刺繍好き必見!伝統工芸の加賀繍体験と刺繍ショップ巡り|石川県金沢市
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ほっと石川旅ねっと体験ライターの酒井恭子です。
今回は、刺繍ファンにはたまらない、糸が生み出す美しい作品を巡る旅。
伝統工芸の「加賀繍(かがぬい)」を体験し、華やかな「加賀手まり」を鑑賞。現代的な刺繍作品に触れられるスポットにも立ち寄りました!
上品で華やか!ひと針ひと針、オリジナルの刺繍アイテムを生み出そう
刺繍作品を巡る旅は、『加賀繍 IMAI(いまい)』からスタート!
こちらは、加賀繍の老舗『ぬいの今井』で伝統の技を代々受け継ぎ、国の伝統工芸士にも認定された横山佐知子さんが立ち上げた工房です。
こちらは、加賀繍の老舗『ぬいの今井』で伝統の技を代々受け継ぎ、国の伝統工芸士にも認定された横山佐知子さんが立ち上げた工房です。
加賀繡の魅力は、何といってもその華やかさ。
室町時代に仏教の布教とともに伝えられた手刺繍の技法で、糸を何重にも重ねて立体的に見せる「肉入れ繡」や、絹糸の色を何度も変えてグラデーションをつける「ぼかし繡」などが特徴です。
室町時代に仏教の布教とともに伝えられた手刺繍の技法で、糸を何重にも重ねて立体的に見せる「肉入れ繡」や、絹糸の色を何度も変えてグラデーションをつける「ぼかし繡」などが特徴です。
工房内では、加賀繍のさまざまな作品が展示販売されていました。
少し離れて見るとまるで絵画のようで、ひと針ひと針丁寧に描き出された模様の美しさに、うっとりと見とれてしまいます。
少し離れて見るとまるで絵画のようで、ひと針ひと針丁寧に描き出された模様の美しさに、うっとりと見とれてしまいます。
工房内の壁一面には、ズラリと並ぶ糸の色見本が!約4500種類もあるそうです。
これだけ多くの種類の糸を使うからこそ、繊細なグラデーションが作り出せるんですね。
これだけ多くの種類の糸を使うからこそ、繊細なグラデーションが作り出せるんですね。
伝統の加賀繡の技を使って、オリジナル小物を作る体験コースも人気です。
約30年前から刺繍について知ってほしいとスタート。石川県内で加賀繡体験ができるのは、現在ここだけ!
ヘアゴムやストラップ、ピアスなど、お好みのアイテムを選び、花や植物といったモチーフを刺繍できます。
わたしはストラップを作ることに。作るものを決めたら、最初に使う糸と布を選びます。
糸は絹糸で布もシルクのものを使用するため上品なツヤが美しいですね。
糸は約250種類から、布も10種類から選べるので、かなり迷ってしまいました・・・。
糸は絹糸で布もシルクのものを使用するため上品なツヤが美しいですね。
糸は約250種類から、布も10種類から選べるので、かなり迷ってしまいました・・・。
選んだ糸は、縫いやすく丈夫に、より美しく縫い上がるように、手で撚りをかけてくれます。
この作業の手さばきがまた美しい・・・。
この作業の手さばきがまた美しい・・・。
布にモチーフの下絵を描いてもらい、刺繍枠をテーブルに固定したら、さっそく縫っていきます!
布の下から左手で針を刺し、右手で針を抜いてまた上から下に刺すという要領で、両手を使うのが加賀繡のスタイル。
私は左手で正確な位置を刺すのが難しかったですが、職人の方曰く、慣れるとこの方法が効率的なのだそうです。
私は左手で正確な位置を刺すのが難しかったですが、職人の方曰く、慣れるとこの方法が効率的なのだそうです。
キレイな曲線を作るためには、少しずつ刺す位置を変える必要があるのですが、これがなかなか難しい・・・。
でも、集中してもくもくと取り組むと、なんだか頭の中がリセットされて心が穏やかになるような気がしました。
これは、刺繍にハマる方の気持ちがちょっとわかったかも・・・笑
約1時間半くらいチクチクして、やっとできたー!
花びらの形がちょっと不揃いになってしまったけど、これはこれで味があっていい感じです。
花びらの形がちょっと不揃いになってしまったけど、これはこれで味があっていい感じです。
金具などを付けてもらって、加賀繡オリジナルストラップの完成!
優しいイメージのかわいいストラップに仕上がりました。ひと針ひと針時間をかけて縫ったので、思い入れのある作品になりましたよ。
優しいイメージのかわいいストラップに仕上がりました。ひと針ひと針時間をかけて縫ったので、思い入れのある作品になりましたよ。
少しコツがつかめたので、今度はピアスやイヤリングにも挑戦してみたい!
モチーフを2つ刺繍する必要があるので最大で3時間ほどかかるそうですが、袴や着物とのコーディネートにぴったりで、卒業式前の学生さんにも大人気の体験メニューなのだそうです。
モチーフを2つ刺繍する必要があるので最大で3時間ほどかかるそうですが、袴や着物とのコーディネートにぴったりで、卒業式前の学生さんにも大人気の体験メニューなのだそうです。
歴史ある伝統の技に触れながら作る、オリジナルの加賀繍小物。
絹糸の上品な輝きが楽しめるアイテムは、旅のステキな思い出になるのではないでしょうか?
絹糸の上品な輝きが楽しめるアイテムは、旅のステキな思い出になるのではないでしょうか?
基本情報
加賀繍 IMAI
【住所】石川県金沢市三口新町3-4-19
【電話番号】076-231-7595
【定休日】不定休
【駐車場】4台
《選べる加賀繍体験》
【体験料金】
キーホルダー・ストラップ・ヘアゴム…2,750円 ※2時間
バナナクリップ、ピアス、イヤリング、ミニ額…3,850円 ※3時間
【体験時間】10:00〜17:00
【実施期間】通年 2日前までに要予約
雅な糸の芸術!お土産にもぴったりの加賀てまりと指ぬき
続いておじゃましたのは、南町の大通りに面したところにある『加賀てまり 毬屋(まりや)』。
こちらは全国的にも珍しい、「加賀てまり」の専門店です。
「加賀てまり」は、古くは子ども用の玩具として使われていたもの。
江戸時代に徳川家から加賀藩前田家へと嫁いだ珠姫様が、嫁入り道具の一つとして持参したことにより、金沢に広まったと言われています。
「加賀てまり」は、古くは子ども用の玩具として使われていたもの。
江戸時代に徳川家から加賀藩前田家へと嫁いだ珠姫様が、嫁入り道具の一つとして持参したことにより、金沢に広まったと言われています。
手縫いで作り出される色彩豊かな幾何学模様と、中に鈴が入っていて振ると柔らかい音が鳴るのが特徴。
金沢では娘が嫁ぐ時に幸せを願っててまりを持たせる習慣があったそうで、魔除けとして床の間などに飾られることもあります。
伝統的な「十二菊」や「二つ菊」の他、梅や桜などをモチーフにしたものもあり、色柄のバリエーションも豊かです!
金沢では娘が嫁ぐ時に幸せを願っててまりを持たせる習慣があったそうで、魔除けとして床の間などに飾られることもあります。
伝統的な「十二菊」や「二つ菊」の他、梅や桜などをモチーフにしたものもあり、色柄のバリエーションも豊かです!
実際に手にとって見せてもらうこともでき、間近でじっくり美しい幾何学模様を鑑賞させていただきました。
柔らかくなじむ手触りと絹糸の美しい光沢もステキです。インテリアとして海外の観光客の方にも人気なのだそうですよ。
柔らかくなじむ手触りと絹糸の美しい光沢もステキです。インテリアとして海外の観光客の方にも人気なのだそうですよ。
店主の大西由紀子さんが作る「加賀ゆびぬき」も並びます。
伝統的な針仕事の中から生まれた工芸品で、本来裁縫の時に針を押すためのものですが、てまりよりもさらに細かな幾何学模様と美しい色使いで、アクセサリーとしても人気です。
伝統的な針仕事の中から生まれた工芸品で、本来裁縫の時に針を押すためのものですが、てまりよりもさらに細かな幾何学模様と美しい色使いで、アクセサリーとしても人気です。
模様には無限のバリエーションがあり、吸い込まれるような美しさで、ずっと眺めてしまいますね。
本当に緻密なつくりで、長い時間をかけ細かい作業を続けて作られたことが伝わってきます。
「糸で作る宝石」とも呼ばれているそうで、この上品さと輝きに納得・・・!
本当に緻密なつくりで、長い時間をかけ細かい作業を続けて作られたことが伝わってきます。
「糸で作る宝石」とも呼ばれているそうで、この上品さと輝きに納得・・・!
店内では随時、作品制作も行われているので、タイミングによってはてまりやゆびぬきの貴重な制作風景を見学することもできますよ。
ひと針ひと針、丁寧に行われる作業。複雑な模様で次はどこを縫うべきなのか、素人目にはさっぱりわかりませんでしたが、流れるように針を動かす手元は熟練の技!
ひと針ひと針、丁寧に行われる作業。複雑な模様で次はどこを縫うべきなのか、素人目にはさっぱりわかりませんでしたが、流れるように針を動かす手元は熟練の技!
裁縫が楽しくなりそうな加賀てまりをモチーフにしたかわいい針山や、コーディネートのアクセントになりそうなネックレスなどのアクセサリーも並んでいました。
比較的買いやすいお値段のものも多く、ちょっとしたお土産選びにもおすすめのスポットです。
金沢市中心部の観光名所、尾山神社のすぐそばとアクセスしやすい場所なので、気軽に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?
基本情報
加賀てまり 毬屋 (まりや)
イメージがガラリと変わる?独創的な刺繍ワールドへ
刺繍の魅力をもっと知りたい!と思った私。
現代的な刺繍の作品に触れられる場所があると聞いてさらに足を運んでみたのは、新竪町(しんたてまち)商店街の一角にお店を構える『taffeta(タフタ)』です。
現代的な刺繍の作品に触れられる場所があると聞いてさらに足を運んでみたのは、新竪町(しんたてまち)商店街の一角にお店を構える『taffeta(タフタ)』です。
店名の『taffeta(タフタ)』は紡ぐという意味。
ここは、刺繍作家である髙知子さんのアトリエ兼ショップで、オリジナルの刺繍作品の他、髙さんがセレクトした雑貨や洋服などが展示・販売されています。
ここは、刺繍作家である髙知子さんのアトリエ兼ショップで、オリジナルの刺繍作品の他、髙さんがセレクトした雑貨や洋服などが展示・販売されています。
壁には、色鮮やかな糸で描かれた図形や花など、オリジナリティーあふれる作品がいっぱい!
伝統的な刺繍とはまた違い、色と形を自由に組み合わせて表現されていて、どの作品も不思議な魅力が感じられます。
伝統的な刺繍とはまた違い、色と形を自由に組み合わせて表現されていて、どの作品も不思議な魅力が感じられます。
なんと、タンバリンに刺繍をほどこした作品も!
他にも、梱包材や金属板に刺繍をしたものもあり「こんな発想、どこから生まれてくるの?」と驚きの連続でした。
他にも、梱包材や金属板に刺繍をしたものもあり「こんな発想、どこから生まれてくるの?」と驚きの連続でした。
髙さんにお話を伺っていてさらに驚きだったのは、これらの作品は全て事前に下絵を描いたりせず、直接布に糸を刺しながら、思うままにイメージをふくらませて作り上げているということ。
色や形が緻密に組み合わされた作品もあり、刺しながら考えて作られたなんてすごすぎる・・・。
色や形が緻密に組み合わされた作品もあり、刺しながら考えて作られたなんてすごすぎる・・・。
「刺繍ってこんなに自由だったのかー!」と、これまでの刺繍のイメージがガラリと変わる、刺激的な場所です。
ただし、店内や作品の写真撮影はNGとなっていますのでご了承ください。
(今回は特別に許可を得て撮影しています。)
ただし、店内や作品の写真撮影はNGとなっていますのでご了承ください。
(今回は特別に許可を得て撮影しています。)
新竪町商店街には他にも個性的なお店があるので、散策しながら色々なショップやアイテムとの出会いを楽しんでみるのもおすすめですよ。
基本情報
taffeta(タフタ)
【住所】 石川県金沢市新竪町 3-115
【電話番号】076-224-3334
【営業時間】12:00 ~19:00
【定休日】火曜、水曜(祝日の場合は営業)
【駐車場】なし ※店内、作品の写真撮影は不可
ひと針ひと針、布の上に描かれる美しい刺繍の世界。
長い時間をかけて丁寧に作業するからこそ、魅力的な作品が生まれてくることを改めて知り、刺繍の素晴らしさを感じる旅でした!
長い時間をかけて丁寧に作業するからこそ、魅力的な作品が生まれてくることを改めて知り、刺繍の素晴らしさを感じる旅でした!