」と呼ばれています。

【漁期】
ズワイガニ（オス）　11月6日～3月20日
ズワイガニ（メス）　11月6日～12月29日

この香箱ガニは内子・外子といった卵やミソなどメス独特の濃厚な味わいが楽しめるカニです。
石川県の人はこの香箱ガニを食べるのが大好きで、期間限定のごちそうなのです。

橋立漁港は石川県の最南端に位置する漁港です。
かつて江戸時代から明治にかけて北前船の有力拠点として栄えた街で、
今も歴史的な資産や街並みが数多く残る港町です。

底曳網漁・定置網漁・刺し網漁・潜水漁など一年を通して多種多様・豊富な魚介が水揚げされます。

橋立漁港では夕方に競市を行っており、その日獲れた魚をその日のうちに競りにかけることで、
新鮮な魚を飲食店や旅館に届けることができるのです。

先述したように、橋立漁港では年間を通してたくさんの魚が水揚げされます。
カレイ、甘エビ、ガスエビ、のどぐろ、ニギス、真鯛、甘鯛、サワラ、イカ、アジ、メバル、カサゴ、キジハタ、フグ、岩牡蠣など書いたらきりがないほどですが、冬はズワイガニ漁がさかんです。 

ズワイガニは地域によって呼び名が変わります。

石川県で獲れたオスのズワイガニは「加賀」と「能登」から一文字ずつとって「加能ガニ」と呼ばれています。
水色のタグが目印です。
また、石川県産ズワイガニ（オス）の最上級ブランドとして加能ガニ「輝（かがやき）」、
メスの香箱ガニの最上級ブランドとして「輝姫（かがやきひめ）」があり、両方とも極めて厳しい認定基準が設定されています。 

この日は特別に橋立漁港の競りを見せて頂きました。
見渡す限りカニ・カニ・カニ！　ズワイガニや香箱ガニが見渡す限り一面に並んでいます。 

この日は香箱ガニの最上級ブランド「輝姫（かがやきひめ）」も上がっていました。
輝姫は香箱ガニの中でも甲幅9.5㎝以上で、色や見入りがよく、キズ等が無いことなど厳しい基準が設けられています。

九谷焼のタグを付けられた香箱ガニはまるでオシャレをしているみたい！
競り人の威勢の良い掛け声を合図に、もの凄い勢いで競りが進み、どんどんカニや魚が買い取られていきます。 

橋立漁港周辺でお魚やお土産が買えるスポットをご紹介します。

まず最初に訪れたのは『やまは水産』。
私たちがお伺いした時にちょうど社長がお見えになり、お店を案内してくださいました！

まずはじめに目に飛び込んできたのがこちら。

橋立港で獲れたかれいの干物です。「かれいのチョッコリ寒風干し」というそうで、
水揚げ後すぐのかれいを30分風にあてて乾燥させた干しがれいです。

短い時間で一気に乾燥させることで旨みがギュッと閉じ込められ、骨まで食べられる美味しいかれいになるのだとか！

「うちで出しているかれいは特に肉厚なんよ。身がほら、2～3㎝あるでしょ？」と話される社長。
本当に肉厚です！橋立港の海の豊かさと社長のこだわりが感じられました。 

やまは水産では、新鮮な魚介はもちろん、お土産商品も充実。

一番人気はこちらの「干し甘えび」（600円）
橋立で水揚げされた美しい甘えびを乾燥させているので色がとってもキレイで鮮やか！
全国の百貨店やスーパーでも販売されており、大人気の逸品です。

 「これも人気だよ」と教えてくれたのが、橋立産の乾燥わかめ（1,500円）

昔は乾燥わかめを作る生産者がたくさん居たそうですが、今では2軒だけ。
そういったこともあり、とても希少なわかめなのだそうです。
すぐ売り切れてしまうそうなので、見つけたら絶対ゲットしちゃいましょう！  

漁業組合のすぐ前にあるマルヤ水産。
1階は水産物販売、2階の『食べ処割鮮しんとく』では1階で選んだ魚介を調理してもらったものを食べることが出来ます。

お店に入ると「は～い、いらっしゃ～い！」とお姉さんたちが元気に声をかけてくれました。
魚のことが詳しくなくても、その日のおすすめの魚や食べ方を教えてくれるので安心です。 

甘えびにのどぐろ、かれいにカワハギ…どれも新鮮で美味しそう！
この日は甘えびと、のどぐろの塩焼きを頂くことにしました。

見てください、この甘えび！
九谷焼の器にえびの赤色がとっても映えています。
青い卵をたっぷりお腹に蓄えたキラキラの甘えびはまるで宝石のよう♪
お刺身によく合う、橋立のお醤油「富士菊醤油」を付けて頂きました。 

待ってました！
お次に運ばれてきたのは今やすっかり高級魚として全国的に名を知られることとなった「のどぐろ」の塩焼きです。
身は肉厚でふっわふわ。シンプルな塩焼きでも、しっかりと濃厚な旨みが感じられました。

 マルヤ水産では自社で水揚げした魚介を昆布締めにして販売も行っています。

季節によって魚は変わりますが、この日はなんと26種類もの昆布締めが並んでいました。
お土産にとっても人気だそうで、一度に何種類も買っていく方が多いそうですよ！

その場で自分で選んだ新鮮なお魚を調理してもらって、すぐに食べられる。
なんて幸せなんだ～！とかみしめたひと時でした。

橋立に来たらぜひ訪れたいランチスポットのご紹介です。

「橋立に知る人ぞ知る美味しいランチのお店があるよ」という噂を聞き、『食処　舟重』さんにお邪魔しました。

元々別のところでカニ料理を営まれていたご夫婦が十数年前に開店されたのがこのお店。
ご覧の通り、民家を一部改装して造られたお店で、ご夫婦2人で切り盛りをされています。

メニューはランチ1,800円のみとシンプル。漁港で獲れたその日の新鮮なお魚を使った定食が味わえます。
この日はかれいの煮つけと天ぷら、お造りでした。 

見てください、この大きなかれい！タレがしっかり身に染み込んでいるのが一目でわかります。
次々と運ばれてくる美味しい料理の数々に、思わず写真をパチリ。

野菜とその日の鮮魚の天ぷらもサクッ、ふわっとしていて絶品でした。

香箱ガニの解禁時期はランチのメインが香箱ガニと茶碗蒸しになるそうです。
（価格は時価）

2人でされているお店なので、行く際は予約がおすすめです。

橋立に来たら是非訪れておきたいスポットをご紹介します。

橋立町の一角に、ガラス工房＆ギャラリー『Glass  Studio Cullet』があります。

ガラス作家の秋友伸隆さんの工房兼ギャラリーです。 

「お店には僕の作品もありますが、交流のある作家さんの作品もたくさん並んでいます。
工芸品のセレクトショップでもありますね」と教えてくれました。

店内には思わず手に取りたくなる可愛いガラス作品や工芸品がたくさん。 

秋友さんが約25年前から制作しているこの「太閤鏡餅」はガラスの中にお米を入れて飾るもの。
お正月が終わったら、上の橙を外してお花の一輪挿しとしても使えます。
一度見たら忘れられないキュートな見た目ですよね。

カレットさんではタイミングが合えば、ガラス制作の様子を見学することが出来ます。

1,300℃の高温の窯でガラスを溶かし、息を吹き込んで、成形して…の繰り返しでどんどんガラスが作品の形に！

各行程の説明を丁寧にしてくださりながら、あっという間に作品を仕上げていきます。
無駄のない動きに思わず見とれてしまいます。

作品ができたら480℃の窯で保温し、一晩かけてゆっくり冷まし、完成です。

 ガラス作家さんのお仕事を間近で見る事ができてとっても感動しました！

秋友さんの優しい人柄が作品にも、お店の雰囲気にも反映されていました。 

加賀海岸のほぼ中央に位置し、突出した場所にある加佐の岬灯台。

駐車場から少し森林の中を歩いていくと、急にあたりが開けて白い灯台が現れます。
眼前には日本海の絶景が！

今も昔も橋立漁港に出入りする船たちの道しるべになってきたと想像するととってもロマンがありますね。
ここから見る夕焼けも絶景だそうなので、ぜひ訪れてみてくださいね。 

絶景も楽しめて、ちょっとユニークな場所もご紹介しましょう。

加佐の岬から車ですぐ近くにある、『泉の浜展望台』です。
展望台の前には手作りのブランコや木に登れるハシゴ、使われなくなった船が展示されていました。 

展望台からは泉の浜が見れますが、浜が狭くなっているので下までは降りられませんでした。
でも、とってもいい眺めで癒されますね。
展望台にはちょっと変わったオブジェもありました。 

他にもユニークなオブジェがあり、写真スポットとしても楽しめる
泉の浜もぜひチェックしてみてください。

先ほどご紹介した『舟重』さんのすぐ近くにあるのがこちら、『カフェ彦兵衛』さん。
東京から移住してきた平塚さんご夫妻が営むカフェです。 

珈琲などのドリンクはもちろん、うどんやラーメンなどの軽食やスイーツも味わえます。
店内は木を基調にしたナチュラルな雰囲気で落ち着く空間です。 

『カフェ彦兵衛』さんでは、かつて北前船で栄え、莫大な財を成した加賀四大船主久保家の貴重な資料を展示しています。 

ひょんなことから北前船に興味を持った平塚さんご夫妻。
元々旅行好きだったこともあり、佐渡の宿根木・山形の酒田など北前船で栄えた街を巡っていたそうです。

そんな中でここ橋立にも訪れ、気に入ったご夫妻は移住を決意。
この久保家をリノベーションし、カフェをオープンされました。

敷地にある土蔵を整理していたところ、久保家の資料がたくさん出てきたそうで、「せっかくなら皆さんに見て頂き、北前船や久保家の事を知ってもらいたい」と思い、展示を始めました。

同店にはかつて栄えた橋立船主五人衆の名前を冠しているオリジナル珈琲があります。
橋立愛が随所から感じられますね！

北前船と久保家の話を楽しそうに教えてくれた平塚ご夫妻。
もっとディープな橋立について知りたい方は是非立ち寄ってみてくださいね ！