特別展「能楽師大鼓方・飯嶋六之佐家」


飯嶋六之佐家は藩政期から現代まで加賀宝生の地金沢で能楽の大鼓(ルビ:おおつづみ)方を勤め続ける唯一の家です。

家芸の歴史は坂尻屋の五代・八郎右衛門没後、その妻である俳人・珈凉(ルビ:か/りょう)の元へ養子に迎えられた佐六から始まります。

時は武家の式楽として能楽が隆盛を極めた江戸時代、加賀藩では五代藩主前田綱紀(ルビ:つな/のり)の代に能楽を手厚く保護し、研鑽を積んで認められた町民は町役者として舞台に上がることが許されました。佐六は六代藩主吉徳(ルビ:よし/のり)の代に、石井流の大鼓を当時国元の重鎮であった小杉次郎三郎に学び町役者となります。安永7年(1778)59歳になった佐六は十代藩主重教(ルビ:しげ/みち)から功績を認められ、扶持とともに「飯嶋」姓を名乗ることが許されます。能に耽溺する藩主の厳しい御用を勤めた佐六へ信頼は厚く、天明3年(1783)には「六之佐(ろく/の/すけ)」の名も拝領し、初代飯嶋六之佐となりました。

早世した二代に代わり三代を継いだ佐六は、文化5年(1808)に十二代藩主斉広(ルビ:なり/なが)の意向で石井流から葛野(ルビ:かど/の)流へ改流を命じられ、江戸の家元・葛野市郎兵衛の所へ修業に出ます。以来、現在の十代六之佐まで葛野流の大鼓方として技芸が継承されます。

四代の時代に明治維新が起こり幕府は解体、旧官職名に通じる名乗りを禁止されて「六之佐」を「佐之六(ルビ:さ/の/ろく)」と改名します。さらに廃藩置県によって藩主前田家が金沢を去り能役者へ与えられていた扶持も廃止され、生活に苦労したことは想像に難くありません。家芸を継承してきた家々が上京したり廃絶する中で、飯嶋家は佐野吉之助をはじめとする能楽愛好家達と能楽の復興・発展に努めました。八代から隔代に「六之佐」を名乗り、家芸は現在まで繋がります。

この度は飯嶋家に伝わった資料の受贈とともに、同家の調寿会70回を記念し展覧会を開催します。能楽、金沢の史実と共に歩んできた飯嶋家の歴史を知る一助となれば幸いです。


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基本情報

開催期間
9月6日(金)-10月28(月)
開催時間
10:00‐18:00(17:30)
所在地
石川県金沢市広坂1-2-25
お問い合わせ先
金沢能楽美術館
電話番号
076-220-2790
FAX番号
076-220-2791
営業時間/期間
10時00分~18時00分(入館は17時30分まで)
休業日
月曜日(休日の場合はその翌日)、年末年始
※展示替などで休館することがあります。
料金
【観覧料】
個人:310円
団体:260円(20名以上)
高齢者等:210円(祝日無料)
高校生以下:無料
※高齢者等とは、65歳以上・障がい者手帳をお持ちの方及びその介護人(1名)になります。

【体験】
有料
アクセス(車)
北陸自動車道金沢西ICから約20分、金沢東ICから約30分
アクセス(公共)
JR金沢駅から路線バスにて「香林坊」下車徒歩5分、または「広坂・21世紀美術館」下車徒歩2分
駐車場
お車でのご来館の際は、金沢市役所・美術館駐車場をご利用ください。
所要時間
【体験】
・「能面」「能装束」着装体験:1名約10分~20分

【見学】
30~60分
ユニバーサルデザインその他
AED(自動体外式除細動器)配備
体験内容
【体験】
・「能面」「能装束」着装体験(金・土・日・祝日限定)
関連リンク
https://www.kanazawa-noh-museum.gr.jp/
備考
・各種クレジットカード、電子マネーが利用できます
・団体での利用については、事前にご連絡ください。

※施設情報が変更される場合があります。最新情報は各公式サイト等をご確認ください。

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