凧揚げで有名な内灘町の海と風が育んだ、文化と歴史を巡る旅

2099ビュー

ほっと石川旅ねっと体験ライターの酒井恭子です。


今回は、金沢市のおとなり内灘町を巡る旅。心地よい海風が吹く土地だからこそ盛んな凧の文化に触れ、内灘町の歴史を深く知り、温泉で体も心もぽっかぽかに温まってきました!

凧揚げで有名な内灘町の海と風が育んだ、文化と歴史を巡る旅

自分だけのオリジナル凧を作って内灘の風を感じよう!

内灘町といえば、海風が吹く地形を生かし、年に一度「世界の凧の祭典」が開催されるなど、凧揚げの盛んな土地としても知られています。
凧愛好家が集い、凧の楽しさを多くの人に知ってもらおうと活動している「日本海内灘砂丘凧の会」の活動拠点となっているのが、今回最初に訪れた『内灘町産業会館(凧会館)』です。
館内に入ると、さまざまな凧が飾られています。

大きなサイズの迫力のある凧やユニークなデザインの凧、芸術作品のようなデザイン性の高い凧など、バリエーション豊かで見ているだけでも楽しくなりますね。
「日本海内灘砂丘凧の会」の主な活動は、「世界の凧の祭典」の運営補助や、小中学校・公民館での凧作り教室の開催、各地の凧揚げのイベントへの参加、自作の凧作りなど。

さらにこちらの内灘町産業会館(凧会館)では、常時凧作り体験ができると聞き、さっそく挑戦してみることにしました!
まずは、凧のデザインを選びます。すでに下絵が描いてあるので、ここに色付けをして仕上げていきます。

短時間で仕上げたい場合は、すでに色が塗られているものを選んでもOK!

この下絵は、水墨画をたしなむ凧の会の会長さんが一枚一枚手書きで描いたものだそうです。
わたしは、内灘の海で波に乗るサーファーやジェットスキーを楽しむ人たちが描かれた、こちらのデザインを選択。

内灘の「う」が中央に描かれたインパクトのあるデザインです。

まずは下絵に水彩絵の具を使い、色を塗っていきます。

凧名人である凧の会の会員の皆さんが、代わる代わる指導してくれますよ。

色付けは、下絵が浮き出てくるように絵の具を水で薄く溶いて、サッと塗るのがポイントだと教わりました。
細かい部分に色付けしていくのが難しく、隅々までしっかり塗られていない部分もありますが・・・、内灘の海のダイナミックさが伝わる仕上がりになったのでは、と自画自賛(笑)

お子さんの場合は、マジックで好きなデザインを描くこともできるそうで、より気軽にオリジナリティーのある凧をデザインできますよ。
続いて、裏面に凧を支える骨となる竹ひごを貼っていきます。

木工ボンドを竹ひごの全面に塗り、しっかりと貼り付けるのがポイントです。
縦・横・斜めに竹ひごを貼ったら、のりしろを折り込んで接着し、角と上下の中央、真ん中の糸を通す部分に和紙を貼って補強します。
四隅の角に糸を結んで、中央で合わせて仕上げ、凧のしっぽをつけてできあがり。

体験時間は60分ほどでした。

糸を結ぶ作業は少しコツがいるので凧名人にお願いしましたが、その他の作業はシンプルで、不器用なわたしでも比較的スムーズに凧を完成させることができましたよ♪
体験内容としては、凧を作り上げるまでなのですが、せっかくなので「どんな風に揚がるのか見てみたい!」と思い、会員の皆さんにお願いすると快くOKしてくれました。

近くの「蓮湖渚(れんこなぎさ)公園」に移動し、急遽”ミニ凧揚げ大会”を開催することに!
しかし、風が強すぎることもあって、最初はなかなか上手く揚がりません。

糸を調整してもらい、凧の動きに合わせて移動するなど、ポイントを教えていただいて・・・
やっと揚がった!凧揚げ大成功です!!

一時は揚がらないんじゃないか・・・と心配したこともあり、高く上がる凧の姿に喜びもひとしおでした。
糸をのばすとどんどん揚がっていく凧。こんなに高く上がるんだー!と驚き。

想定していたよりもかなり高いところまで、ぐんぐん上がっていきましたよ。

自分の作った凧が空を舞う姿に、ワクワクと爽快感がありました!これは凧の会会員の皆さんが凧の魅力にハマるのもわかる気がしますね。
凧の会会員の方が手作りされた独創的な凧も一緒に揚がると、空がにぎやかに。

わたしは子どもの頃に凧で遊んだ経験がほとんど無かったので、凧作り体験と凧揚げを通して、凧の魅力やおもしろさを新鮮に感じることができました。

ぜひ、世界に一つの自分だけの凧作りに挑戦して、心地よい海風を感じながら凧揚げを楽しんでみてはいかがでしょうか?

基本情報

内灘町産業会館(凧会館)

【住所】石川県河北郡内灘町字向粟崎2-70

【電話番号】076-239-4553

【定休日】月~土曜の午後、日曜、祝日

【駐車場】約10台


《凧作り体験》

【体験料金】300円〜 ※和紙の凧は1,000円

【体験時間】月~土曜の9:00~12:00(約1時間)

【実施期間】通年


››日本海内灘砂丘凧の会の公式サイトはこちら

内灘のディープな魅力に浸ることができる穴場なスポット!『風と砂の館』

続いては、内灘町の歴史をじっくりと知るために『内灘町歴史民俗資料館 風と砂の館』へ。
この資料館では、内灘町の歴史や民俗・文化に関する貴重な資料が展示されています。

学芸員の宮永さんに案内していただきました。
第1展示室で見ることができるのは「粟ヶ崎遊園」に関する資料たち。

「粟ヶ崎遊園」は、1925年(大正14年)に、北陸の材木王とも言われた平澤嘉太郎が私財を投じて作った大遊園地です。

広大な敷地には遊園地のほか、レヴュー(大衆娯楽演芸)や演劇を鑑賞できる大劇場に大浴場、動物園、食堂まである一大アミューズメントパークで、閉園するまでの約20年間、若者からファミリーまで多くの利用者でにぎわいました。
陳列棚には、当時の舞台衣装を再現したものや、入場券・招待券、スター俳優のブロマイド、大浴場のタイルなど、当時のにぎわいを感じることができる貴重な資料が並んでいます。
粟ヶ崎遊園に関するこれだけ多くの展示が見られるのは、石川県内でもここだけだそうで、粟ヶ崎遊園ファンからも非常に注目されているスポットなのだそうです。
華やかな歴史資料だけではありません。
第2展示室では「内灘闘争」に関する資料も展示されています。

1952(昭和27)年に米軍の砲撃試射場の候補地として内灘が選定され、地元住民は反対運動に立ち上がりました。
当時の活動の様子を記録した写真や、実際に使用されていた鉄板道路、弾薬箱や砲弾、激励文などを見ることができます。

また、内灘の昔の暮らしを知ることができるコーナーも。

約70年前の民家の茶の間が再現され、当時の生活の様子をリアルに感じることができました。

 
内灘の砂地では耕作が困難だったため、住民の大半が漁業に従事していたそうです。

強い海風と砂と戦いながら、必死に生き抜いてきた内灘の人たちの気迫が、漁具の数々から伝わってくるようでした。
2階のホールでは、「世界の凧の祭典」で実際に揚がった日本、世界の凧も展示されています。

形や大きさ、デザインがさまざまで、こんな凧もあるのか!と改めて凧文化の奥深さに感心させられました。
この施設の前はよく通っていたのですが、中に入ってじっくり鑑賞したのは初めて!

粟ヶ崎遊園のことをもっと知りたくなりましたし、色々な歴史に触れて内灘のイメージがガラリと変わった気がしました。

基本情報

内灘町歴史民俗資料館 風と砂の館

【住所】石川県河北郡内灘町字宮坂に455

【電話番号】076-286-1189

【開館時間】10:00~17:00(最終入館は16:30まで)

【定休日】火曜(祝日の場合は開館・翌平日休館)、12/29~1/3

【駐車場】16台

【入館料】一般:200円(団体:150円)、高校生以下:無料

抜群のロケーションを楽しみながら体ぽかぽかリラックス!

最後に、旅の疲れを癒やそうと立ち寄ったのは『展望温泉 ほのぼの湯』

1989年に国の「ふるさと創生事業」で地下1,500mまで掘削し、温泉を掘り当てたのが、この温泉施設の始まりです。2017年4月にリニューアルし、さらに利用しやすく生まれ変わりました。

1階は内灘町の防災コミュニティセンターにもなっています。
1番の魅力はなんと言っても、2階にある大浴場。

大きな窓が設けられ、目の前に広がる河北潟を眺めることができます。晴れた日には遠く白山や立山連峰も見渡すことができる、絶好のロケーション!
金沢市内からほど近くの立ち寄りやすい場所にありながら、源泉100%の良質なお湯が楽しめるのもうれしいポイントです。











 
茶褐色のお湯はナトリウム塩化物泉で、とろみがありまろやかな肌あたり。

体の芯からぽっかぽかに温まりますね~♪
入浴後は、約100畳もある広々とした休憩室でゆったりとくつろぐこともできます。

ここは天国か~!思わず寝っ転がりたくなります。
大きな窓に向かってソファーが並べられた休憩スペースもあり、こちらからの眺めも最高!
風呂上がりの一杯と言えば、やっぱり牛乳ですよね~。
内灘は「ミルク王国」とも言われる牛乳の産地でもありますし、自動販売機を見つけて即買い!

温まった体に冷たい牛乳が染み渡ります。
河北潟を眺めながら、ゆ~ったりとリラックスできました。
館内ではバスタオルやボディタオルも販売されているので、手ぶらで立ち寄っても利用することができますよ。

お手頃価格で良質な温泉に入れて、景色も素晴らしい!おすすめの癒しスポットです。
比較的自宅からも近く、よく知っている場所という印象だった内灘エリアですが、今回の旅を通して新しい発見がたくさんありました。

内灘の豊かな自然を感じ、歴史にも触れながらゆっくりと散策してみてください。きっと新たな魅力が見つかると思います!

基本情報

展望温泉 ほのぼの湯

【住所】石川県河北郡内灘町字宮坂に455

【電話番号】076-286-3100

【営業時間】10:00~21:30

【定休日】第1火曜(祝日の場合は翌週)12/31、1/1

【駐車場】約80台

【利用料金】中学生以上:500円、小学生:200円、小学生未満:無料

 <内灘町民>満65歳以上満70歳未満:300円、満70歳以上:200円

  足湯無料(※足湯は4月~11月のみ)


››展望温泉 ほのぼの湯のサイトはこちら

ページトップへ
「令和6年能登半島地震」の影響による掲載内容の注意点
当サイトに掲載の情報については、震災の影響により更新が追い付いていないものがありますのでご注意ください。