加賀国とは?加賀国府ものがたり館でその歴史を体感!
加賀国(かがのくに)とは?
越前国(えちぜんのくに)は、現在の石川県全域を含む南北約240kmの長大な国でしたが、養老(ようろう)2年(718年)に能登国(のとのくに)、弘仁(こうにん)14年(823年)に加賀国が分国します。
越前国から加賀国が分国する際には、加賀郡と江沼郡の2郡から、新たに加賀郡の南部に石川郡、江沼郡の北部に能美郡を設置して4郡となりました。
古代の加賀国は、現在のかほく市と津幡町の大海川(おおみがわ)以南から加賀市までの、7市3町にまたがる地域にあたり、明治時代に県制が施行されるまで「加賀国」と呼ばれています。
今年は加賀立国1200年!様々なイベントを開催
2023年の今年は、加賀国誕生から1200年の節目を迎えました。
国府の置かれた小松の地から、加賀立国1200年祭として、古代ロマンあふれる歴史物語の世界を体験・体感できるイベントを開催!
加賀国府の歴史を加賀国府ものがたり館で体験!
加賀国府学びの拠点として名称を河田山(こうだやま)古墳群史跡資料館から加賀国府ものがたり館と改め、2023年7月にリニューアルオープンされました。
弥生時代から加賀国府の歴史まで、様々な展示物で楽しく学ぶことができます☆
迫力満点!河田山33号墳の横穴式石室がお出迎え
7世紀後半に築かれた切石積(きりいしづみ)横穴式石室で、本来は館から北西に100mほど離れた場所にありましたが、発掘調査が行われた後に解体され、現在地に組み立て・復元されました。
奥のモニターでは、加賀国府の歴史についてわかりやすく解説した映像が流れていました♪
小松市に古墳がいっぱいあったなんてビックリです・・・!
横穴式石室の作り方を図解で解説!
また、石材は近くで入手できるものを用いることが一般的で、河田山古墳群の切石積石室は小松市里川町でとれた凝灰岩(ぎょうかいがん)が使われたと考えられています。
石材の加工方法がいくつかあり、石室を築く技術だけでなく、高い石材加工の技術も必要だと学びました。
先程登場した河田山33号墳の調査成果も詳しく紹介されていました!
加賀国府の歴史は平安時代!
加賀国府が誕生した歴史は、平安時代まで遡ります!
越前国守に着任した紀末成(きのすえなり)は、越前国が広大で、最北に位置する加賀郡が国府から遠く、治めることが困難だと朝廷へ分国を進言し、弘仁14年(823年)3月、江沼と加賀の2郡を分けて、加賀国は誕生しました。さらにその3ヶ月後には、加賀郡から石川郡が、江沼郡から能美郡が分かれて4郡となり、それぞれの郡に役所を置いて国家の地方支配を強化していきました。
加賀国や周辺の集落遺跡から発掘された陶器などがずらりと並んでいました!
基本情報
加賀国府ものがたり館
住所 〒923-0061 石川県小松市国府台3丁目64
電話番号:0761-47-4533
入館時間:9時30分~16時30分(入館は16時まで)
定休日:水曜日、休日の翌日(休祝日除く)、12/29~1/3
料金:無料
駐車場:あり
トイレ:あり
加賀国府周辺の立ち寄りスポット
今回はライターオススメの立ち寄りスポットを紹介します♪
白山や加賀国府推定地を展望デッキから一望!
加賀国府ものがたり館のすぐ近くには、白山や加賀国府推定地を一望できる展望デッキがあります♪
設置された地図と照らし合わせながら、小松市指定文化財である「前田利常公灰塚」や「埴田(はねだ)の虫塚」等が、どの辺りにあるか見ることが出来ます!
見晴らしがとても良くて、思わず写真をパシャリ☆
実物の古墳を設置!河田山古墳公園
現在、国府台住宅団地となっている丘陵に60基以上の古墳群がありました。
「河田山古墳公園」には、河田山12号墳が今でも保存されています。
公園内にある長い階段で、丘を登ると移築して復元された河田山12号墳が現れます!
墳丘(ふんきゅう)の後ろ側にコの字状の周濠(しゅうごう)、前面は墳丘を囲むように列石が設けられています。
貴重なアーチ型の石室を見学する事ができ、感激しました!
基本情報
平成の名水百選に選ばれた桜生水
「桜生水」は、春には桜が美しく咲き誇り、また周辺は小公園として整備されています。
毎年、地元桜生水保存会による「野点茶会(のだてちゃかい)」などの催し物が開かれています。
昭和60年に「(昭和の)名水百選」として全国で百箇所が認定されました。
その後、環境省では、環境問題が主要議題となった北海道洞爺湖(とうやこ)サミットが開催された平成20年に、水環境保全の一層の推進を図ることを目的に、地域の生活に溶け込んでいる清澄な水や水環境の中で、特に地域住民などによる主体的かつ保全活動が行われているものを「平成の名水百選」として新たに選定し、小松市では桜生水が選定されました。
水はとても冷たく、湧水の側には水を汲む道具が何種類か置かれていました!
地元の方に愛されているようで、撮影時には水を汲みに来られる方が結構いました☆
中には、水を汲みに来るのが日課になっているという方もおられました♪
基本情報
加賀藩三代藩主の前田利常公灰塚!
続いて訪れたのは、桜生水から歩いて約10分の「前田利常公灰塚」。
「前田利常公灰塚」は小松市指定文化財で、その歴史は小松城に隠居した加賀藩主の前田利常公が、1658年に66歳で亡くなり火葬された場所です。
遺命でこの地が選ばれたとされていますが、茶の湯を愛した利常公のために、茶の産地を選んだとの伝承もあります。
基本情報
全国的にも珍しい埴田の虫塚!
続いて訪れたのは、前田利常公灰塚から歩いて約3分の「埴田の虫塚」。
「埴田の虫塚」は、稲の害虫であるウンカが天保(てんぽう)10年(1839年)、能美郡一帯に大量発生し、大凶作に見舞われました。
当時の徳橋(とくはし)組十村役(とむらやく)の田中三郎衛門(たなかさぶろうえもん)は、村人達を率いてウンカの駆除と虫の死骸を綿袋に取り集めていました。
病害虫とはいえ、不幸死の人の生まれ変わりとも伝わる虫の命を奪ったことから、病害虫の供養と併せて、駆除の方法を後世に残すために、虫の供養塚を建てたものです。
碑文(ひぶん)には発生状況と共に駆除の様子が彫られており、虫の供養塔は全国的に珍しいものだそうです。
基本情報
ここに来たら立ち寄りたい地元スイーツ
今回は地元ライターが選ぶおすすめのお店を紹介します☆
菓子工房Yodogawaよどがわ
どの商品も添加物を使わず、厳選した原材料で真心を込めて手作りされたスイーツは絶品!
閑静な住宅街の一角にある小さな洋菓子店で、ほんわか軽い甘さでとろりとしたクリームと、ふわふわのスポンジの相性が抜群のロールケーキ「いぶろーる」がオススメです☆
「加賀国府ものがたり館」から車で約2分。
基本情報
菓子工房Yodogawaよどがわ
住所 〒923-0061 石川県小松市国府台2-96
電話番号:0761-47-0883
営業時間:11:00~18:00
定休日:月曜日・火曜日
駐車場:あり
河田ふたば
河田ふたばで手作りされる和菓子は、今回の記事で紹介した平成の名水百選に選ばれた「桜生水」を使用!
産地コラボ大福や季節に合わせた大福など魅力的な和菓子を是非ご賞味下さい♪
季節の果物を大きめにカットし、自慢のお餅で包み込んだフルーツ大福がオススメ◎
「桜生水」から車で約2分。
基本情報
河田ふたば
住所 〒923-0053 石川県小松市河田町リ92番地
電話番号:0761-47-2065
営業時間:平日9:00〜18:00、土日祝日9:00〜17:00
定休日:毎週水曜、第2、4火曜
駐車場:あり
まとめ
普段何気なく訪れていた土地に、こんな歴史文化があるなんて知りませんでした!
加賀国府の歴史を感じ、これから違った目線で見ることができそうです♪
紹介しきれなかった立ち寄りスポットがまだまだあるので、加賀国府の歴史文化に触れる歴史旅もオススメです☆