金沢市大野|歴史を感じさせる港町でアート&クラフトを満喫する旅

3935ビュー

ほっと石川旅ねっと体験ライターの谷口です。

金沢観光といえば、近江町市場や兼六園、金沢21世紀美術館など、市内中心部に見所がぎゅっと集まっているイメージですが、今回は少し離れて、金沢市の中でも日本海にほど近い「大野町」エリアに行ってきました!


大野町は古くから醤油作りの土地として栄え、現在ではかつての醤油蔵をリノベーションしたカフェやギャラリーが点在するエリアとなっています。

歴史あるのどかな大野町で、ゆったりと街歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。

金沢市大野|歴史を感じさせる港町でアート&クラフトを満喫する旅

築100年を超える醤油蔵でガラス工芸体験!

大野町らしい木造の建造物が立ち並ぶ街並みを通り、まずはガラス工房『スタジオ・プラスG』さんへやってきました。
こちらは築100年以上の元醤油蔵をリノベーションした、ガラス造形家である市川篤(あつし)さんのアトリエとなっています。
今回はこちらで、サンドブラスト体験を行ってきました!
サンドブラストとは、高圧で砂を吹きかけ、ガラスの表面を削ることで絵柄を描く技術です。
スタジオ・プラスGさんで体験できるサンドブラストは、コップとお皿の2種類ですが、今回はコップを選択しました。

コップは底から口までがまっすぐな形のものと、底から口が広がっている形の2種類から選択できます。
今回は小学3年生の姪っ子がまっすぐなもの、私が口の方が広がっているものを選びました。
見本が数点おいてありましたが、とっても上手!!
本当にこんなにきれいに描けるものなのでしょうか・・・?
一抹の不安を感じながらも、市川さんから段取りの説明をいただき、まずは絵柄を決めていきます。
サンプルとなる絵が印刷されている冊子や、シンプルな図柄が描ける定規、下書き用の用紙が準備されているので、用紙にイメージを描きつけていきます。
イメージが固まったら、テープが貼り付けられたコップに図柄を移し描きます。
テープに図柄を書き込んだら、線に沿ってカッターで切り込みを入れ、テープをはがしていきます。
こうすることで、テープが貼られていない部分ができ、最終的にはこの部分が削られて"すりガラス"調になります。

砂の吹付けは市川さんがやってくださるので、体験作業ではこの切込み作業が一番の肝!
私はカッターの切込みを考え、切りやすい無難な絵にしましたが、姪っ子は自分の描きたい絵を描いています。
そんなに細かく絵を描いて、大丈夫なんだろうか・・・と大人はハラハラです。
カッターでテープに切り込みを入れる作業は、慣れるまでコツが掴めず何回も同じところを切っていました。
だんだんと慣れて切り込みが上手に入れられるようになると、テープがぴーっときれいにはがれるのがなんとも気持ちよいです。
市川さんによると、カッターを動かすのではなく、コップの方を動かして切り込みを入れていくのがコツとのことでした。

姪っ子の描いた、難易度1000の図柄の切り込みは細かい作業が得意な妹にバトンタッチ。
市川さんいわく、よく親子で体験にいらっしゃるが、大抵お子さんが自由に絵を描いて、親が切り込みを入れるのに大変苦心されているとのお話でした。
カッターで切り、テープを剥がし・・・を繰り返し、完成したら市川さんにバトンタッチです。
市川さんが特殊な機械でコップに砂を吹き付け、テープが剥がれた部分を削って仕上げてくださいます。

本当に想像しているとおりの出来栄えになるのでしょうか・・・
どきどきわくわくしながら出来上がりを待ちます。
ギャラリーを眺め待つこと数十分、こちらが完成品です!
心配していた姪っ子の細かい図柄も、妹の努力の甲斐あって完璧に再現されていました!
細い部分もあったのですが、きちんと削れています。
市川さん、細かい部分まで処理していただきありがとうございます!

ゆったりと時間がながれる大野町に魅了されて

スタジオ・プラスGさんでは、サンドブラスト体験の他に、とんぼ玉体験も実施されています。
市川さんのお話では、サンドブラストよりもとんぼ玉体験を目当てにいらっしゃる方の方が多いのだとか。
工房に作品例のとんぼ玉も飾られていましたが、動物の形をしたユニークなものや、金箔を使った金沢らしいものまで、好みに合わせて様々な種類のものが作成できるようでした。
実は今回、体験は醤油蔵の手前に併設されている部分(写真上)で実施いただきました。
冬の間は醤油蔵の中は寒すぎるための措置とのことで、4月以降は醤油蔵内(写真下)にギャラリーや体験施設が移動されるとのお話でした。(※本お写真は市川さんよりご提供をいただきました。)
せっかくなので、次回はとんぼ玉を醤油蔵の中で作ってみたいです。

「時間がゆっくりと流れているどこか懐かしい町の雰囲気と、ものづくりに理解のある優しい町民の人情に惹かれ、この大野町に拠点を構えることを決めた」という市川さん。


市川さんの想いが感じられるアトリエに、ぜひ足を運んでみてください。

基本情報

ガラス工房 スタジオ・プラスG

【住所】石川県金沢市大野町2-39

【電話番号】090-8266-7490

【体験可能時間】10:00~17:00(最終受付15:00)

【定休日】月曜~金曜 ※開催は土日祝のみ

【駐車場】ギャラリー&茶論もろみ蔵と共用駐車場20台


《サンドブラスト体験》

【体験料金】

・「コップ作りコース」2,000円

・「皿作りコース」2,500円


››じゃらん遊び・体験予約はこちら

››ガラス工房スタジオ・プラスG 公式サイトはこちら

醤油蔵を改築したカフェで、大野名物の絶品しょうゆソフトを堪能

サンドブラスト体験が終わった後は、お隣の「ギャラリー&茶論もろみ蔵」さんへ。
現在もここ大野町で醤油製造業を営まれている、紺市醤油さんのカフェとなっています。
入口を入ると、大野で今も作られている醤油の瓶がずらり。
こちらもスタジオ・プラスGさん同様、醤油蔵を改築したカフェとなっており、店内は天井が高く、醤油蔵当時の面影が感じられます。

広い空間には至るところに写真や作品が飾られており、ギャラリーとしても活用されています。
先程お世話になった市川さんの作品も飾られていました!
もろみ蔵でいただけるメニューはこちら。
この日は1月で寒く、あたたかい食べ物メニューも気になりましたが、やはりここに来たからには名物のしょうゆソフトクリームを食べないわけにはいきません。
わたしと妹はしょうゆソフトクリーム、姪っ子はお抹茶セット、母は白玉ぜんざいを注文しました。
しょうゆソフトクリームを久しぶりに食べましたが、やっぱりおいしい!
醤油の風味が塩気のあるキャラメルのような味わいになっており、コクがあるのにさっぱりと食べられます。
大野町に来たからには、季節を問わず絶対に食べてほしい逸品です。
お抹茶とぜんざいもおいしかったようで、みんなでほっこり。
広々とした空間で、ギャラリーの作品を眺めつつ、この町らしいゆったりとした時間を過ごすことができます。
大野町散策の休憩にはもってこいの場所です。

もろみ蔵さんの物販エリアでは、大野で作られているお醤油やドレッシングなども購入できます。

石川県民の方は、ご自宅で使っている馴染みのある商品もあるのではないでしょうか?


大野町で作られるお醤油は、少し甘めなうまくちのお醤油。

石川県の新鮮なお刺身や郷土料理には欠かせない風味をもたらす調味料です。

石川県旅行の思い出に、地場のお醤油を買って、味わいの違いを比べてみるのも面白いですね。

基本情報

ギャラリー&茶論もろみ蔵

【住所】石川県金沢市大野町2-39

【電話番号】076-267-6638

【営業時間】11:00~18:00、土日祝10:00~18:00

【定休日】水曜

【駐車場】20台


››ギャラリー&茶論もろみ蔵 公式サイトはこちら

猫好きにはたまらない!大野に住む猫をモチーフにしたギャラリー

もろみ蔵さんから歩くこと5分ほどで、「ぎゃるり・いっかん」さんにやってきました。
ここはご夫婦が営まれている陶芸工房で、旦那様の中村博光さんは日常的に使いやすい器を、奥様の多喜美さんは大野町に住む猫をモチーフにした作品を作り、一階をギャラリーとして開放しています。
ギャラリーの中に入ると、あちこちにねこ・ねこ・ねこーーー!
猫好きの谷口家、大歓喜です。
奥様の多喜美さんが大の猫好きで、大野町で暮らすのんびりした猫たちをモチーフにした作品を作り続け、展示しているとのこと。
ギャラリー内にある作品は、どれも購入することができます。
たくさんのにっこり顔の猫さんたちから、お気に入りの猫さんを探すのも楽しいです。
作品からは奥様の溢れる愛情が伝わってきて、見ているこちらもほっこりとあたたかい気持ちにさせてくれます。
今年の干支のうさぎの作品もありました!
うさぎさんの後ろには博光さんの作品である器がずらり。
茶道が一般市民にもふつうに普及している金沢らしく、お抹茶茶碗もたくさん飾られています。
博光さんの作品は「用の美」を軸とした、生活に溶け込む普段使いの器をモットーに制作されており、様々な色・形のものが展示されていました。
二階の工房を拝見させていただきました。
こちらの工房では陶芸体験もできるそうで、予約すれば手びねりとろくろ体験ができます。
おや・・・?
なんと工房には猫さんが!!!
この子は中村さん宅で飼われている「はなちゃん」。
とっても人懐こい子で、初対面のわたしたちにも鳴きながら近づいてきてくれました。

陶芸体験にいらしたお客様で、膝の上にはなちゃんを乗せながら体験される方もいらっしゃるのだとか。
猫好きには夢のようなプランです。

猫大好きの我が家は、あっという間にはなちゃんのとりことなってしまいました。
いっかんさん、実は陶芸作品だけではございません。
一階のギャラリーの一角には「Sake house・いっかん」があり、全国の厳選された日本酒が購入できるのです。
石川県の銘酒である手取川、天狗舞はもちろん、福井県の黒龍、三重県の作など、日本酒好きにはグッとくるラインナップではないでしょうか。

現在はお酒の販売のみのようですが、今後は博光さんの作った器を使った、試飲会などのイベントも計画されているのだとか。
陶芸作品と銘酒のコラボレーションは、なんとも魅惑的なイベントです。

その他毎週水曜日には、中村さんご夫婦の娘さんがカフェを営業されているそう。

猫さんに囲まれながら、おいしい手作りスイーツと共にティータイムが楽しめます。


ギャラリー、工房、かわいい看板猫さんとの触れ合い、選びぬかれた日本酒にカフェまで、一粒で何度でも楽しいスポットに大満足でした!

基本情報

ぎゃるり・いっかん

【住所】石川県金沢市大野町6-2

【電話番号】076-268-0864

【営業時間】10:00〜17:00

【定休日】月曜・火曜

【駐車場】6台


››ぎゃるり・いっかん 公式サイトはこちら

ゆっくりと時間が流れる町・大野へ!

歩いて回れるくらいの範囲に、今回ご紹介したような個性あふれるギャラリー・カフェが点在している大野町。
港も近く、お散歩にはとっておきのエリアです。
忙しない日常から離れて、ひと味違った金沢を満喫しに、ぜひ大野町へ足を運んでみてください!
ページトップへ
「令和6年能登半島地震」の影響による掲載内容の注意点
当サイトに掲載の情報については、震災の影響により更新が追い付いていないものがありますのでご注意ください。