西田幾多郎って何をした人?記念館で名言なども調査してみた
「善の研究」で知られる日本を代表する哲学者・西田幾多郎の記念館「石川県西田幾多郎記念哲学館」へ行ってみました。
この記事では、彼の思想や名言に触れながら、「考えること」をテーマにした哲学館の内部をご紹介します!
西田幾多郎とは?簡単に説明!
京都学派の創始者でもあり、学位は文学博士。京都大学名誉教授です。
著書に『善の研究』、『哲学の根本問題』などがあります。
西田幾多郎は、1870年5月19日、現在の石川県かほく市に生まれました。
第四高等学校を中退した後、東京帝国大学哲学科選科を修了。その後、教鞭をとりながら石川、山口、京都、東京、鎌倉を訪れました。
そして35歳の頃から、のちに『善の研究』となる論文を書き始め、1911年41歳、京都帝国大学で哲学を教えていた時にこれを出版します。
そして1940年に文化勲章を受賞し、1945年、75歳で病気により急逝しました。
西田幾多郎の『善の研究』を分かりやすく解説!
主観と客観が分かれる以前の意識の統一状態である「純粋経験」、つまり我を忘れ夢中になっている状態こそを唯一の実在として、道徳などを含む全てを考え直し説明したものです。
一言で言い表すにはなかなか難しい内容ではありますが、「生きるとは何か」「善とは何か」「他者とどうかかわるべきか」といった、人生の根本的な問題を深く考えています。
西田幾多郎の名言を紹介
館内のところどころに、自由に待ち帰ることができる西田幾多郎の名言が書かれたワードカードが置かれています。
⚫︎「人は人 吾はわれ也 とにかくに 吾行く道を 吾は行なり」
西田幾多郎は生涯で約二百首の短歌を詠んでいます。この短歌は、1934年元旦に詠んだ自作の短歌です。
当時京都大学を定年退職していた西田は、精力的に著作を執筆していました。ところが、世の中には新しい学問の流行が訪れ、田辺元による西田の哲学への批判も展開されていました。
この短歌では、自分の哲学が「真に理解」されていないと感じ、淋しさも感じながら、ひとり思索の道を淡々と歩む心境が詠まれています。
京都「哲学の道」法然院前に、この短歌が刻まれた歌碑があります。
「衝突矛盾のある処に精神あり、精神のある処には矛盾衝突がある」
「自己が創造的となるといふことは、自己が世界から離れることではない、自己が創造的世界の作業的要素となることである」
など、他にも様々な名言があります。
西田幾多郎記念哲学館とは
「西田幾多郎記念哲学館」は、西田幾多郎の出生地であるかほく市に設立された日本唯一の「哲学」をテーマとする博物館です。彼の原稿や書、書斎などが幅広く収蔵され、哲学を学ぶ場となっています。
設計は世界的にも有名な建築家・安藤忠雄氏によるもので、第9回いしかわ景観大賞を受賞しました。
丘陵の斜面を利用した階段庭園とコンクリートにガラス張りの外観との調和が素晴らしく、「考えること」をテーマに作られているため、思索の空間や対話の空間があり、哲学の世界を体感できるような工夫が随所に見られます。
2010年には、西田が住んでいた京都の自宅の書斎「骨清窟」(国登録有形文化財)が敷地内に移築されました。
西田幾多郎記念哲学館の館内を紹介!
「研修棟(展望ラウンジ・カフェ・図書室など)」のみ利用する場合は、観覧料は必要ありません。
今回はスタッフさんにご協力いただき、特別に内部を撮影させていただきました。
展示棟の施設
展示室1では、哲学をする、つまり、自分の頭で考えるきっかけとなるいくつかの仕掛けが用意されており、タブレットを使って哲学者たちとの対談ゲームを楽しむこともできます。
展示室2では、西田の遺品、原稿、書簡などの豊富な資料で彼の人生と人となりを紹介するほか、いくつかのテーマに沿った展示を行っています。
展示室3では西田が書いた書が展示されています。
地下には「空の庭」という思索空間もあります。
1階 展示室1「哲学へのいざない」
展示棟1階にある展示室1「哲学へのいざない」では、自分で考えるきっかけとなる仕掛けが用意されています。
また、随所に思想家たちの言葉がちりばめられています。
さらにここでは、哲学入門コーナーとして映像や音声で哲学を体験することができます!
感染症対策として、消毒とヘッドフォン用の使い捨てカバーが置いてあり、タブレットを使って「善の研究」「哲学者に質問」などのページを見て学ぶことができました。
子どもでも楽しめるような内容でした。
2階 展示室2「西田幾多郎の世界」
2階にある展示室2「西田幾多郎の世界」では、200点以上に及ぶ遺品、原稿、書簡などが展示されているほか、生前に収録された肉声を聞くことができます。
実際に肉声を聞いてみましたが、とても迫力のある声でした。
各展示の下に引き出しがあり、その中に入っている資料も自由に見ることができます。
また、2階のエレベーターホールには、西田幾多郎が京都時代に住んでいた借家の「書斎 床の間」が復元されているコーナーがありました。
地下1階 展示室3「西田幾多郎の書」
展示室3「西田幾多郎の書」は、西田幾多郎が書いた「書」の展示コーナーです。書を通して西田幾多郎の思想や精神に触れることができます。
展示室内には、西田が書いた沢山の書が展示されていました。
書は特に誰かに師事したというわけではなく自己流だそうですが、とても味のあるくずし字が特徴的でした。
地下1階「空の庭」
空の庭は直線の壁に囲まれ、四角く仕切られた空からは自然のままに雨や雪が降り注ぐ、思索のための空間となっています。
この日は晴れていたので外に出ると、四角い青空が見えました。
研修棟の施設
施設は一般にも貸し出ししているため、自由に利用できます。
地下1階「ホワイエ」
「ホワイエ」は研修棟地下1階にあるすり鉢状の円形空間で、天井の大きな丸い天窓から自然光が差し込み、空が見えます。
晴れていたので天井を見上げるととても綺麗に青空が見えました。
コンクリート造りの無機質な空間は、ぼんやりと考え事をするのにちょうど良い場所です。
1階「図書室」
西田幾多郎に関する書籍、哲学入門書から専門書まで9,000冊以上が収容されている哲学ライブラリーです。
西田幾多郎全集をはじめ、国内外の様々な哲学者の本が作者別に分けて並べられていました。
奥には読書が出来るスペースがありました。
深く学びたい方にはおすすめの施設です。
オリジナルグッズが並ぶ「ミュージアムショップ」
哲学館を訪れた記念に、手に取ってみてはいかがでしょうか^^
哲学館内でのんびり過ごせるカフェ「喫茶テオリア」
「喫茶テオリア」は、西田幾多郎記念哲学館内の研修棟2階にあるカフェスペースで、軽食、ドリンク、デザートが頂けます。
今回はチキンライスとミートソーススパゲティを頂きました。
また、「喫茶テオリア」では度々、企画展に合わせた期間限定メニューが出るそうです。
お食事メニューは500〜550円、デザートは〜350円、ドリンクは250円ととてもリーズナブルです!
飲み物はテイクアウトして展望ラウンジに持って行って飲んでも良いそうです。
Column
喫茶テオリア
[定休日]月曜日(哲学館に準ずる。)
日本海まで見渡せる「展望ラウンジ」
エレベーターの扉が開くと、目の前に綺麗な景色が広がり着いてすぐにテンションが上がりました。
この日は天気が良かったので遠くの山々まで綺麗に見えました。
椅子が沢山置いてあるので座ってのんびり景色を眺めることが出来ます。
その他、哲学ホールや研修室もあります。
また、3、4階には研修室1、2があります。研究会やセミナー、会議などで利用されています。
貸館については公式サイトをご覧ください。
哲学者・西田幾多郎の世界に触れながら、ゆったりと過ごすことができる西田幾多郎記念哲学館。
かほく市に来た際はぜひ訪れてみてくださいね。
基本情報
西田幾多郎記念哲学館の交通アクセス・駐車場など
[住所]〒929-1126 石川県かほく市内日角井1
[電話番号]076-283-6600
[開館時間]9:00~17:00(入館は16:30まで)
[休館日]
・月曜日(祝日の場合は翌平日)
・年末年始(12月29日~1月3日)・展示品の入替期間・メンテナンス期間
※詳細は公式サイトよりご確認ください。
[観覧料]
・一般:300円
(20人以上は団体料金250円)
・高齢者(65歳以上):200円
・高校生以下:無料
・障害者手帳をお持ちの方及びその介助者(1人):無料
[交通アクセス]
〇車
・北陸自動車道[金沢東I.C] - 国道159号線(約20分)
・のと里山海道[白尾I.C](約3分)
〇公共
・JR金沢駅 - 七尾線(25分) - 宇野気駅 - 徒歩20分
[駐車場]普通車65台
西田幾多郎記念哲学館「哲学の杜」ライトアップ
西田幾多郎記念哲学館では、東京スカイツリーのイルミネーションも手がけた日本を代表するデザイナー・戸恒浩人氏の設計・監修によるライトアップを行っています!
建物もその周辺もキラキラと輝きとても幻想的な夜の博物館を見ることができます。
ライトアップは日没から21時30分まで行われています。
敷地内から間近でみるのも良いですが、少し離れた場所から眺めるのが良いそう。
ライトアップがよく見える場所は、イオンモールかほくの屋上駐車場・内日角墓地公園など。
国道249号線を津幡からかほく方面へ走っていると、車内からライトアップを見ることもできます。
基本情報
西田幾多郎記念哲学館「哲学の杜」ライトアップ
[開催日]通年
[開催時間]日没~21:30
[会場]西田幾多郎記念哲学館
Column
鈴木大拙館の見どころ|各界の偉人をも魅了する名言・禅の世界へ
西田幾多郎の親友・鈴木大拙の記念館が金沢市本多町にあります。 鈴木大拙の名言や禅の思想、そして谷口吉生さんによる建築の側面から見どころを紹介します。
西田幾多郎記念哲学館周辺のおすすめスポット
西田幾多郎記念哲学館からすぐ近くのお店をご紹介!哲学館の見学の後にぜひ立ち寄ってみてください!
- 石川県西田幾多郎記念哲学館
- Tomoru creperie
- MORITA PAIN
- hasu TEA
- curry YASHI
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Tomoru creperie(トモルクレープリー)
金沢のシュガーバタークレープ専門店「North Village(ノースヴィレッジ)」の姉妹店です。
素材にこだわったシュガーバターは絶品で、月替わりの限定クレープも人気です。
西田幾多郎記念哲学館からは車で約5分ほど。見学の後のおやつにいかがでしょうか。
基本情報
Tomoru creperie(トモルクレープリー)
[住所]〒929-1127 石川県かほく市大崎チ59-1
[電話番号]076-209-5984
[営業時間]11:00~18:00
[定休日]木曜日、不定休
[駐車場]11台(KUBERUと兼用)
MORITA PAIN(モリタパン)
白い建物に青いドアが特徴のパン屋さんです。
哲学館からお店までは車で6分ほどで、七塚中央公園のお隣にあります。
バターメロンパンやクロワッサン、甘栗のパン、朝のぜいたく食パンなど…種類豊富なパンが並びます。
売切れ次第終了なので、気になるパンがある方はお早めに!
Column
MORITA PAIN(モリタパン)
[住所]〒929-1174 かほく市浜北ニ21-7
[電話番号]076-299-7377
[営業時間]10:00〜17:00(売り切れ次第閉店)
[定休日]毎週日、月と月1〜2回の土曜日
[駐車場]3台
hasu TEA(ハスティー)・curry YASHI(カリー ヤシ)
「hasu TEA」は、スリランカ産の美味しい紅茶とワッフルが楽しめるお店です。
スリランカから直接仕入れをするため、高品質なセイロンティーをリーズナブルな価格で楽しめるのが特徴です。
ワッフルは定番のフレーバーに加え、季節限定フレーバーも登場します!
哲学館からは車で6分ほど。かほくの穏やかな景色を眺めながら、紅茶とワッフルでゆったり休憩ができます。
基本情報
hasu TEA(ハスティー)
[住所]〒929-1174 石川県かほく市浜北ハ27-14
[電話番号]076-254-1660
[営業時間]10:00~18:00
[定休日]水曜日、不定休
[駐車場]10台
hasu TEAの2階には、「curry YASHI」というスリランカカレーのお店があります。
カレーリーフやクミンなど、体に良いスパイスと野菜をたっぷり使用したスリランカカレーは、混ぜて食べるのが本場流。一口ずつ変化する味をぜひお楽しみください!
メニューはインスタグラムにて紹介しています!気になった方はチェックしてみてください♪
基本情報
curry YASHI
[住所]〒929-1174 石川県かほく市浜北ハ27-14(hasu TEA2階)
[電話番号]076-254-1660
[営業時間]
ランチ:11:30~15:00
テイクアウト:11:30~18:00
[定休日]水曜日、不定休
[駐車場]10台