大聖寺藩城下町の歴史と文化を巡る旅 〜和の空間で上生菓子作り〜|石川県加賀市
ほっと石川旅ねっと体験ライターのタニシです。
今回は、加賀前田藩の支藩として誕生した大聖寺藩の歴史と文化をめぐるため、石川県加賀市にある『蔵六園』と『江沼神社』を散策してきました!
さらに、『小山芳月堂』にて大人も子供も楽しめる和菓子作り体験に参加!
それでは早速、
十万石の城下町、大聖寺の魅力をお伝えしていきますよ〜♩
石川県加賀市・大聖寺の繁栄に貢献!? 蔵六園で北前船を学ぶ
日本海を雄飛した旧北前船主のお屋敷が、当時の姿を変えることなく残されています。
金沢駅からは車で約60分。専用駐車場が用意されているので安心。
加賀温泉駅発着の周遊バスを使ってのアクセスも可能です。
まずは受付にて入館料を支払いましょう。
ところで、北前船とは…
江戸時代から明治時代にかけて活躍した買積み廻船です。
日本海を往復し、各寄港地で売買を繰り返すことによって、莫大な利益をあげていました。
日本海の荒波に勇敢に立ち向かい、「日本一の富豪村」と言われるほどの巨万の財を橋立村にもたらしたと言われています。
1896年に創設された、日本海上保険会社(現損害保険ジャパン株式会社)の創設者7名のうち、なんと4名が北前船の船主だったそうです。
今や誰もが知る保険会社と北前船にこんな接点があったなんて…!!
そして「自分たちが苦労したから海上保険を作ろう!」という、北前船主たちの決意と行動力に脱帽です…!
和と洋の調和!見事な庭園を見ながらのんびりティータイム
この日は天気も良くて吹き抜ける風が気持ちいい!
庭園は江戸時代後期の天保年間(1831~1845年)に作られたもので、庭の自然石が亀に似ていることから、
大聖寺藩十四代藩主前田利鬯(としか)公によって『蔵六園』と命名されたそうです。
※蔵六:4本の足と頭と尾の6つを甲羅の内に隠すことから亀の異称。
山野草を眺めながら、ゆったりとくつろげる空間となっています。
こちらではコーヒーやジュースを各400円で頂くことができます。
我々は抹茶(お菓子付き)を頂くことに!
奥様が手入れされている山野草のお庭では、季節ごとに違った草花を拝見できます。
また、お庭にはご主人手作りの巣箱が…!
この日もたくさんの鳥たちが内見に訪れていましたよ♩
ご夫妻のセンスが溢れる、素敵な空間でした!
美術品から普段使いできるものまで、ずらりと展示されており、まるで美術館に来ているかのようです。
骨董品といえばお高いイメージですが、可愛い小皿がなんと2,000円程で販売されていました…!
眺めているだけでも楽しいですよ〜♩
北前船の歴史に想いを馳せた後は、ティールームで本を読んだり、
山野草を眺めながらおしゃべりしたり、好きなように過ごしてほしいとのこと。
バードウォッチング目的で訪れる方も多いのだとか。
私も必ず再訪したいと思います!
基本情報
北前船主屋敷 蔵六園
【住所】石川県加賀市橋立町ラ47
【電話番号】0761-75-2003
【営業時間】10:00~16:00
【定休日】不定休
【入館料】大人400円、小学生以下250円
【駐車場】専用25台
歴史ある和菓子屋さんで季節感あふれる上生菓子作り体験
今回はこちらに併設された「茶房 香楽(からく)」にて、
上生菓子作りを体験することができると聞いてやってきました!
体験は予約制となっていますので、
お電話、もしくはじゃらんの体験予約ページから事前に予約して下さい。
駐車場はお店から少し離れた場所に4台分用意されています。
大聖寺駅からは徒歩10分とアクセス抜群なので、旅の途中に立ち寄るのも良いですね♩
和菓子以外にも、レモンケーキなどの洋菓子も発見しました!
色々あって目移りしてしまいます…。
小山芳月堂の創業は1897年(明治30年)
125年の時を経て、現在は5代目が伝統の“味” “技術” “想い”を受け継いでいるそうです。
また、お菓子には保存料や添加物を一切使用していないのだとか。
そのため、朝に作った商品は全てその日のうちに売り切ってしまいます。
体験が終わったら何か買って帰ろうなどと呑気に考えていた私ですが、残念ながら体験終了後にはほとんど売り切れていました…。
さすが超人気店です!
お目当てのお菓子を見つけたら、体験前に購入しておくことを全力でオススメします。
上生菓子1種類…1,800円
上生菓子2種類…2,300円
となっています。
我々は2種類のコースを選びました♩
店内で受付を済ませ、茶房 香楽へ案内して頂きました。
机の上には既に材料が用意されており、ワクワクが止まりません!!
手洗いと消毒を済ませたら、体験スタートです!
毎月違った種類の上生菓子作りを体験できるのも魅力の一つ!
今回伺ったのは12月ということで、クリスマスツリーとサンタクロースを作ることに。
超がつくほど不器用な我々ですが、
5代目のご主人である小山祥太さんが丁寧に教えてくださるので安心です!
まずはこちらの道具と緑の餡を使ってツリーの木の部分を作っていきますよー!
長すぎたり、短すぎたり、大きさがバラバラになってお手本のように上手くはいきません…。
そんな私にも「そうそう!そんな感じ!」と、
ポジティブな声かけで励まして下さり、ありがたかったです…!!
そぼろ餡を箸でつまみ、土台にそっと押しつけるのですが、
押し付けすぎるとそぼろが潰れてしまいます。
集中しすぎて無言になる我々…。
ツリーが完成したら、いよいよ飾り付けです!
ところで、これは一体…?
彼曰く「靴下」だそうです。
和菓子体験だからと気合を入れて小豆色のニットを着用してきた彼ですが、既に雲行きが怪しいです…。
アラサーの我々がこんなに楽しんでいるので、
小さなお子様は大喜び間違いなしですね♩
完成したツリーは後ほどお見せします!
2色の餡をくっつけて丸く伸ばしたら、餡を包んでいきます。
憧れの工程で、気分はすっかり和菓子職人!!
上手に包めたら先端を少し尖らせます。
あら不思議!!
これだけで一気にサンタさんになりました!
ここが最大の難関!!
先程の道具より、もっと目の細かいザルのような道具を使って、
白い餡を押し出していくと、細かいサラサラの餡ができました!!
これがサンタさんの髭になるので、箸でつまんでどんどんくっつけていきます。
先程のツリーのそぼろ餡より細かくて繊細な餡…。
力を入れすぎると、餡が全て一体化してしまうので注意が必要です!
最後に黒ゴマで目をつけたら完成です♩
いざ実食!体験だけでなく味にも確かなこだわりが!
気づけば体験開始から約35分が経過…。
ついに上生菓子が完成しました!!
なんと、お抹茶つきです♩(まさかの本日2杯目)
せっかくなので、隣のお座敷に移動していただきま〜す!
こだわりは、ツリーのてっぺんを尖らせたことと、
サンタさんを外国人らしくホリ深に仕上げたところだそうです。
ツリーには先程の靴下らしきものも確認できます。
なかなかの仕上がりではないでしょうか!!
散々彼のことを馬鹿にしておいて、とんでもない仕上がりになってしまいました!
お粗末なツリーの仕上がりに、サンタさんも少々不服な様子。
ちなみに、ツリーに乗っているのはサンタ帽とプレゼントボックスです。
長い歴史を感じさせながらも洗練された落ち着きのある空間は、
先代からの伝統を継承しながら、新しい挑戦を続ける
小山芳月堂そのものを表しているのではないでしょうか。
そして何より、自分たちで作った上生菓子は格別!!
…と言いたいところですが、こちらの餡が本っ当に美味しすぎるんですよね。
小山芳月堂が125年もの間、愛され続けてきた理由が分かった気がします。
ちなみに、作った上生菓子は容器に入れて持ち帰ることもできます!
私は家族へのお土産にサンタさんを持ち帰りましたが、
母からは「う〜ん、ブサイクかも」と辛辣なコメントを頂きました。
そんなちょっとしたやりとりも楽しいですよね♩
そして体験後に購入した、芋羊かん、くるみ餅、十万石(どら焼き)ですが、
写真を撮る暇もなく胃袋へと消えて行きました…。
どれも抜群に美味しかったです!
次こそはおはぎをGETできたらいいな〜♩
皆さんも大聖寺にお越しの際は、是非『小山芳月堂』へ立ち寄ってみて下さいね。
基本情報
小山芳月堂
【住所】石川県加賀市大聖寺中町35
【電話番号】0761-72-0180
【定休日】月曜
【駐車場】4台
《上生菓子作り体験》
【体験料金】1,800円〜
【体験可能人数】2名〜
【実施期間】通年
大聖寺の偉人の魂を宿す神社へ
江沼神社の創建は1704(宝永元)年に、
大聖寺藩祖前田利治と菅原道真を祀った天満天神社を建立したのが始まりだと言われています。
1960年には加賀市指定名勝となりました。
深田久弥は大聖寺出身の小説家・登山家として活躍しました。
加賀市内で多くの校歌を手がけた作詞家としても有名ですね。
加賀市にも兼六園のような名園が! 神秘的な境内を散策
お詣りの後はおみくじを引いて、庭園をのんびりと散策することに。
境内の庭園は大聖寺藩三代藩主の武家庭園として、日本三名園の一つである兼六園の影響を受けて作庭されたもの。
確かに…なんとなく兼六園っぽいですね…!!
静かな水面に景色が反射して鏡のように映し出される橋の上で、記念撮影なんていかがでしょうか?
大名の庭園が境内に残されているのは非常に珍しいそうです。
なんだか神秘的な雰囲気が感じられる庭園でした。
基本情報
加賀市の新しい魅力を発見!
加賀市の歴史が垣間見える『北前船主蔵六園』や『江沼神社』での散策を楽しんだ後は、『小山芳月堂』で和菓子職人気分を味わってみるのはいかがでしょうか?
きっと新しい加賀の魅力を発見できますよ♩