石川県加賀市内で陶芸体験&絵画鑑賞後、片野鴨池でバードウォッチングを楽しむ休日
ほっと石川旅ねっと体験ライターのmakiです。
今回は自然に囲まれた石川県南部の加賀エリアで、らくやき体験と水鳥の観察をして、趣味を見つける休日を過ごしてきました。
初心者でも素敵に作れる、らくやき陶芸体験!
「手びねり」や「絵付」「ロクロ」などの陶芸体験をすることができます。
こちらの施設は代表の荒木実先生が定年退職を機に、2007年にオープンした工房です。
それ以前は大聖寺公民館で講師をしていらっしゃったそうで、陶芸家としてこの道40年の大ベテラン!
手荒れしにくい土を使っていることや、割れにくく作るポイントを丁寧に教えていただけるなど、初心者にも優しく、上手に作ることができます。
この工房では「誰でもいつでも自由に体験できる」ことをモットーにしていて、体験以外に会員コースもあり、会員の方は営業時間内の好きな時間に来て、陶芸を楽しむことができます。
元々は京都の楽家(らくけ)発祥の陶器の一種で、茶陶の名器として知られています。金沢の「大樋焼」は楽焼の脇窯なのです。
比較的低い温度で焼き、焼く時間が短いことが特徴で、
初心者でも簡単に楽しめることから、陶芸体験で人気です。
まず、制作の流れを一通り説明してもらいます。
作業の内容は
1.手動ろくろの上で粘土をパンケーキのように平らに広げる。
2.伸ばした粘土の端を持ち上げて好きな形を作る。
3.軽く乾燥させる。
4.削って綺麗にする。
とシンプルでした。
手びねりと言うと粘土をヒモ状にして形を作るものもありますが、それだと内部にヒビが入りやすいので、ここではやらないそうです。
粘土は1kgです。
1kgでコップやお皿を2枚作ることができます。
足りない場合は1,200円で粘土1kgを追加できます。
「焼くときにヒビが入って使えなくなってしまった」
そんな悲しい経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
らくやき体験工房では、せっかくの思い出が残らなくならないように、作品は2つ作ることをおすすめしています。
お皿や、コップ、花瓶、置物などいろいろ・・・。
何を作るか考えていかなくても、展示品の中からイメージを膨らませることもできますね。
私は優柔不断な性格なので、作るものは事前に考えていきました。
・・・コップです!
頑張って作っていきます。
この作業ではしっかりと力を入れて、粘土を締め固めていきます。
「削る時に綺麗にするからここでは形作りを頑張ってくださいね」と、
その都度頑張るポイントを教えてもらえるので安心して作業を進めることができました。
形作り2割、削り8割と言うそうで、しっかりと時間をかけていきます。
削ることで、綺麗にするだけでなく厚さも調整していきます。
一旦乾燥させることで、簡単に削ることができました。
約2時間で成形が終わりました!
余った粘土でお正月飾りのウサギも作りました。
集中していたので、時間があっという間でした。
先生の指導のおかげで想像していたものより素敵な作品ができて、大満足です。
遠方からの方など、取りに来ることが難しい方はここで釉薬の色を指定し、完成品が後日家に届きます。
窯入れの日(別日)に参加できる方は実際に自分で釉薬を塗り、完成したものをその日に持ち帰ることができます。窯に入れて、わずが15分ほどで完成して持ち帰れるのも、ここの工房の特徴だそうです。
完成が楽しみです。
作ったらくやきは、2日後の窯入れに参加し、受け取りに行きました。
好きな色の釉薬を塗り、薪の窯で15分ほど焼いた後、すぐに持ち帰ることができました。(約1時間半)
陶芸体験って作った後、忘れたころに届くイメージがあったのですが、この工房では記憶の浅いうちに持ち帰ることができるのも、とても魅力的だと思いました。
さっそく使って、楽しみたいと思います!
基本情報
らくやき体験工房
[住所]加賀市大聖寺下屋敷町17
[電話番号]0761-72-1175
[定休日]不定休
[営業時間]10:00~16:00
[駐車場]工房前の観光駐車場(乗用車20台 バス2台)
《てびねり体験》
[体験料金]2,800円(送料830円~1,050円)
[実施期間]通年
[体験時間]10:00〜、13:00〜(約2時間)
九谷吸坂窯地内に建てられた『硲伊之助美術館』へ
こちらは色絵磁器と油絵、版画などを所蔵している美術館です。
土壁は白漆喰い仕上げ、周囲の雑木林と調和した趣きあふれる佇まいです。
硲伊之助(はざまいのすけ)は、大正ー昭和時代に活躍した洋画家です。
戦前はフランスで"色彩の魔術師"と呼ばれた画家アンリ・マティスに師事。
戦後の日本に近代美術が定着する大きなきっかけとなった1951年のマティス展(のみならず、その後のピカソ展やゴッホ展も)などは、二人の深い繋がりなくして実現はかなわなかったと言われています。
戦後は日本美術会の委員長として活躍しました。
硲伊之助は、生まれは東京ですが、晩年古九谷に出会い、現在美術館がある場所に九谷吸坂窯(くたにすいさかかま)を造りました。
「古九谷」そのものに魅了され、古九谷が日本の色彩絵画へとつながっていることを発見し、そこに魅力を感じたのだそう。
三彩亭という名前で九谷焼の創作に専心し、82歳で永眠するまで精力的に美術活動を続けたそうです。
大皿をキャンバスに自由に描き、油絵を超えるような発色と色の調和を追求し続けたと知って、作品がより生き生きと見えました。
なお、こちらでは吸坂窯を受け継ぐ硲紘一さん、海部公子さんの作品も取り扱っています。
お二人も、古九谷五彩の鮮やかな世界を追い求めているそうです。
(あぢさゐ 65.0x50.0cm 1938年作)
硲伊之助にまつわる書籍やポストカード、硲紘一さん、海部公子さんの作品のポストカードも販売しており、旅土産にも喜ばれそうですね。
また、古九谷の多様性に富んだ美しさに触れられる企画展も定期的に行われており、加賀の伝統文化や日本の芸術の奥深さを愛でられる施設ですよ。
基本情報
硲伊之助美術館
[住所]石川県加賀市吸坂町4-3
[電話番号]0761-72-0872
[入館料]大人 500円
高校生以下 無料
団体(10名以上) 400円
[営業時間]10:00~17:00(入館は16:30まで)
[休館日]火、水、木曜(但、予約あれば開館可)、年末年始(12/25〜1/10)
[駐車場]20台
数千羽のガン・カモ類の越冬地『加賀市鴨池観察館』
加賀市鴨池観察館は片野鴨池の畔に立つ観察施設です。
片野鴨池は、日本有数のガン・カモ類の越冬地で、ラムサール条約登録湿地です。冬季には数千羽の水鳥が越冬のために飛来し、夏季には多くの小鳥たちが周辺の林で子育てをするそうです。
目の前で野生の暮らしを観察することができるなんて、ちょっと感動。
「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」と定義され、最近では水鳥に限らず生態系に重要な役割を持つ湿地を守るための条約へ変化してきているそうです。
片野鴨池は水鳥の生態系に重要な役割を果たしている事が国際的に認められ、1993年に登録されました。
手付かずの自然だけではなく、生態系を維持しつつ、自然から得られる恵みを持続的に活用していくという考えです。
片野鴨池も田んぼや坂網(さかあみ)猟など、人の生活と関わりながら維持されています。坂網猟については全国で3ヵ所しか行われていないうちの1ヵ所で、その猟で獲れたカモの治部煮は「とってもおいしい!」とレンジャーの方に教えていただきました。
施設内には猟の仕組みが分かる説明パネルなどがありました。
レンジャーが常駐して丁寧に解説してくれるため、鳥ついてに詳しくない私でも見分け方など教えてもらいながら楽しく観察できました。
こちらの施設がきっかけで鳥の観察を始める方が多いというのも頷けます。
・普段生活していて見る機会がある野鳥の種類は
大体100種ほどで覚えるのに丁度良い数であること。
・カラフルな鳥も多く、比較的見分けやすいこと。
・二足歩行で愛着が湧きやすいこと。
・昼間に観察できること。
などがあるそうです。
「ポケモンも初期は151種類だったので、このくらいの数は覚えるのに丁度いいんです」と教えてもらい納得!
夏季は鳥たちの観察が難しくなりますが、
下の田んぼに降りて虫の観察や、夏休みの自由研究など、
親子連れの方に人気があるそうです。
片野鴨池はトモエガモがたくさん飛来する全国的に珍しい場所だそうで、「トモエちゃん」という可愛いマスコットもいました。
鳥が好きな方も、私と同じように鳥についてあまり詳しくない方も、水鳥の観察を楽しめる施設です。
基本情報
加賀市鴨池観察館
[住所]石川県加賀市片野町子2-1
[電話番号]0761-72-2200
[入館料]大人 350円
75歳以上 170円
高校生以下及び障がい者・介助者1名の方 無料
*20名以上団体割引あり(事前に要連絡)
[営業時間]9:00~17:00(入館は16:30まで)
[休館日]なし(臨時休業日あり)
[駐車場]乗用車 44台
大型バス 5台
加賀で趣味を見つける休日を過ごしてみて
どちらも知らない世界で、挑戦しづらいイメージがありましたが、丁寧に教えていただき、身近に感じることができました!
新たな趣味を見つけに、ぜひ加賀へ遊びに来てください♪